29日、米ペンシルベニア州エリーで開催された集会で演説するトランプ前大統領/Matt Rourke/AP

(CNN)米国のドナルド・トランプ前大統領は29日、米国の不法移民問題を非難する文脈で、カマラ・ハリス副大統領の人格について「精神障害」との「口撃」を前日同様に繰り返した。共和党の一部からはトランプ氏に対して、メッセージに集中し、そうした人格攻撃をやめるよう求める声が出ている。

トランプ氏はペンシルベニア州エリーで開催された集会で「ジョー・バイデン(大統領)は精神的に障害を負った。悲しいことだが、しかし、うそつきのカマラ・ハリスは、正直に言って、生まれつきそうだったのだと思う」と述べた。トランプ氏は前日に行われたウィスコンシン州での集会でも、「カマラは精神障害者だ」と語っていた。

トランプ氏は、バイデン政権下で起きた不法移民の問題をめぐりハリス氏を非難している。トランプ氏は28日の集会で、「考えてみれば、我々の国にこのようなことが起こるのを許すのは精神障害者だけだ」と語っていた。

29日午前、一部の共和党議員から、トランプ氏に対して争点に集中するよう求める声が上がった。上院の重鎮リンゼー・グラム議員はCNNの番組で、ハリス氏について、精神障害者とは思っていないものの、「クレージーなリベラル」だと述べた。

グラム氏はさらに、経済や国境、インフレ、外交政策について人々は大差をつけてトランプ氏を支持しているとし、トランプ氏にはそうした争点に集中するよう伝えたいと語った。

下院共和党ナンバー3のエマー院内幹事はABCの番組で、トランプ氏がハリス氏を精神障害と呼んだことについて質問を受けると、争点に集中すべきだと思うと答えた。

エマー氏は、ハリス氏が精神障害だと思うかと質問を受けると、「カマラ・ハリスは米国にとって間違った選択肢だと思う」と述べた。