The Hacker Newsは9月24日(現地時間)、「Kaspersky Exits U.S., Automatically Replaces Software With UltraAV, Raising Concerns」において、Kasperskyが今月末に予定されている米国からの撤退に先立ち「UltraAV」への強制アップデートを配信したと伝えた。米国からの撤退は米国産業安全保障局(BIS: Bureau of Industry and Security)による取引禁止処置によるもので、概要は「米当局、Kaspersky製品の提供禁止を発表 - アップデートも禁止 | TECH+(テックプラス)」にて伝えている。

Kaspersky Exits U.S., Automatically Replaces Software With UltraAV, Raising Concerns

○強制アップデートの概要

KasperskyのフォーラムおよびRedditへの投稿によると、「UltraAV」へのアップデートは通知なしの自動更新とされる。ユーザーの同意なしにKaspersky製品は削除され、UltraAVに置き換えられる(参考:「UltraAV software no notification, Automatically Installs, and Can't Remove it!! - Kaspersky Anti-Virus - Kaspersky Support Forum」)。

UltraAVの発表によると、KasperskyはUltraAVへの移行について、2024年9月5日以降に米国顧客に対して通知したという。そのため、有効なメールアドレスを登録していたユーザーには、詳細な事前通知があったと説明している(参考:「FAQ - UltraAV」)。

○UltraAVの声明

UltraAVは米国のセキュリティ企業「Pango Group」が販売するアンチウイルスソフトウェア。同社の発表によると2,500万人以上のアクティブユーザーを抱える。

UltraAVは、この件について、The Hacker Newsに対し長文の声明を寄せている。その概要は次のとおり。

当局による禁止処置を受けて、KasperskyおよびPango Groupは米国内の全顧客を自動的に移行することに合意した。この取り組みは撤退後に保護されないリスクを最小限に抑える目的がある。Kasperskyは9月5日より通知を開始している。UltraAVは20年以上の歴史があり、高度な技術でマルウェアを検出する。(自動移行した)顧客はKasperskyと同じ価格で同等の保護が受けられる。また、取引監視やアイデンティティ盗難保護など追加のセキュリティ機能も提供する。

強制アップデートの詳細については、UltraAVのホームページ上で情報が公開されている(参考:「KL-Transition - UltraAV」)。また、機能差分の表やFAQを公開しており、ユーザーへの影響を確認することができる。