会見に臨む(左から)関学大・古川靖洋副学長、小野宏ディレクター、池埜聡部長、大村和輝監督(撮影・石井剣太郎)

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 甲子園ボウル6連覇中の関学大アメリカンフットボール部が3日、大阪市内で会見し、6月のU20日本代表カナダ遠征に参加した部員のうち、5人が大会期間中に大麻の蓋然(がいぜん)性のある物質を所有、使用した疑いがあった件について、最終対応を発表した。日本協会からの毛髪検査要請を拒否した部員は、8月30日に下した処分と同様、無期限活動停止。そのほかの部員4人は3日からの活動再開を認めたが、うち1人は24年シーズンの試合出場を停止する。

 日本協会からの処分通知を受けてから1カ月の追加調査を経て、関学大が5人の処分を発表。一定の線引きを下した。

 毛髪検査を拒否した部員Aは9月6日の聞き取りで新たに、遠征中にニコチン入りのvapeと呼ばれる電子たばこの一種を使用したと明かしたという。毛髪検査の拒否や、部と日本協会が禁止する喫煙に抵触したことなどから、8月30日の発表と変わらず無期限活動停止処分となった。

 部では5人の尿検査が陰性で、A以外の4人は毛髪検査も陰性だったことから大麻使用はないと判断。Aについては保留とした。しかし帰国後の調査でB、Cの2選手もニコチン入りでないvapeの使用を明かしており、Bは選手Eの部屋にあった大麻含有を疑われる物質を廃棄するなど、証拠隠滅とも捉えられかねない行為をしたことから今季の試合出場を停止した。

 日本協会、大学側とも決定的な証拠は把握できないまま最終処分に至った。池埜聡部長は「Aの無期限活動停止は永久ではない」とし「なぜそういう行為をしたのか、解きほぐしていくプロセスが必要」と、指導や反省などについて継続支援することを約束した。