上司や同僚との食事会に参加されることもあるという(4月、東京・港区、撮影/JMPA)

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 大学卒業をもって皇族としての本格的な始動に期待が集まり、愛子さまのお出ましへの注目度は高い。しかし、ご結婚を機に皇室を離れられる身。暗黙の制約があるなかで、愛子さまは「目立たない皇室のご活動」と「仕事へのまい進」に活路を見出され、孤軍奮闘を続けられている。

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 会場で笑顔を見せられる天皇皇后両陛下のお姿を見やり、天皇家の長女・愛子さまはほっとしたような表情を浮かべられた。愛子さまは9月9日、東京ステーションギャラリー(東京・千代田区)で、両陛下と「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展を鑑賞された。天皇ご一家が会場に姿を見せられたのは夕方4時過ぎのこと。実はこの日、愛子さまは朝9時前から、勤務先の日本赤十字社(以下、日赤)に出社されていた。

「美術展では、レースの袖部分が特徴的なクリーム色のワンピース、パールの装飾品をお召しでした。その装いはオフィスカジュアルではなく、よそゆきのように見えるものでしたから、勤務先から皇居・御所に戻り、着替えてから両陛下と美術展に向かわれたのでしょう。皇室のご活動と日赤の仕事の両立を示すため、ハードスケジュールをこなされています」(皇室記者)

 愛子さまは今年4月、日赤ご就職に際する文書回答の中で、皇室のご活動については《今後は、公的な活動に出席する機会が今までよりも増えることになるかと思います》、仕事については《なるべく早くお役に立てるようになるよう精進したい》と言及された。どちらも嘘偽りのない本音だろうが、ご就職からもうすぐ半年、2つの仕事のバランスに、愛子さまは大変に苦慮されている。

 両陛下は9月12日以降、今年2度目となるご静養のため那須御用邸に入られる。8月のご静養は仕事の都合で見送られた愛子さまも今回は同行され、地元住民らとの交流の機会も設けられているという。前回のように、愛子さまが両陛下とのご静養に行かれないというのはご誕生以来初めてのことで、日赤内にも少なからず戸惑いがあったようだ。

「8月が所属される青少年・ボランティア課の繁忙期と重なるのは確かですが、“愛子さまは本当に同行されないつもりなのか”と不安視する向きも一部にはありました。ただ、愛子さまご本人には一貫して、仕事を優先したいという確固たる意志があったそうです」(日赤関係者)

 愛子さまはご就職に際し、宮内庁を通じて、特別扱いはしないでほしいという意向を日赤側に伝えられたという。その希望通り、ほかの新入社員とほぼ同じように働かれているようだ。

「会議室や研修会場の準備、電話受付、資料作成などの業務をこなされていると聞いています。また、雅子さまが名誉総裁として出席された5月の全国赤十字大会では、関係者らの誘導と案内を担当されました。セキュリティーの関係上、通勤はお車ですが、目立ちすぎないようにSPの数は最小限に絞られているようです。社員証を下げて仕事に励まれる愛子さまのお姿の違和感のなさに、最初は驚いた職員も多かった」(前出・日赤関係者)

 常勤嘱託職員として働かれている愛子さま。当初、日赤側は週3日程度の勤務を想定していたというが、愛子さまはほぼ毎日出社。皇室のご活動がある日も変わらず、9月6日午後5時頃、成年に際してのご挨拶のため悠仁さまが皇居・御所を訪れられた際にも、直前まで働き帰宅された。

「大前提として愛子さまは内親王ですから、たとえ勤務日数が週数回にとどまろうと、勤務形態がリモートワークだろうと、上司や同僚の理解は問題なく得られるはずです。大きな負担がかかるにもかかわらず、それでも出社を欠かされないというのは、『出社』というのが愛子さまのなかで譲れない働き方だからなのでしょう」(前出・日赤関係者)

 愛子さまがこだわられる「出社」には、実は大きな意味が隠されている。

皇居内ではむしろ精力的

 前述のように、愛子さまはご就職に際して公務やお出ましが増えることを示唆された。しかし現在に至るまで、愛子さまの単独公務はたったの1回にとどまる。

「新しい環境に慣れるまでは慎重になられているのではないかという見方もありましたが、ご卒業から半年で単独公務が一度だけというのはあまりにさみしすぎます。まして、機会が増えると“宣言”されていたのですから、なおさらです。行事などへのお出ましの願い出はひっきりなしでしょうから、頑なに単独公務を避けられているとしか思えない状況です」(宮内庁関係者)

 単独公務を避けられている背景には、悠仁さまへの配慮があるとみられている。

愛子さまの単独公務となると注目が集まることは必至です。前に出すぎた結果、『将来の天皇』をめぐって悠仁さま愛子さまと不必要に比較されてしまうという状況を避けたいというご意向があるのではないでしょうか」(皇室関係者)

 悠仁さまのお立場を最優先とされ、単独公務を避けられることはあり得るとしても、それだけでは「愛子さまは大学も卒業されたのに、なぜ公務をされないのか」「期待外れだ」という疑問を招くことになる。前例がある。大学ご卒業後の佳子さまには、就職されていないにもかかわらず公務の数が少ない時期があり、「ロイヤルニート」と揶揄されたことがあった。

 それでは愛子さまが皇室のご活動に熱心でないかというと、まったくそうではない。宮中祭祀や人事異動者への拝謁、ご養蚕における雅子さまのお手伝いなど、皇室内で完結する皇室のご活動には精力的に取り組まれている。また、お出ましに関しても、天皇ご一家としてのお出ましで、両陛下に注目が集まる形であれば、その回数は少なくない。

「とはいえ、目立たないようにご活動にいそしむというのは、国民の目に触れにくい分、どうしても活動量が少ない印象を与えてしまう。だからといって、“悠仁さまのお立場を守るため”という理由は公言できるものではありません。

 そのジレンマの解決策として、愛子さまは猛然と仕事に向かわれる覚悟をされたのではないでしょうか。どんなに皇室のご活動が忙しくても、必ず日赤のオフィスに『出社』して、働き詰めのお姿を周囲に見せることで、単独公務を制限されていることが世間に納得されやすくなる。

 もちろん両陛下のお考えでもあると思いますが、愛子さまは限界の激務に耐えながら、悠仁さまのお立場に気を配られ、引いては穏やかな皇室と国民の関係を希求されているように思えてなりません」(前出・皇室関係者)

 目立ちすぎてもいけない。けれど、休んでもいけない。その狭間で悩まれ、一心不乱に“ひっそり”と働かれる愛子さま。そのストレスはいかばかりか。責任感の強い愛子さまが精神的に追い込まれないことを祈るばかりである。

※女性セブン2024年9月26日・10月3日号