Photo: 小原啓樹|販売される製品と一部仕様が異なります

「ピヤホン」と呼ばれるイヤホン。「ピッドホン」と呼ばれるヘッドホン。

実はこれ、「凛として時雨」ドラマーのピエール中野さんが監修したイヤホン&ヘッドホンにだけ与えられる称号であり、愛称なんです。

今回はこの「ピヤホン」「ピッドホン」の魅力を、ピエール中野さんへのインタビューを通じてお伝えしたいと思います。

ピエール中野:バンド「凛として時雨」のドラマーとしてアーティスト活動を行なうほか、イベントプレゼンター、コラム連載などドラマーの枠を超えた幅広い活動を展開。イヤホン/ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」の公式アンバサダーも務める。監修したイヤホン、ヘッドホンの数は二桁を超える。

感情が揺さぶられる音を知る者の仕事

ピヤホン/ピッドホンは、ピエール中野さんの監修による本体やケースのデザインも特徴

ピヤホン/ピッドホンの一番の特徴は、ずばりピエール中野さんによる音のチューニング。

「凛として時雨」だけではなく、覆面アバターバンド「FZMZ」でもドラムをたたき、ドラムとDJを組み合わせたパフォーマンススタイル「ドラムDJ」としても活躍しているピエール中野さんだからこそ、感情が揺さぶられる音と音楽、それらが鳴っている空間を知り尽くしている。ゆえに、ライブの熱気がよみがえる勢いMAXな音が作り出せるのです。

「PNK」がその証

星の数ほどあるんじゃないかと思えるイヤホン&ヘッドホンのうち、どれがピヤホン&ピッドホンなんだろうか。見分けるには型番に「PNK」という文字列が含まれているかをチェックしましょう。このPNKシリーズは、2019年に発売されたTE-BD21f-pnk(無線ピヤホン1)を始まりとして、現在のところ無線イヤホン8モデル、有線イヤホン5モデル、無線/有線ヘッドホン3モデルがリリースされています。

今回はその中から、音への信頼性が高いAVIOTのモデルをベースにした無線ピヤホンを2モデル、ピッドホンを2モデル、ピエール中野さんにご紹介していただきましょう。

完全ワイヤレスイヤホンの限界を超えた無線ピヤホン7

初めに、無線ピヤホン7ことTE-ZX1-PNK(税込4万9500円)から。

ベースモデルであるTE-ZX1の特徴はこんな感じです。

・“トライブリッド5ドライバー”システム
・積層造形技術でハウジングを成形
・装着時の安定感を高めるダックテール構造
・不要な共振を低減する金属ノズルを採用
・医療用グレードのシリコンイヤーピース6種、ウレタンイヤーピース2種、計8種のイヤーピースが付属
・DSP処理を最小限に抑えることで、ドライバーによって生み出された音をピュアなまま楽しめる
・Bluetoothのコーデックはハイレゾもワイヤレスで流せるLDACに対応
・ハイブリッドアクティブノイズキャンセリング搭載

── こちらのモデルをどのようにチューニングしたのでしょうか?

ピエール中野さん(以下、中野):まずベースモデルの時点で音の情報量が高密度で気持ちいいんですよ。そのうえで、多ドライバー機って調整がすごく難しいんですけど、さらにライブ時の生々しさが感じられる仕上がりを目指して。個人的に「ここのポイントが聴きたいんだよ!」という部分が引き出せました。

── 中野さんが求めるライブ時の生々しさは聴く価値ありですね。このモデルは他アーティストによるエクストラチューニングもアプリでの切り替えによって楽しめるのですよね?

