AI、カメラ、音楽、ゲームなど新機能が満載で価格も優秀!

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AI、カメラ、音楽、ゲームなど新機能が満載で価格も優秀!

今年の新モデルとなるiPhone 16シリーズはデザインを刷新しつつ、新機能も満載。しかも、円安状態が続く中で、お値段は据え置きというAppleの良心のような新端末を紹介します!

【画像】「iPhone 16」シリーズ

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■毎年の値上げがついにストップ

9月10日に開催されたAppleの発表イベントで、iPhone 16シリーズが登場! こちらの注目すべき新機能や価格など、ITジャーナリストの法林岳之さんに解説してもらいます。


iPhone 16 シリーズ 12万4800円(iPhone 16) 13万9800円(iPhone 16 Plus)から


背面カメラが縦並びの配置になり、デザインが刷新された無印こと16シリーズ。Apple Intelligenceに対応し、15 Proシリーズのみがプレイできた3D映像マシマシのAAAゲームも楽しめる性能。これでお値段は去年の15シリーズから据え置きでオトク感が大向上! 画面サイズは6.1インチ(16)、6.7インチ(16 Plus)の2種類を用意

――まず、価格的にはどうでしょうか?

法林 現在の為替レートを考慮すると、安いといえるでしょう。アメリカでの最安モデルの価格は、ここ数年779ドル〜で据え置きの一方、日本では毎年値上げされてきました。しかし、iPhone 16は最安モデルが12万4800円で、昨年のiPhone 15と同じです。

これは現在の為替レートの1ドル約145円前後に即した価格設定。アメリカでは799ドルで販売される「Google Pixel 9」が日本では12万8900円で販売されており、実はGoogleよりも低い為替レートです。価格を据え置きにした時点で、Appleは相当頑張ったと思います。

――そんなiPhone 16シリーズの注目機能とは?

法林 新しい物理ボタンである「カメラコントロール」です。カメラアプリのシャッター操作や各種モード変更が行なえ、カメラアプリからホーム画面への切り替えもできます。押すだけでなく、スライド操作ができるのも特徴。

iPhoneは端末からボタンやスイッチ類を排除する方向で進化してきましたが、やはりカメラは物理ボタンのほうが操作しやすく、本体のホールド性も向上して落下防止にもなります。また、被写体にレンズを向けボタンを押すと、被写体の情報を検索するAI機能も年内には実装される予定です。


操作性が大向上の新機能「カメラコントロール」


本体右側に新物理ボタン「カメラコントロール」を搭載。カメラのシャッター、ズームの切り替えなどのカメラアプリの設定操作を行なえる。さらに「Apple Intelligence」と連動した画像検索機能にも活用できる

――指紋認証である「Touch ID」の実装はないそうですね。

法林 ありません。一部のAndroid端末では、カメラコントロールの位置に指紋認証のセンサーを配置しています。

ただ、今回の発表イベントではTouch IDとしての利用に関する発言はありませんでした。「Face ID」の認証精度や速度はアップデートのたびに向上しており、Apple Watchシリーズと連携したシステムになります。なので、再びTouch IDをメインの認証システムに移行させることは考えづらい状況なのです。

ただ、カメラコントロールそのものは汎用性の高い物理ボタンで、今後はApple以外のアプリやゲームでも活用されていくでしょう。

――iPhone 16シリーズはデザインを刷新。これには、どんな意味が?

法林 カメラアプリの新機能である「空間写真」「空間ビデオ」の撮影に対応させるために背面カメラを縦配置にする必要があり、デザイン刷新はその影響が大きいのです。これで撮影した3D映像の「空間写真」「空間ビデオ」は、「Apple Vision Pro」で楽しむことができます。

また、iPhone 16でも写真と動画はマクロ撮影(接写)に対応しています。


iPhone 16 Proシリーズ 15万9800円(iPhone 16 Pro)から 18万9800円(iPhone 16 Pro Max)から


画面サイズが6.3インチ(16 Pro)と、iPhone史上で最大のディスプレーとなる6.9インチ(16 Pro Max)の2種類がラインナップ。動画は映画レベルの4K 120fpsのドルビービジョンの撮影に対応。音楽の編集機能も追加され、よりエンタメ用途がはかどるモデルなのが特徴。デザイン的には15 Proシリーズを踏襲している

――一方、iPhone 16 Proシリーズはデザイン的に変更がないようですけど。

法林 こちらは昨年のiPhone 15 Proシリーズのデザインを踏襲しつつ、実はディスプレーサイズが拡大されています。

これまでは15 Pro Maxの6.7インチがiPhone最大画面でしたが、16 Pro Maxでは6.9インチにサイズアップ。16 Proは音楽や動画を編集する機能が充実しており、大画面を生かせるモデルとなっています。


音楽や音声の録音・編集機能を搭載したのも特徴。16 Proシリーズでは歌声と楽器演奏、別々の音源をひとつの楽曲に編集可能


動画内の音声のノイズ削除、聞き取りにくい音声の調整にも対応している


16シリーズはマクロ撮影が進化し、被写体のシワや色の細かなグラデーションもしっかり撮影できる


16 Proシリーズではスローモーションなど、ショート動画の作成に便利な機能も満載です!

――iPhone 16シリーズのために設計された生成AI「Apple Intelligence」。これは?

法林 画像生成、写真や動画の検索、音声の自動文字起こし、テキスト要約やメールの生成など、多彩なAI機能が利用できるようになりますが、これは10月にアメリカ英語版のみがリリース。日本語については来年、対応することが発表されました。

なので、私としてはiPhone 16シリーズの買い時は、Apple Intelligenceが日本語に完全対応したタイミングかなと思っています。


テキストやメール、音声の自動文字起こしなど日本語に関連するAI機能の実装は来年になることが発表された。なので、キャリアのキャンペーンが熱くなる「発売から半年以降」に16シリーズを狙うのもアリです!

――確かに! ウリであるはずの生成AI機能で日本語が使えないんじゃ、即買いしてもガッカリかも......。

法林 日本語対応のタイミングは来年の3月か6月。Appleがイベントを開催する時期の可能性が高い。この時期にはキャリアのiPhone 16シリーズの割引キャンペーンが今よりも活発化します。ちなみに来年は高性能廉価モデルである次期iPhone SEの登場も噂されています。

――SEの新モデルは朗報! これはどんなスペックが予想されますか?

法林 SEは法人向けの社用スマホとしての需要が高い一方、現在の5インチ以下の画面サイズでは社内システムを扱いにくくなっています。

それどころか一般的なエンタメやゲームアプリも最適な表示が難しい。なので、ディスプレーは最低5インチ以上。iPhone 13 miniのようなサイズ感で、既存モデルとパーツを共通化することでコストも抑えられるでしょう。

例えば、定価7万円弱なら、キャリアの端末購入プログラムを利用すれば毎月1000円前後の支払いになり、これは大ヒットモデルとなるはず。


デザイン的には10年前のモデルであるiPhone 6シリーズからほぼ変わらない、2022年発売のiPhone SE。小さい画面とバッテリーでは、近年のアプリを利用するにはスペック的に限界説が......


来年は2021年発売のiPhone 13 miniのような小型高性能のSEが登場!?

――では最後に、iPhone 16シリーズが他メーカーに与える影響は?

法林 Appleが1ドル145円前後での価格設定をしたことで、他社も追随する可能性が高くなりました。ユーザーにとってはありがたいですが、メーカー的に日本市場は利幅が少なく、厳しくなるでしょう。

――日本では生成AIがまだ不完全なiPhone 16シリーズ。これは来年までスルーって選択も大アリかと!

取材・文/直井裕太