Photo: Kyle Barr

なかなか詳しい情報が出てこなかったMSIの新型携帯ゲーミングPC、「Claw 8 AI+」。それもそのはず、新型機にはIntel(インテル)の最新チップが搭載されるから。

そしてこの度、ベルリンで行われているIFAにて、Intelが最新のプロセッサ「Intel Core Ultra 200V」シリーズを発表したことを受け、ようやく少しずつ詳細が見えてきました。

さて、評判とは言い難かったClaw A1Mの後継機種ということで、どんな形でMSIが巻き返しを図ろうとするのか、ユーザーとしては期待したいところです。Claw 8 AI+は、前モデルに比べてはるかに持ちやすく、8インチの明るいディスプレイになり、デザインも一新されています。新しい「Center M」ソフトウェアも搭載されており、今回はどうやら調子が良さそう。

ただ、まだまだ未発表の情報も多く、新しい80Whバッテリーとより効率的なチップから期待できる、CPUの性能やバッテリー寿命については、正確にはわかっていません。

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約30分間、Claw 8 AI+でテストプレイをしてみました。第一印象、前機種と比較して明らかにクオリティが上がっている! Claw 8は、白と黒のモチーフで、滑らかな側面を持ち、PlayStation 5のDualSenseコントローラーに似ています。手馴染みが良く、指は背面の溝にきれいに収まり、背面のボタンも押しやすくなっています。

トリガーとジョイスティックともにホールエフェクトセンサーが採用されています。Claw A1Mのトリガーとバンパーが指を巻き付けづらかったのに対し、Claw 8 はもっと滑らかな感触です。スティックは個人的には少し細い印象ですが、全体的なコントローラーの感触としては気になるほどではありませんでした。

さらに、前モデルに引き続き、スティックとフェイスボタンの両方にRGBライトを搭載しています。暗闇で光るフェイスボタンが結構かっこいい。

Photo: Kyle Barr
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まだまだわからないことが多いClaw 8 AI+

テストプレイできたのは「Hi-Fi Rush」の冒頭部分だけ。新しい画面はなかなか綺麗、最大500ニットのピーク輝度を備えます。カラフルなゲームですが、現代の携帯ゲーミングPCの実力を限界まで引き出すにはやや不十分なタイトルかなと。

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Claw 8 AI+がどのようなTDP(熱設計電力)をサポートするのかはわかりませんが、MSIは米Gizmodoに対し、新しい効率的なチップのおかげで、より低いワット数でもしっかりとしたゲームプレイが可能になるはずだと述べました。MSIは、新しいIntel Core Ultra 7を採用するはずですが、7の中でも異なるGPU処理能力を持つ4種類が存在するので、どうなるかはまだわかりません。

この最新チップは、AMDやQualcomm(クアルコム)の最近のモバイルCPUよりもはるかに効率的であるとされています。次世代のノートPCでは、Core Ultra 200Vを搭載することで20~30時間のバッテリー寿命となることが伝えられています。Claw 8がAsus ROG Ally Xよりも長く稼働することを期待したいところですが、まだ推測の域を出ていません。

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とりあえず、前機種と比べるとすべてが良さそうなClaw 8。ソフトウェアはどうでしょう。

MSIの最初の「Center M」は速度と操作性の両面でベストとは言いづらいものでした。MSIによると新しいCenter Mはまだテスト段階とのことでしたが、見た目は明らかに進歩しているように思います。ゲームを選択すると、画面全体にゲームのビジュアルが広がるという演出もあります

MSIは、XboxアプリのFPSトラッカーやゲームキャプチャをCenter Mに直接統合しています。携帯ゲーミングPCにおけるWindows 11の問題をどれだけ上手く解決できるかはまだわかりませんが、現存するどのWindowsベースの携帯ゲーミングPCもなかなかこれだと思えるUIを提供していないことも事実。LinuxベースのSteam Deckにそこは軍配があがりそうです。

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IFAでAMDは新しいRyzen Z2 Extremeチップを開発中であることを発表しました。ROG Ally、Lenovo Legion Goなどの携帯ゲーミングPCはZ1 Extremeを使用しており、当然Z2を搭載する動きが予想されます。

AMDの幹部はDigital Trendsに対し、いくつかの最近のタイトルでバッテリー寿命がはるかに向上していると述べましたが、まだ詳細は伏せられています。

AMDは来年初めにZ2 Extremeについてさらなる情報を発表するでしょう。ホリデーシーズンに新しいデバイスを購入しようとしている人には、何を買うか、あるいは待つべきか、頭を悩ませることになるかもしれません。

とりあえず現状では、価格を気にしない人にはAlly X、あるいはとにかく使いやすいものを求める人にはSteam Deckをおすすめしますが、Intel Core Ultra 200Vの実力が実証されていけば、MSIへの注目も高まるでしょう。

MSIが他社製品に対して競争力のある価格設定を行うことができれば、Clawにとっての巻き返しのチャンスになるかもしれません。

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