頂上決戦なるか?(右=高市氏)

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 林芳正・官房長官(63)に続き、茂木敏充・幹事長(68)も名乗りを上げたことで、自民党総裁選へ出馬表明した候補者は計5名となった。一方、自民党関係者の間では、出馬会見を今後に控える小泉進次郎・元環境相(43)と高市早苗・経済安全保障相(63)を「本命視」する空気が濃くなり始めているという。その背景にある“事情”とは。

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 永田町でいま、話題になっている“極秘データ”がある。「2024自民党総裁選若手リスト」と題された資料で、内容は各立候補予定者を支持する党内の議員をリスト化したものとされる。

頂上決戦なるか?(右=高市氏)

「支持議員の数がダントツでトップなのが、誰よりも早く出馬表明し“ロケットスタート”を切った小林鷹之氏(32人)です。次点が林芳正氏(9人)で、この2人に続くのが6日に出馬会見を行う進次郎氏(8人)と9日に会見予定の高市氏(8人)となっています」(全国紙政治部記者)

 出所が「不明」な部分もあり、数字の信憑性については賛否あるというが、

「リストには〈9月3日現在〉の数字と書かれているものの、実際に目にした党関係者などによれば、『8月下旬ころの党内情勢をある程度、反映しているようだ』との感想を漏らしています。当時、総裁選の趨勢として、本命と目された進次郎氏に対し、“先行逃げ切り”で追いすがる小林氏、さらに石破・高市氏らが猛追する展開を予想する声が多かったのは事実です」(同)

「100人集めろ!」

 その進次郎氏について、

「ここに来て菅義偉・前首相が進次郎の支援に向け、本格的に動き始めている。最近、進次郎陣営の関係者が『すでに支援議員70人を確保した』と菅氏に報告したところ、『それじゃ足りない。100人以上を集めろ』と逆に発破をかけられたと聞いている。これから“勝ち馬に乗る”機運がますます高まれば、進次郎陣営にとってはさらなる追い風となるだけだ」(自民党関係者)

 ただし「進次郎旋風」の勢いを削ぎかねない不安要素も浮上していると話すのは、前出の政治部記者である。

「告示日が近づくにつれ、『憲法改正』や『選択的夫婦別姓』『金融所得への課税強化』などのテーマを中心に政策論争の色合いが強まっています。以前から、進次郎氏の“弱点”と指摘されてきたのが政策論で、論戦を交わす場面が増えてくれば、『馬脚を露わし、人気が失速する』ことを懸念する声が上がっています」

 そんななか、政策論で定評のある“論客”が今後「支持を伸ばす」との観測が浮上しており、党内でも「政策に明るい」と評判の高市氏や石破氏らに注目が集まっているという。

「進次郎には乗れない」

 政策論は“空中戦”に例えられることも多く、「集票」にどこまで結びつくかを疑問視する声も少なくないなか、

「それでも石破氏には高い党員人気があり、高市氏は保守票の最大の受け皿になると見られています。ネット人気がズバ抜けている高市氏については、閣僚としての仕事ぶりに対する党内での評価も高く、“進次郎に乗れない”議員にとって有力な候補の一人に躍り出ようとしている。さらに麻生太郎・副総裁の動向次第では、『高市こそが進次郎の対抗馬になり得る』との声も囁かれ始めています」(同)

 その背景には河野太郎・デジタル相(61)に吹く“逆風”があるという。自民派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で立件をまぬがれた麻生派に関して、毎日新聞が2日、同派でも裏金づくりが行われていた疑惑をスクープ。出馬会見で裏金議員に対し、「政治資金収支報告書への不記載額を返納」することを求めた河野氏にとって“特大のブーメラン”となりかねない事態なのだ。

「麻生氏にとって、背後に菅氏が控える進次郎を支援する選択肢はなく、“犬猿の仲”の石破などはさらに論外。所属する河野が決選投票にすすむ芽がないと判断すれば、事前に策を練ることも考えられる。仮に決選投票で〈進次郎vs高市〉となった時、麻生派が高市支援に動く可能性は十分にある」(前出・関係者)

 告示日が迫るなか、情勢は刻一刻と変化している。

デイリー新潮編集部