中野:僕の憧れのミュージシャンがピヤホンをチューニングしたらどうなるんだろう、という思いから「Assemble for PNKプロジェクト」としてさまざまなアーティストの方にお声がけしています。サウンドのチューニングにとどまらず、サウンドガイダンス(電源オン/オフなどの操作を知らせる音)もお願いしました。

最初にBOOM BOOM SATELLITES、THE SPELLBOUNDのメンバーである中野雅之さんにお願いをしたら快諾いただいて。サウンドガイダンスも素晴らしかったですし、チューニングも中野さんらしさがあふれていて「こんなアプローチがあるのか」と勉強になりました。

── さらに、大沢伸一さん、クラムボン・ミトさん、Evan Callさんも名を連ねていますね。

中野:皆さん職人肌で、ちょっとやそっとのことじゃオファーを受けてくれないような方々たちですので、ピヤホンに興味を持ってくれた、認めてくれたという事実はすごく心強く感じました。それぞれのチューニングは皆さんの持ち味が生きているなと感じますし、無線ピヤホン7のポテンシャルの高さも感じられますよ。参加アーティストは今後も増えていく予定です。

手頃な価格と迫力サウンドを両立した無線ピヤホン8

続いて、無線ピヤホン8ことTE-W1-PNK(税込1万9800円)について聞いていきます。

ベースモデルのTE-W1はこんな特徴を持っています。

・新開発ドライバー「コアキシャル3Dシステム」を採用
・イヤモニから着想を得た金属製ノズルおよび、ピヤホン7では積層造形技術で作っていたダックテールを金型で実現
・医療用グレードのシリコンイヤーピース6種付属
・3Dスペーシアルオーディオ対応
・最大でイヤホン単体16時間、ケース併用50時間のロングスタミナ性能
・Bluetoothのコーデックはハイレゾもワイヤレスで流せるLDACに対応
・アダプティブハイブリッドノイズキャンセリング搭載

── このモデルは手頃な価格も魅力です。

中野:ピヤホンシリーズはハイエンドフラッグシップを担うシリーズとしてやってきて、スペックとともに価格が上がってきたのですが、「昔はもっと安く買えたのに」という声もありました。そこで低価格なTE-W1をベースにしたモデルを作ろうという話になったのです。

── どのようなチューニングが施されているのですか?

中野:日常的に使える価格帯のモデルなのに音がすげえ!というものを目指しました。音の方向性は無線ピヤホン7同様にライブの雰囲気を感じられるものですが、無線ピヤホン7はマニアックというか、より音質を求める方向けのチューニング。一方で無線ピヤホン8は、手軽で日常的に使いやすいライフスタイルガジェットなのに音もいいの!?という驚きを感じてもらえるようにしました。

── 無線ピヤホン8のボイスガイダンスはレジェンド声優の日郄のり子さんが担当されているのですよね。日郄のり子さんといえば『タッチ』の浅倉南か『らんま1/2』の天道あかねか、はたまた『PYCHO-PASS サイコパス』の無機質ボイスなドミネーターか、聞けばすぐに分かる声が印象的です。

中野:実はパナソニック製のETCの声も日郄のり子さんが担当しているんですよね。もう日本のインフラを担っている声と言っても過言ではない。レコーディング時も日常により近い声でお願いしますと言ったら、本当に自然に溶け込むような声にしてくれたんです。

平面磁気駆動型ドライバーを採用した高級機ピッドホン1

お次はピッドホン1ことWA-Z1PNK(オープン価格)。

こちらはベースモデルがない、といいますか、ピエール中野さんが1から開発プロジェクトに参画したモデル。特徴はこんな感じです。

・フラットでひずみの少ないサウンドが得られる平面磁気駆動型ドライバーを搭載
・ワイヤレスだけでなく有線接続も可能。バランス接続にも対応
・Bluetoothのコーデックはハイレゾもワイヤレスで流せるLDACに対応
・こだわりのイヤーパッド等による快適な装着感
・ボイスガイダンスは『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジなどで知られる声優の緒方恵美さんが担当

── こちらのモデルはAVIOTヘッドホンのフラッグシップに位置付けられています。

中野:エンジニアの方から「平面磁気駆動型ドライバーでいきたい」という声が上がるなど、AVIOT初のハイエンドヘッドホンとしてやりたいことを全部詰め込んだ夢のような構想から開発が始まりました。試作機を聴いたら、解像度が高い上に音がキレイで、ひずみなどのイヤな要素がまったくなく期待が持てました。

