ハピネットが物流倉庫に立体自動倉庫やピースソーターなど自動保管設備とロボット技術を導入 市川ロジスティクスセンター

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ハピネットの子会社であるハピネット・ロジスティクスサービスは、物流業界の深刻な働き手不足に対応するため、23年ぶりに「ハピネット市川ロジスティクスセンター」のリニューアルを実施し、2024年9月2日より稼働を開始した。



●リニューアルの背景

物流業界では深刻な“働き手不足”が続いており、特に物流倉庫が集中するエリアでは、安定した労働力の確保が難しい状況となっている。ハピネット・ロジスティクスサービスも例外ではなく、この問題に対応するため荷役作業の「省人化・自動化」を推進している。

また、玩具・模型玩具やビデオゲームなどのエンタテインメント商材を取り扱う市川ロジスティクスセンターは、2001年10月からハピネットの物流機能の中心として稼働していたが、機械の老朽化により本来の能力が発揮できない状態だった。

このような背景から、さらなる「自動化・省人化・効率化」を実現することが必須と考え、ハピネットがこれまで培ってきた「エンタテインメント物流」の経験を活かした新しい物流設備の導入と機械の入れ替えを実施した。

●リニューアルされた技術

●1:ケース立体自動倉庫「ファインストッカー」の導入(ダイフク)



スタッカークレーンが商品の入ったコンテナや段ボール箱などを棚に自動で運び、保管する自動倉庫。作業者の元に商品が搬送される、Goods To Personの考え方を実現した仕組みになっており、高さ5.5mの空間を有効活用でき、労力と人員を削減するだけでなく、在庫管理精度の向上などにも繋る。今回導入した自動倉庫は、最大22,000個のケースまたは折りたたみコンテナ(オリコン)を収納することができ、様々なサイズのケースやオリコンの格納に対応している。

●2:ピースソーターの入れ替え(椿本チエイン)



リニューアル前から使用しているピースソーター(リニソート)の入れ替えを実施。同時に178店舗分の仕分け作業を行うことで、1時間あたり13,000個の商品を仕分けることが可能。また、商品のJANコードを自動で読み取る機能が追加され、作業の効率化・簡略化を実現している。

●3:T-Carry systemとシャッターアソートシステムの併用(椿本チエイン)





仕分け作業の効率化を図るため、商品を複数の小型AGV(無人搬送車)で搬送する自動出荷システム「T-Carry system」と、「シャッターアソートシステム」を導入。

小型AGVが作業者の元に商品を運び、作業者は出荷に必要な数量を「シャッターアソートシステム」に入れるため、繊細な商品の仕分け作業が可能となった。同時に180店舗分の仕分け作業を行うことが可能で、40台以上のAGVが9,000個の商品をステーション(=シャッターアソートステム)に運ぶ。

●ハピネット・ロジスティクスサービス 物流センターの省人化・自動化への取り組み

取り扱い商材の多様化や顧客からのニーズに高品質かつ迅速に対応するため、高速自動ピースソーターや協働型ピッキングアシストロボット、ロボット仕分けソーター、自動梱包機など先進的なソリューションを導入し、処理能力の向上に日々取り組んでいる。
また、ハピネットグループでは、今後も新しい技術の積極的な活用や導入機械・ロボットの見直しを実施し、エンタテインメント業界の物流をリードできるよう、さまざまな課題解決に取り組んでいくとしている。