ハワイ経由で行くタヒチ、週1便でも利便性の高いハワイアン航空【レポート・前編】
[caption id="attachment_308090" align="alignnone" width="900"] ▲新婚旅行先として人気のフランス領ポリネシア・タヒチ[/caption]
日本では国際線のパペーテ・ファアア国際空港が位置する島名のタヒチとして知られる、ミクロネシアに広がる118の島々で構成されるフランス領ポリネシア。美しい海と水上バンガローなどのラグジュアリーなホテルや祖先のマオリから受け継がれた独特の文化などで、日本だけでなく世界中の旅人、特に新婚旅行先として人気のエリアだ。
タヒチへ日本からアクセスする場合、現状では10月まで直行便が運休していることから、乗り継ぎ便でのアクセスしなければならない。代表的なルートとしてニュージーランド(オークランド)経由やアメリカ本土(ロサンゼルス・サンフランシスコなど)があるが、実はハワイアン航空もホノルルからタヒチへの定期便を運航しており、日本から経由便としてアクセスができる。
そこで今記事では、タヒチ観光局とハワイアン航空により開催されたプレスツアーで、実際にハワイアン航空を使ったタヒチへの乗り継ぎ便について体験してきたのでレポートする。
タヒチへは週1便でも日本からのアクセスは抜群
[caption id="attachment_308091" align="alignnone" width="900"] ▲実はハワイへのアクセスだけではなく、各地へネットワークがあるハワイアン航空[/caption]
ハワイアン航空のホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港とパペーテのファアア国際空港を結ぶ路線は週1往復を運航しており、ホノルル発のHA481便が土曜の午後3時35分発、パペーテ到着が午後9時30分。パペーテ発がHA482便は同じく土曜の午後11時30分発、ホノルル到着は翌日曜の午前5時20分だ。
週1往復ということで、一見すると旅程が組みにくそうなイメージではあるが、実は2つのポイントでホノルル経由はかなり効率的なルートと言える。一つ目は、ハワイアン航空が東京/羽田から2往復、そして東京/成田と大阪/関西、福岡から1往復ずつと、日本各地の4空港から計5往復のホノルル便を運航していること。
[caption id="attachment_308092" align="alignnone" width="658"] ▲ホノルルへは日本の4空港からアクセスできる[/caption]
デイリー運航ではないものもあるが、往路はパペーテへと同日に乗り継げる土曜に運航。それぞれ日本を夜に出発し午前中にホノルルへ到着するため、パペーテ行きには十分余裕をもって乗り継げる。復路は羽田着み同日の乗り継ぎはできないものの、そのほかの便は運航しており、やはり午前5時20分にホノルルに到着するHA482便から余裕をもって乗り継げるスケジュールとなっているため、旅程が組みやすい。
もう一つの理由は、いずれの旅程でも日本を土曜に出発して、翌々週の月曜に帰国するというスケジュールになるため、2回の週末を有効的に活用できること。タヒチは新婚旅行など長期の休暇を利用して訪れる人も多く、週1往復でも充分というわけだ。また日本とホノルル間を前後の日程で調整すれば、タヒチだけでなくハワイ滞在を加えた贅沢な旅程にも対応できる。
ちなみにハワイアン航空のマイレージサービス「HawaiianMiles」は、有効期限がないためハワイアン航空を利用するなら事前に入会しておくのがオススメ。ハワイアン航空でタヒチへ旅行する場合、1回の旅行で13,000マイルほど貯められる。HawaiianMilesでは、ハワイ諸島区間は片道7,500マイルから利用可能。提携しているJALの国内線片道も12,000マイルで利用できるので、貯めたままにせずに使いやすいのもポイントだ。
機材はA330-200でStarlink便はアタリ
[caption id="attachment_308093" align="alignnone" width="900"] ▲羽田空港第3ターミナルでチェックイン[/caption]
今回利用したのは羽田を午後8時15分発、ホノルルに午前9時5分着のHA864便で、そこからHA481便に乗り継いでパペーテへ。復路は翌週のHA482便でパペーテからホノルルに向かい、ホノルル午後1時45分発のHA863便へと乗り継いで、翌日の午後5時10分に羽田へと到着するスケジュールだった。
羽田〜ホノルル間、ホノルル〜パペーテ間ともに使用する機材はエアバスA330-200型機。ビジネスクラスに相当するプレミアムキャビンとエコノミークラスのメインキャビンの2クラスが設定されているが、メインキャビンはさらにブロックの最前列のほか一部座席は足下が広いエクストラ・コンフォートとなっている。
[caption id="attachment_308094" align="alignnone" width="900"] 羽田からのビジネスクラスのシートは夜行便ということもあり、ベッドマットがセッティングされた状態だった[/caption]
[caption id="attachment_308095" align="alignnone" width="900"] ▲メインキャビンのうち、エクストラ・コンフォートはヘッドレストが茶色[/caption]
[caption id="attachment_308096" align="alignnone" width="900"] ▲エコノミークラスのシートはヘッドレストが青色[/caption]
