北海道

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 北海道音更町の認定こども園「宝来こども園」(園児156人)で8月20日、年長組の園児25人に対し、虫歯予防用のフッ化物洗口液と誤って漂白剤が入った消毒液でうがいをさせていたことが4日、わかった。

 消毒液をのみ込んだ園児はなく、現時点で健康被害の訴えはないという。

 洗口液の容器を消毒する際に使った消毒液が捨てられずに残っていたのが原因だった。園児が昼食後に洗口液でうがいをするのは町の事業の一環でもあり、町は実態調査を行い、今後、ミスが起きないような再発防止策をまとめる方針だ。

 園を運営する社会福祉法人「大谷菩提樹会」によると、園では、週の初めに顆粒(かりゅう)のフッ化物洗口剤を水に溶かして、1週間分の洗口液を作成。昼食後のうがいの際、保護者の承諾を得ている一部園児に配布している。

 洗口液の容器は毎週末、漂白剤の入った消毒液で内部消毒しているが、8月9日は職員が消毒液を廃棄し忘れたという。お盆休みなどで中断していた食後のうがいを再開した20日の昼食後、そのまま消毒液をうがいに使ってしまったという。

 口に含んだ園児から「口の中がヒリヒリする」などと訴えがあり、気付いた。同園の嘱託医の指示に従い、水でうがいするなどの対応をとったという。また、保護者説明会などを開き、保護者らに陳謝したという。

 同園では、洗口液の使用を当面中止し、容器を消毒する時は、消毒中の札を置くことなどの再発防止策を取る。同法人は「あってはならないことで、園児や保護者に不安を与えたことをおわび申し上げます。管理体制を見直し、今後このようなことがないようにします」と話した。

 音更町では、こども園などの年中、年長の希望者を対象に、昼食後のフッ化物洗口を無料で実施。現在17施設600人弱が利用している。道のガイドラインや町の手順書では週1回の消毒は定められているが、他の人にもわかりやすいように消毒中を示す札を付けることは明記されていなかった。

 同町健康推進課は、4日に全施設に対し実態調査を開始。今後、容器の消毒の際は作業中を示す札などをつけたり、作業終了をタイマーで知らせ、消毒液が残ったまま放置されないように再発防止策を作る方針。同課は「これからも起こりうることとして、他の施設とも事例を共有し、再発防止策を講じたい」と話している。(中沢滋人)