Image: Pico Technology

ニンテンドーSwitch+リングフィットに勝るとも劣りませんねコレは...専用オプションのトラッカーも手に入れるのであれば、ですけど。

スタンドアローンかつ、ゲーミングPCと接続してリッチなVRゲームを楽しめるうえ、Windowsノート/Macbook用超巨大モバイルディスプレイとしても使える新XRヘッドセット「PICO4 Ultra」が本日9月20日より発売となっています。

MetaのQuest 3とライバルな立場となるPICO4 Ultra。どんなXRヘッドセットなのでしょうか。

PICO4 Ultraはメモリ12GB/ストレージ256GBで8万9800円

Photo: 武者良太

Meta Quest 3同様に立体視可能なカラーパススルー機能を採用し、空間ビデオ/写真のカメラにもなるし、VRもMRもばっちりイケるXRヘッドセットとなったPICO4 Ultra。お値段は8万9800円、Amazonなどでも販売されています。

Quest 3の価格は7万4800円。1万5000円も高いじゃないか!というツッコミが入るでしょうけど、Quest 3のメモリ/ストレージはメモリ8GB/128GB。対してPICO4 Ultraは12GB/256GBとなります。ゲームめっちゃやるand動画いっぱい保存しておくなら、PICO4 Ultraのほうがコスパ良いかも。

プロセッサはQuest 3と同じSnapdragon XR2 Gen 2

Image: Pico Technology

数多のセンサーを搭載するため、プロセッサの処理能力が性能と直結するXRヘッドセット。PICO4 UltraはMeta Quest 3と同じQualcommのSnapdragon XR2 Gen 2を採用しました。PICO4やQuest 2が使っていた第一世代のSnapdragon XR2と比較してGPUパワーが約2.5倍、AI系の計算能力も8倍となったSoCです。

さらにパワフルなSnapdragon XR2+ Gen 2もQualcommは発表済みですが、アタマの良さの足並みを揃えてきたあたり、Meta Quest 3の価格帯から大幅に逸脱しないぞという意思を感じます。

PICO4譲りの画質+新映像チューニングでQuest3に匹敵

Image: Pico Technology

パネル解像度は片目2160x2160ピクセル。正方形ですね。パンケーキレンズを採用し、中央視野はかなりシャープ、周辺視野も色にじみや強い光の乱反射(ゴッドレイ)はほとんど感じません。

この画質はPICO4ゆずりなのですが、2022年10月にPICO4が登場したときはもっと輝度が高めで鮮やかに見える反面、白飛びも目立った記憶があるんですよね。現在のOSバージョンでは映像チューニングを変えたんじゃないかな。自然の風景もCGも人も、見やすくなりました。

Quest3と比較しても、色味や視野の広さの違いはあれど、どちらも高画質です。つまりどちらも10万円以下のXRヘッドセットのなかではトップクラスの画質の持ち主です。

歪み発生をギリギリまで抑えたカラーパススルー

Image: Pico Technology

PICO 4とPICO4 Ultra(なぜか公式サイトの表記通りでいくと、PICO4 Ultraは「PICO」と「4」の間のスペースがない)の大きな違いは、前面パネルに備わった2機のRGBカメラや深度を測るLiDARセンサーの有無。カラーではあったけどシングルカメラで平面パススルーだったPICO 4から、PICO4 Ultraは立体視かつ暗い場所でも見通し力が高まったカラーパススルーを実現してきたんですよ。大幅なアップデートをキメました。

手をカメラに近いところに寄せても、ほぼ歪みが発生しません。違和感の少なさが逆に違和感を呼んでくる。見栄えは違うけど、Vision Proのカラーパススルークオリティに肉薄してますね。

WindowsだけではなくmacOSでも使える空間コンピューティング機能

Image: Pico Technology

アップルのVision Proが仮想ワークスペースとなる空間コンピューティングの思想を発表して以来、XRハードウェア各社が「ウチのXRヘッドセットでも、ARグラスでも空間コンピューティングできまっせ」とフォローしまくっていますが、PICO4 Ultraも同様です。

しかも接続できるデバイスはWindowsだけではありません。Mac OS用の接続アプリもリリースしています。ウィンドウ並べまくって仕事できるよ!

ただしこの分野においては、アイトラッキングである程度の操作範囲を絞り込み、タッチパッドなどで微調整するだけで目的の操作がしやすくなるVision Proには届きませんね...。

重量バランスに優れた設計

Photo: 武者良太

Meta Quest 3との大きな違いとして、重量バランスの良さが挙げられます。といってもこれはPICO4ゆずりの形状、ディメンジョンを採用したから。もともとPICOシリーズって、装着感の良さを追求してきたんですよね。

前側が304グラム。バッテリーが入ったヘッドストラップ後部が276g。完全な1:1の重量バランスとはいきませんが、実際に装着するとフロントヘビーなXRヘッドセットとは異なり疲れにくい。ゲームなどで遊ぶときもアタマからズレにくいので、コンテンツに没入しつづけられます。花マルあげましょう。

リングレスコントローラでゲームのしやすさがUP

Image: Pico Technology

トラッキングのために大きなリング状のパーツがついていたPICO 4のコントローラから進化。リングレスコントローラとなりました。

片側2本の単3乾電池が入るグリップ部に重心があり、強く握らなくても手から滑り落ちにくいのが良い。サイズが小さくなったことも含め、VRゲームで遊んだり、フィットネスアプリで運動するときのストレスが低減しましたね。これはかなりの良アップデートです。

足首2点のトラッカーを追加することで全身24点トラッキングを実現

Photo: 武者良太

そして最大のPico Technologyグッジョブな要素が、オプションとして用意されるPICO Motion Trackerです。両足首に装着する2点のトラッカーなのですが、PICO4 Ultra本体(頭部)とコントローラ(右手、左手)と合わせて5点トラッキングを実現。さらにAIによる補正をすることで、全身24個所の関節を認識し、立っても座っても寝てもダンスをしても高精度なポージングをVR空間内に持ち込めます。

現時点で対応しているアプリはソーシャルVRのVRChat、遊びながらエクササイズができるALL IN ONE SPORTSなど20種類以上。今後も対応アプリは増えていくでしょう。ゲーム機材としての純度を高めたPICO4シリーズの大いなるストロングポイントとなる要素ですから。

フィットネスデバイスとしても一段進化した感じ、ある。足や腰を動かせるって絶大なインパクトがあるんです。対応アプリの多さと、毎日遊びたくなる・いつまでも続けたくなるUIUX次第となりますが、ご家庭用健康デバイスの世界一になるかもしんない。

あまりにも(VRChatユーザーからの)人気が高まりすぎて、予約でファーストロットが売り切れてしまいましたが、PICO4 Ultraの購入を考えている方は、1万1800円のPICO Motion Tracker代も用意しておきましょうね。

Source: PICO