「強く抗議して」深センで日本人男児が刺され死亡…中国外務省「類似の事件はどの国でも起こる」発言に怒り殺到
事件現場となった深セン市内には花束も…(写真・アフロ)
中国南部の広東省深セン市で、登校中に刃物で襲われた日本人学校の児童が、9月19日未明に亡くなった。
「事件が起きたのは9月18日。深セン市の日本人学校に、親と一緒に登校していた10歳の男子児童が、44歳の中国人の男に刃物で腹部を刺されたのです。児童を刺した男はその場で警察によって身柄を確保され、自身による犯行を供述。地元警察の発表では、男は定職に就いておらず、2019年には公共の秩序を乱す事件を起こすなど、複数の前科があったといいます。一方、病院に搬送された男子児童はその後、治療を受けていたものの、亡くなったことを広州の日本総領事館が発表しました。
中国では今年6月にも、江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスが、刃物のようなものを持った中国人とみられる男に襲われ、日本人の親子2人が切りつけられる事件が起こっています。親子の命に別状はありませんでしたが、日本人が狙われる事件が続いていることから、背景に中国の愛国教育の影響やSNSで反日投稿が広がっていることがあるのではないかと指摘する声もあります」(社会部記者)
深セン市の事件を受けて、中国外務省は19日午後に会見をおこない、男児の死亡に「哀悼の意を表する」とした上で、事件については「個別事案」だと主張。「このような事件はいかなる国でも発生する」と述べた。
しかし、この発表に、X上では、
《日本人の子どもが襲われている もう帰っておいで。せめてお子様とお母様は。反日教育を完成させた中国政府は守ってはくれません》
《これは許してはならない事件です。上川外相、いますぐ中国在住日本邦人を日本に帰国させてください。いつまでも中国に弱きではなく、もっと強く抗議してほしいです》
など、怒りの声が殺到している。
著名人も同事件についてXで続々反応を示している。東大名誉教授で日本文学研究者のロバート・キャンベル氏は、9月19日、自身のXで次のようにポストし、波紋を呼んでいる。
《むしろ報道として問うべきは、繰り返される日本児童への暴力の根っこにある行き過ぎた反日教育と、今、その土地で暮らし学んでいる子供をどう守るか、という点ではないでしょうか?》
現時点では、6月のスクールバス襲撃事件も含めて犯行動機はわからず、いわゆる日本人への“ヘイトクライム”なのかどうかは不明だ。
「深センは中国でも有数のビジネス上の拠点で、多くの日本人が暮らしています。ただ、ここのところの中国国内での不況の煽りを受けて失業者も増えてきており、そもそもの治安が悪化しているという指摘もあります。
とはいえ、中国側が事件の真相究明に努めなければ、日中関係の悪化にも繋がりかねない事態ですね」(同前)
今、日本政界は総裁選一色だが、政府は毅然と中国に対峙し現地邦人の安全確保を徹底しなければならない。