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夏休みが終わればいよいよ入試に向けての仕上げの時期にはいってきます。どのようにして最終的な志望校を確定するのか、過去問はどのように進めればよいのか? 塾がお膳立てしてくれる最難関校はともかく、それ以外の学校を志望している子の親御さんは意外に情報がないといいます。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。

子どもの得手不得手が大きく分かれる記述

国語の入試問題は、

・知識問題(漢字や熟語など)
・客観問題(選択肢から選ぶ)
・抜き出し(10文字で抜き出せ、など)
・記述
の4つに大きく分類されます。

この中で、子どもの得手不得手が最も大きく分かれるのが「記述」です。本書では、縦軸に各学校の偏差値、横軸に各学校の国語の入試問題の記述量をプロットしたマトリクス(P.278〜285)を掲載しています。これを見れば、同じ偏差値帯の学校でも「記述」の量には大きな差があることがお分かりいただけると思います。

記述が苦手な子はどうすればいい?

Rちゃんは国語の記述が苦手でしたが、第三志望のみ記述が多い学校でした。
ここで記術対策に専念してしまっては、第一、第二志望や他科目の対策が手薄になります。そこで「第三志望を算・理・社で稼ぐか、国語の負担のない学校に変更するか」と聞いたところ「算・理・社で稼ぐ」とのことだったので、算、理、社の底上げをし、すべて合格することができました。もちろん、国語を記述の少ない学校に変更するという選択肢もあったと思います。

ただし、普段の模試で記述が取れず、本人が「記述が苦手」と思っていても、実際に過去問を解いてみると思いのほか解ける、ということもあります。
ずっと温めてきた志望校に関しては、必ず過去問を解かせ、対策をすることが前提です。対策することにより、めきめきと点数が取れるようになることも多々あります。

一番大切なのは「志望校の問題で点数を取ること」です。偏差値が足りなくても、模試の判定が悪くても、過去問で点数が取れれば合格できます。
逆に、偏差値が足りていても、模試の判定が良くても、問題との相性が悪く、過去問で点数が取れなければ合格は厳しくなります。
本書では過去問との相性が見られる3種類のマトリクス(算数処理力マトリクス・国語読解文章量マトリクス・国語記述量マトリクス)を作成し、各学校の過去問の傾向を紹介していますが、このマトリクスを、はなから挑戦から降りるために使うのではなく、どの程度対策が必要なのかを知り、時間を有効に使うために使っていただければと思います。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。