『虎に翼』亡き夫の「写真立て」を持つ手をだらりと下げる認知症の百合。余貴美子さんの演技に言葉を失う視聴者「震えた…」「お手伝いさんとは伝えていない?」「キャスティングの妙」
9月3日の『虎に翼』
現在放送中の伊藤沙莉さん主演・連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)。第23週「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」の112回が9月3日に放送され、話題になっています。
*以下、9月3日放送内容のネタバレを含みます。
昭和35年2月、いよいよ「原爆裁判」の口頭弁論が始まった。
記者の竹中(高橋努さん)は雲野(塚地武雅さん)から裁判の記録を記事にしてほしいと依頼されていた。
星家では寅子の体調が最近すぐれないのは更年期障害が原因ではないかと指摘される。百合(余貴美子さん)の物忘れも少しずつ深刻になりつつあり――といった話が描かれました。
あらためてあらすじ
今回、ドラマの中盤で1年半の月日が経ち、昭和三十六(1961)年6月を迎えます。
ある朝、優未と寅子、そして航一が朝食の準備をしているところに、銀行に就職したのどかが遅れてやってきます。
「朝食をとる時間がない」と言うと、寅子からおにぎりをくわえさせられるのどか。そのまま出ていこうとしたとき、何かに驚いた様子を見せます。
その先には、亡き星長官の写真立てを持つ手をだらりと下げた継母・百合の姿が…。
既に就職したのどかへ「早くいかないと大学に遅れる」と話す百合に、のどかは「お勤めに行くの。毎朝説明してるでしょ」と答えます。
わたくしをのけ者にして
その後、苦々しい表情で「わたくしをのけ者にして、みんなで楽しそうにしちゃって…」と航一に伝える百合。
対して寅子が割って入り「ごめんなさい。いつもお義母さんにつくっていただいているので、今日は私たちが、って」と話すと、百合は「あらそう…」と話し、にこやかな表情に変わります。
それから「平日は百合のそばにいてもらうように頼んでいる」というお手伝いの吉本が星家へやってきます。
吉本が「百合さん!今日もいろいろと教えて下さいね」と耳元で話すと、「ええ…もちろん」と機嫌よく答える百合。
その後、百合が口にした卵焼きを落とすと、寅子は優未に「拭いてあげて」と伝えつつ、みなで百合を介助するのでした。
ネットの声
航一が家を出ている間も星家を支え、朋一やのどかを実質的に育ててきた継母・百合。前回から今回にかけて、穏やかな性格だった彼女が、次第に認知症の症状を見せていきます。
そこに百合を演じる余貴美子さんの鬼気迫る演技も加わり、衝撃を受けた視聴者が多かったようです。
ネットでは「余貴美子さんの演技の迫力が凄すぎて見入ってしまう」「だらりとした手が映った瞬間は本当に怖かった」「あえてベタっとした髪、そしてやつれたメイク、卵焼きを落とした震える口…その演出に朝から震えが」「一家の支柱だった百合さん。その変化を長く一緒に過ごしたのどかほど、なかなか受け入れられないよね」「吉本さんはお手伝いさんではなく、百合から家事を学びに来ている、と伝えてあるのだろうな」「余貴美子さんがキャスティングされた理由が痛いくらいによくわかった回」といった声があがっていました。
朝ドラ通算110作目となる『虎に翼』は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんがモデル。昭和の法曹界を舞台に、激動の時代を描いたリーガル・エンターテインメントです。
仲野太賀さんや石田ゆり子さん、松山ケンイチさんらが出演し、尾野真千子さんが語りを、脚本は吉田恵里香さんが担当。
主題歌『さよーならまたいつか!』は米津玄師さんが手掛けています。