Meta Connect 2024で発表されたこと、まとめ
早く『レディ・プレイヤー1』みたいにならないかな。
Meta(メタ)が年1回開催している開発者向けカンファレンスMeta Connect。Meta Connect 2024では、長らく噂されていたスマートグラスの「Orion」や「Meta Quest 3S」などが発表されました。Metaは依然として「メタバース」への取り組みを継続しているようです。
この記事では、Meta Connect 2024で発表されたことをまとめてみました。
ヘッドセットの入門にピッタリ。「Meta Quest 3S」
発表された「Meta Quest 3S」は4万8400円から購入できるスタンドアローンのXRヘッドセット。上位モデルのMeta Quest 3が高いと感じる方はこちらを選ぶのがいいかも。
ディスプレイの品質や、深度センサーが非搭載という点ではMeta Quest 3に劣るものの、チップやRAMについてはMeta Quest 3と同じ仕様になっています。
ゲームやアプリについても、Meta Quest 3で対応しているものは、Meta Quest 3Sでも利用可能。2025年の4月30日午後5時(米国太平洋標準時)までにMeta Quest 3Sを新規購入した人は、Meta Quest 3独占タイトルのゲーム『バットマン:アーカム・シャドウ』を無料でプレイできちゃいます。
ちなみに、Meta Quest 3の価格についても変更が発表されました。ストレージ容量128GBモデルの販売は終了、512GBモデルは9万6800円から8万1400円と、1万5400円の値下げが行なわれます。
なお、Meta Quest 3Sの販売に伴い、Meta Quest 2およびMeta Quest Proも販売を終了します。
MetaのARグラス「Orion」、お手軽ARはロマンある
Meta Connect 2024では、MetaのARグラス「Orion」が発表されました。
やや厚めのフレームのOrion、重さは100gほど。カメラで撮影した映像をレンズに表示するのではなく、物理的な視界に映像を表示することが可能です。また、フレームに内蔵された7つのセンサーによるアイトラッキングやハンドトラッキングなどといったAR機能も搭載しています。
Orionはジェスチャーの解釈や処理を行なうために、リストバンドを装着して使用。現時点ではプロトタイプ段階であり、一般向けの販売はされないようですが、今後の進展が楽しみなデバイスですね。
すべてのWindows 11 PCがMeta Questと連携可能に
MetaとMicrosoft(マイクロソフト)の提携により、Windows 11 PCの画面をMeta Questで出力可能になります。
Meta QuestにミラーリングされたWindowsの画面は、マウスやキーボードで普段と同じ使用感で操作が可能。Apple Vision ProでMacをミラーリングする機能のように利用することができるはず。リリース日は発表されなかったので、いつから使えるかはまだ不明です。
電車でもMeta Questのトラベルモードが使えるように
Meta Quest上で動作するMeta Horizon OS。今年初めには、飛行機内でのヘッドセット使用をサポートするトラベルモードが実装。
Meta Connect 2024では、トラベルモードを電車内で利用できるように計画している旨が発表されました。オフラインでの映像視聴や横になった状態でのデバイス使用へのサポートなど、本モードのアップデートについても取り組んでいるようです。
スマホで部屋をスキャン、Meta Questで表示できるアプリを開発中
MetaのCEOザッカーバーグ氏はイベントで、「Meta Horizon Hyperscape」という開発中のアプリについて言及。
同アプリを使うことで、ユーザーがスマートフォンでスキャンした部屋のデータをMeta Quest上で操作可能になるみたい。このアプリについてのリリース時期はまだ不明ですが、Metaは再現した空間のデモをいくつか公開しています。なおデモはアメリカでのみ利用が可能です。
MetaのRay-Banスマートグラスがさらにアップデート、日本でも売って…。
MetaがRay-Banとコラボして開発したスマートグラス。こちらのAI機能が強化されるようです。
AIアシスタントとの会話や、写真撮影、通話などができる本製品。Spotify、Amazon Music、Audibleなどのアプリとの連携も企画されているようですが、このデバイス、そもそもの日本展開がされていないのが残念なところ…。
他にも、ボランティアのサポートで視聴に障害がある方や低視力者の視覚を援助するアプリ「Be My Eyes」との連携や、次世代Ray-Banグラスでの処方レンズ対応などについても発表がありました。
各種SNSに導入された「Meta AI」が強化されるも日本では未対応
アメリカなどでは、Facebook、Instagram、Messenger、WhatsAppで既に導入されている「Meta AI」。本AIについて、さらなるアップデートが行なわれます。
音声機能が進化。AIのチャットボットとは音声による会話が可能に。この機能は来月より、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで利用できるようになります。
また、画像認識機能にも対応。各アプリのチャットで画像についてMeta AIが説明をしてくれるようになります。例えば、鳥の写真を友達に送ると、その鳥の種類をAIが教えてくれたりするみたい。他にも、Googleの「消しゴムマジック」のように、画像内の不要なオブジェクトの削除もできるようになるとのことです。
Instagramでは映像の自動吹き替えなども計画されているようです。自分の希望する言語で動画を閲覧できるようになる日も近いかもしれません。
さまざまな機能が充実していくMeta AIですが、日本では未対応。展開時期も不明…。早く日本でも使わせてくれー!
Metaが開発した大規模言語モデルLlama(ラマ)の新バージョンが登場
Metaによる大規模言語モデル、Llamaは「Llama 3.2」へとアップデート。
110億のパラメータ数を有する「11B」および900億のパラメータ数を誇る「90B」の大型モデルでは画像やテキストの理解が可能。「1B」および「3B」の小さなモデルは、クラウドを使用せず、モバイルデバイスで稼働するように設計されています。
Metaによると、これらのモデルはQualcomm(クアルコム)やMediaTek(メディアテック)のモバイルチップと連携するとのことです。