[caption id="attachment_308097" align="alignnone" width="900"] ▲国際線に使われるハワイアン航空のA330シリーズは、それぞれハワイ語で星座の名前がつけられている[/caption]
今回は羽田〜ホノルル間でエクストラ・コンフォート、ホノルル〜パペーテ間でエコノミークラスを利用したが、やはりエクストラ・コンフォートのほうは足元が広い分、リラックスして過ごせる。もちろんエコノミークラスでもフルサービスキャリアとして十分なシートピッチがあり快適だが、十数センチとはいえ、足元が広いと夜行便で足が伸ばせるのでしっかりと睡眠がとれる。
[caption id="attachment_308098" align="alignnone" width="900"] ▲エコノミークラスのシートでも十分なシートピッチはある[/caption]
特にエクストラ・コンフォートの最前列左右のブロックは2列だけ独立しており、個室感もある。エアバスA330-200型機のエクストラコンフォートでは真っ先に予約が埋まる人気の席だという。
[caption id="attachment_308099" align="alignnone" width="900"] ▲エクストラ・コンフォートには足下に電源もあるので、パソコンなどの充電も可能なのはありがたい[/caption]
[caption id="attachment_308100" align="alignnone" width="900"] ▲エクストラ・コンフォートで配布されるアメニティセット[/caption]
ちなみに受託手荷物許容量は23キロまでだが、ホノルルと日本、タヒチの間はともに2個まで無料なので、新婚旅行で荷物の多いといったケースでも安心。ただしタヒチ各所島を移動する際は現地の航空会社を利用するため、タヒチ島以外に滞在する場合は、トータルの旅程を考慮して荷物を準備しよう。
ハワイアン航空の機内サービスは、機内から南国気分が味わえるのもうれしいポイント。機内安全ビデオやBGMにハワイアンミュージックが流れ、ハワイのビールメーカーMaui Brewing Companyのビールのほか、コーヒーは高い高度で煎れたときに香りや風味が際立つよう作られた、ライオン・コーヒーのオリジナルブレンドを使用。まさに「乗ったときから、ハワイがはじまる」といった感じだ。
[caption id="attachment_308101" align="alignnone" width="900"] ▲「乗ったときから、ハワイがはじまる」がコンセプト[/caption]
[caption id="attachment_308102" align="alignnone" width="900"] ▲羽田からホノルルのHA864便は機内食がロコモコだった[/caption]
[caption id="attachment_308103" align="alignnone" width="900"] ▲ハワイのビールが機内で飲める[/caption]
今回はパペーテからのHA482便のみ、Starlinkを使った機内インターネット接続サービスが利用可能だった。速度計測をしてみると下りで100Mbpsを越えており、YouTubeなどの動画配信サービスもストレスなく利用できるほどの通信品質。しかも無料というのもうれしい。現在は対応機材を順次増やしているとのことで、もし搭乗してStarlink対応機材だったら大当たりといえる。
気になるホノルルでの入国もスムーズ
ホノルル乗り継ぎということで、いちばん気になるポイントは乗り継ぎのスムーズさ。アメリカは乗り継ぎであっても入国審査が必要で、荷物も目的地まではスルーできず、一旦受け取ってて再度預け直す必要がある。これも実際に体験してみたところ、確かに手間ではあるが、そこまで面倒な作業ではなかった。
入国審査は国際線の乗り継ぎであることを説明すれば、そのままハワイやアメリカ本土へ乗り継ぎするときのような細かな質問はされなかった。また復路では今回初めてMPC(Mobile Passport Control)を利用。これはESTAで2回目以降アメリカに入国する際に利用できる事前申請システムで、スマートフォンの専用アプリから申請すると入国審査場で専用レーンが使えるほか、ハワイでの入国は顔写真の撮影だけで、パスポートのスキャンすらもなく入国審査が完了した。
もちろんあらかじめパスポートや写真などを登録するアカウントの作成が必要で、しかも事前申請は有効期限が4時間のため、フライトの出発前にはできず、ホノルルに到着してから申請が必要といったハードルはある。とはいえ、ホノルルの入国審査は時間帯によっては行列で1時間待ちというケースもあるので、専用レーンが使えるというだけでもアメリカにESTAで入国したことがある人は体験してみるのはオススメだ。
受託手荷物に関しては、ターンテーブルでピックアップして税関検査終了後にEXIT 2を出ると「Transit Bag Drop」があるので、そこで再度預ければオーケー。羽田発、パペーテ発ともに乗り継ぎ便の搭乗券も発券してくれたので、Transit Bag Dropで荷物の最終目的地タグと搭乗券をチェックするだけで預かってくれる。
[caption id="attachment_308104" align="alignnone" width="900"] ▲EXIT 2を出た先にある「Transit Bag Drop」[/caption]
