歴史学者、渡辺大門氏「関ヶ原合戦における西軍の敗北は、宇喜多秀家の家中崩壊が原因だった」

　渡辺大門氏（株式会社歴史と文化の研究所代表取締役）は、自身のYouTubeチャンネルで「関ヶ原合戦前夜。すでに宇喜多秀家の家中は崩壊しており、西軍の敗北は決まっていた！？」と題し、関ヶ原の戦いにおける宇喜多秀家の敗北の理由について詳しく解説した。動画によれば、宇喜多秀家は出陣前にすでに家臣団の分裂を経験しており、この内紛が敗因につながった可能性が高いと説明している。

　宇喜多秀家は微前の国の小領主から勢力を拡大し、自身の主君であった浦上宗景を打ち破り、領地を広げた。しかし、秀吉の後押しを受けて急成長したその過程で、秀家と家臣団の関係に亀裂が生じたという。渡辺氏は「秀家には多くの有力家臣がいたが、彼らの発言権も強く、コントロールが難しかった」と指摘する。

　さらに、秀家の奥さんである豪姫を通じて新たに加わった家臣たちとの間にも対立が生じた。特に、豪姫と共に仕えた中村二郎兵衛という家臣が古参の家臣から反感を買い、「新参家臣と古参家臣の間で圧力が生じた」と渡辺氏は説明した。これが根本的な家中の崩壊を引き起こす原因の一つであった。

　文禄・慶長の役での過酷な検地もまた家臣との対立を深めた。渡辺氏は「検地により、多くの重臣が領地を失ってしまい、これが家臣団の分裂を加速させた」と述べている。この一連の出来事が慶長四年から五年にかけての宇喜多騒動を引き起こし、宇喜多家臣団は崩壊に至った。

　渡辺氏は、「関ヶ原合戦前夜には既に宇喜多家中は崩壊していた。西軍の敗北はもはや必然であった」と強調し、動画を締めくくった。