両者流血の激闘初防衛から一夜「試合を楽しんだ」 武居由樹が再出発へ「経験を力に変えたい」
一夜明けて会見
ボクシングのWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が4日、初防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナで同級1位・比嘉大吾(志成)に3-0の僅差判定勝ち(114-113×2、115-112)。両者流血の激闘を振り返った。
武居は腫れた顔で会見。「少しだけ眠れた。あとは皆さんに連絡した」と試合後の過ごし方を明かし、「カットしたけど、ダメージはほぼないです。映像は1回だけ見ました。思ったより悪かったですね。あまりいい出来ではなかった」と振り返った。
「試合中も、映像でも、試合を楽しんでいるなと思った。もっといろいろできたんだろうなというのが反省点です。12ラウンドは経験になったけど、描いているのはKO決着なので悔しい。経験を力に変えて頑張りたい」
前夜は距離を取り、懐に入ってきた比嘉に右アッパーを入れたり、いなしたりする展開。時折ロープを背負い、猛連打を浴びる場面も目立った。両者とも有効打で流血。武居は11回残り1分を切ったところで左オーバーハンドを受けて膝をついた。スリップをアピールしたが、ダウン判定。12回は猛攻で挑戦者の動きを止め、僅差で勝ち切った。
八重樫東トレーナーは「予想とはちょっと違う展開でした。振り返ってみると準備段階のところからいつの間にか作戦が少しずつ変わっていた。最初に武居と立てた作戦と違っていて、それは僕のミス」と反省。「蓋を開ければよかったけど、最初のインスピレーションを軸にすればよかった。自分の未熟さです。前回以上に減量もきつくてしんどい作業だった。そこも井上尚弥、平岡アンディ、井上浩樹、井上拓真のおかげで乗り越えてよく頑張った」と労った。
次戦は12月の井上尚弥興行か
比嘉を指導する野木丈司トレーナーの階段トレーニングには、過去に武居と師匠の八重樫トレーナーも参加するなど親交が深い相手だった。武居は「本当に一緒にトレーニングして本当に良い方だったし、試合中も楽しくできた。練習、試合も含め感謝しかない」と心境を語った。
バンタム級は武居のほか、WBAに井上拓真(大橋)、WBCに中谷潤人(M.T)、IBFに西田凌佑(六島)が就き、全4つの王座を日本人が独占。拓真は10月13日に元日本王者・堤聖也と3度目の防衛戦を予定し、那須川天心も同級で世界獲りを見据える。武居は勝利後のリングで那須川の次戦勝利を願い、「やりたい気持ちが強い」と近い将来の対戦を望んでいた。
大橋秀行会長は12月に都内開催で計画中の井上尚弥興行に武居の次戦を組み込むか検討中。武居は1週間は休養の方針だが、「カット以外は大きな怪我はない。早めに再開して次の試合も勝てるように頑張りたい」と先を見据えた。
(THE ANSWER編集部)