少年男子準々決勝の新潟戦で12得点した福岡のトンプソン・ヨセフハサン(福岡第一2年、中央)=佐賀県唐津市文化体育館

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 国民スポーツ大会(国スポ)のバスケットボール少年男子準々決勝が12日、佐賀県唐津市の市文化体育館で行われ、福岡大大濠高と福岡第一高の16歳以下(U―16)の選手で構成する福岡が2大会ぶりに準決勝に進出した。

 前回大会準優勝の新潟に75―68で競り勝った。前半を34―36の2点ビハインドで折り返すと、チームキャプテンのトンプソン・ヨセフハサン(福岡第一2年)がドライブや2本の3点シュートなど第3クオーター(Q)だけで10得点し、逆転に成功した。「前半は何もできていなかったので『やってやるぞ』と言い聞かせて臨みました。リベンジできて最高です」

 前回大会も準々決勝で新潟と対戦。トンプソンは途中出場で7分36秒プレーし、2得点3リバウンド。チームも73―85で完敗した。「何もできなくてすぐに交代しました。悔しくて、もう一度チャンスがあると、1年間頑張ってきた。すべてをぶつけようと思っていました」。第3Qの活躍を中心にチーム2位の12得点2リバウンドで貢献した。

 キャプテンはインサイドで体を張った後輩をねぎらうことも忘れなかった。同じ福岡第一の1年生、197センチのソップ・ハンソンと194センチのソップ・デビシーのソップツインズが計11リバウンドをもぎ取り、新潟の特長を消した。「新潟には昨年リバウンドでやられたので『ボックスアウトを徹底しよう』と言い合っていた。2人が頑張ってくれた」と主将は感謝した。

 昨年も指揮を執った福岡大大濠の片峯聡太コーチは試合後、トンプソンと喜びを分かち合った。「負けるのはしょうがないけど『2回連続で負けるとかっこ悪いよね』と話していました。キャプテンが頑張ってくれて、いいところで3点シュートも決めてくれた」と目を細めた。

 片峯コーチがトンプソンに加えて名を挙げたのが、卓承賢(福岡第一1年)と中村文哉(福岡大大濠1年)のシューター陣。新潟のエース高橋歩路(開志国際1年)をボールを持たせないディフェンスで10得点に抑えた。「中村はシュートこそ決まらなかったけど、チームのために守備を頑張ってくれた」。2人とも相手のターンオーバーを誘い、失点を60点台に抑えた陰の主役としてたたえた。

 厳しいディフェンスから素早く攻撃へ転じる戦い方を掲げる福岡にとって、リバウンドが優勝への鍵を握りそうだ。片峯コーチは「今日はこのメンバーにとしては頑張りましたが、まだまだ。もっともっと完璧にして準決勝、決勝と臨んでほしい」。難敵を撃破し、3大会ぶりの頂点を見据えた。