ドラえもんのひみつ道具が現実に!? テレビ内の食べ物を味見できる未来がすぐそこに 科学技術進歩で
長年愛されてきた、藤子・F・不二雄による漫画「ドラえもん」。ドラえもんの道具は、空を飛べたり、行きたい場所を思い浮かべてドアを開けるとその場所に移動できたりと、夢がいっぱいです。
実は、そんな”ひみつ道具”が、近年の科学技術の発展によって実現しているのです。ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)内「走れ! Clip特派員!」コーナーでこのほど、神戸電子専門学校の学生が独自レポートを発表しました。
例えば「ほんやくコンニャク」。食べると相手の言葉が日本語に聞こえ、自分の言葉は相手に分かる言語になって伝わる未来の翻訳機です。現時点では、まだ「ほんやくコンニャク」の域には達していないとしても、ほぼリアルタイムで翻訳してくれるアプリや小型の翻訳機が登場し、暮らしの中で使えるようになっています。
さらに実現に近づいているのが、写真の料理をひと口だけ味見できる「味見スプーン」。テレビや雑誌で見た食べ物を「食べてみたい!」と思ったことは、誰しもあるではないでしょうか。なんと現在、株式会社NTTドコモが開発中の「FEEL TECH(フィールテック)」によってその夢が現実に近づいてきているのです。
フィールテックは、味覚・嗅覚・触覚など五感のすべてを共有できる技術で、ドコモが開発を進める「人間拡張基盤」(※1)を活用しています。現在、 “味”を記録・再生する新技術を、「味覚共有技術」を研究する明治大学総合数理学部の宮下芳明教授とともに開発中。技術が確立すると、特殊なデバイスを用いることで、白ワインを赤ワインの味に変えることも、甲殻アレルギーの人がカニの味を知ることも、口臭を気にせずニンニクを楽しむことも可能になるのだそうです。
この味覚共有技術を使えば、映画やドラマに出てくる食べ物の味を家や映画館、またはメタバース空間で体験できたり、家にいながら“試食”をして気に入った商品を購入したりすることもできるようになるかもしれません。
ワクワクした気持ちで観ていたドラえもんの世界。現時点ではまだ実現に至らないものが多いですが、今後さらに技術が進歩することで現実となる日も、そう遠くはないかもしれません。
※1 人の脳や身体の情報をネットワークにつなぐことで,あたかもネットワークの先に実際にいるような感覚を体験させることを可能とする技術。感覚や動作、スキルの情報を相手へ共有することができる。(NTTドコモ公式ホームーページ「新しいコミュニケーションを実現する人間拡張基盤」より抜粋)
※ラジオ関西『Clip月曜日』より