往路のパペーテへの到着は午後9時30分で、入国審査や荷物のピックアップなどを考慮すると、空港を出られるのは午後10時30分を過ぎる。そのままタヒチ島の滞在なら問題ないが、翌日早朝に他の島へ移動といったスケジュールの場合、空港に近いホテルを押さえるのがオススメ。
[caption id="attachment_308105" align="alignnone" width="900"] ▲パペーテのハワイアン航空チェックインカウンター[/caption]
今回は空港から車で20分ほどの「Le Tahiti by Pearl Resorts」を利用。黒砂のラファイエットビーチ沿いにあり、バルコニーからタヒチの海も眺められ、ロケーションは抜群。長旅の疲れを癒すにはピッタリのホテルだった。
[caption id="attachment_308106" align="alignnone" width="900"] ▲Le Tahiti by Pearl Resortsのベッドルーム[/caption]
問題は復路便。パペーテ発のHA482便はホノルルに早朝5時20分に到着するため、「Transit Bag Drop」がまだオープンしていない。さらにハワイアン航空国際線のチェックインカウンターも閉まっている時間帯なので、荷物を再度預けることができない。今回は特別に搭乗券も発券済みということで、ハワイアン航空の国内線チェックインカウンターにあるBag Dropから再度預かってもらった。
ハワイアン航空ではこのあたりの改善を考えているとのことで、今後の対応に期待したい。というのも、今回復路の乗り継ぎ時間は約8時間あり、ワイキキなどに出かけるのに十分な余裕がある。ワイキキには早朝からオープンしているカフェなどもあり、効率良くまわれば半日とはいえハワイも満喫可能。その際に大きな荷物を持って移動するのは辛いので、荷物はどうにかしたいというわけだ。
特別ラウンジを使ったラグジュアリーな乗り継ぎも
[caption id="attachment_308107" align="alignnone" width="900"] ▲特別ラウンジ「アパートメント1929」の入り口[/caption]
ハワイアン航空のホノルル乗り継ぎで是非試して欲しいのが「Premium Airport Service」。ホノルルの空港到着時に出迎えや手荷物の持ち運びサポート、専用エスコートなどが提供されるほか、特別ラウンジの「アパートメント1929」が利用できる。
ハワイアン航空の創設年にちなんで名付けられたこのラウンジでは、ホテルのスイートルームのような室内や、ハワイの快適な気候を感じられるラナイなど、最大24名までが利用可能なPremium Airport Service専用ラウンジ。ドリンクはジェームズ・ビアード賞受賞バーによる厳選されたリキュールメニューで提供され、アサト・ファミリーのシャーベットも用意されている。さらに事前オーダーによる食事も楽しめるため、乗り継ぎ時間を優雅に過ごせるのがポイント。
[caption id="attachment_308108" align="alignnone" width="900"] ▲アパートメント1929の室内[/caption]
[caption id="attachment_308109" align="alignnone" width="900"] ▲屋外のラナイには、ゆったりと座れるソファーがある[/caption]
[caption id="attachment_308110" align="alignnone" width="900"] ▲事前オーダーによる料理のサーブも行われ、利用者それぞれに専用のメニューが用意される[/caption]
[caption id="attachment_308111" align="alignnone" width="900"] ▲アルコールなどのドリンクメニューも凝っている[/caption]
料金は2人で500ドルから(1人での利用も500ドル)。3人目からは250ドルの追加となっている。円安の影響もあって、ひとり250ドルはやや高額な印象ではあるが、ワイキキまでタクシーやライドシェアで出かけて、レストランで食事をするケースと比べると、そこまで価格差はない。
[caption id="attachment_308112" align="alignnone" width="900"] ▲個室にできるエリアもあり、家族などプライベートな空間も作れる[/caption]
さらに、アパートメント1929にはシャワールームも用意されているので、フライトで疲れたカラダも癒やせるのはありがたい。
[caption id="attachment_308113" align="alignnone" width="900"] ▲アパートメント1929のシャワールーム[/caption]
予約は到着の72時間前までに、電話もしくはメールでの申し込みとなっており、予定フライトの2時間前から利用可能。対象者はハワイアン航空での到着・出発・乗り継ぎ便利用者だが、現状では国際線到着時の利用は対象外となっている。もしハワイアン航空でのタヒチ旅行は極力ラグジュアリーにと考えているなら、利用したいサービスだ。
以上が、ハワイアン航空を使ったホノルル経由のタヒチ便のレポート。実際に乗ってみると同じエアラインで乗り継げるため融通が利く旅程が組め、乗り継ぎもスムーズ。憧れのタヒチ旅行を考えているなら、ハワイアン航空を使ったホノルル乗り継ぎでのアクセスは候補の筆頭にあげられると感じた。(後編に続く、取材協力:ハワイアン航空、タヒチ観光局)