── 音の良さはもちろん、装着感の良さも特徴ですね。

中野:装着感に関しては結構やり直してもらいました。着け心地にはこだわりたかった。僕はこのピッドホン1を家で普段使いしているのですが、長時間着けていても負担を感じにくいしうまくいったかなと思っています。また、音を聴いてもらった誰もが「ドラムの音がここまで生々しく気持ち良く聞こえるヘッドホンは初めてだ」と言ってくれまして。ハイハットやシンバルの伸び方が、めちゃくちゃキレイなんですよ。

音楽制作の現場でモニタリング用にも使っています。リスニング用としても楽しめるし、オールマイティで優秀なモデルを作りたいという狙いはうまくいきましたね。

ハイレベルな音質を手頃な価格で味わえるピッドホン3

最後にピッドホン3ことWA-V1-PNK(税込1万9800円)について聞いていきます。

ベースモデルのWA-V1はこんな特徴を持っています。

・40mm径専用設計ドライバーを採用
・ワイヤレスだけではなく有線接続も可能
・持ち運びに便利な軽量設計&折りたたみ構造
・アダプティブハイブリッドノイズキャンセリング搭載
・最大120時間再生のロングバッテリー
・Bluetoothのコーデックはハイレゾもワイヤレスで流せるLDACに対応

中野:ピッドホン3は、普及価格帯のピッドホンを作ろうというところからプロジェクトがスタートしました。とはいえ音のチューニングにはこだわっています。低域周りに調整を入れることでよりうねりが出て、僕としてはここが気持ちいいんじゃないかなという帯域を出しつつ、高域も魅力を損なわないような、むしろ広げてあげることを意識してチューニングしました。

── ピッドホン3だけの付属品として、折りたたみ式のデスクフックや、ナイロン編みの絡みにくいステレオミニプラグケーブルが同梱されているのもうれしいです。あと、無線ピヤホン8同様に日郄のり子さんがボイスガイダンスを担当されているのもアツい…!

中野:ありがとうございます。ピッドホンシリーズって、ユーザーの方が着けたところをSNSに投稿してくださることが多くてうれしいのですが、ピッドホン3でそれが一層増えるのではないかと期待しています。

ピエール中野さんのオーディオへの目覚め

── ここからは、イヤホン/ヘッドホンのマエストロたる中野さんがいかにオーディオに目覚めていったかをうかがえればと思います。

中野:僕は昔からポータブルオーディオがすごく好きなんです。それこそ学生時代に、カセットテープのウォークマンで通学中に音楽を聴いていました。でも当時、音質のことはよく分からなかった。バンドは始めていたけど、カセットテープはノーマルポジションとハイポジション、メタルポジションとかいろいろあって、なんか分かんないけど、ハイポジションっていうのがいいんじゃないかくらいの認識でダビングしたりしていましたね。

── そんな中野さんにとっての転機は?

中野:MD(ミニディスク)の時代にカナル型(耳栓タイプ)イヤホンに出会ったことです。衝撃だったんですよ。イヤホンなのに低音がめっちゃ聞こえるじゃないか、って。でも興味を持っても当時はインターネットもそこまでやっていなかったし、調べることができなかったからオーディオにはまだハマってはいなかったんです。そこから、ある程度収入が得られるようになってきたタイミングでオーディオにもこだわっていきたいなと思ってオーディオ専門誌を見たら、4桁万円のオーディオ機器とか出てくるんですよ…ありえないだろ!と。というか自分の家専用のマイ電柱ってなんだよ!とページを閉じました(笑)。

── より良い電源環境を目指して電柱を立てるところまでいく方もいらっしゃいますね。

中野:そこまでいかなくとも、いつも自分が音楽を聴くときによく接するイヤホンならまだ手に入りやすい価格帯で良いものがあるんじゃないかと思ってインターネットで調べまくったところ、その当時はWestone AudioやEtymotic Research、Ultimate Earsといったメーカーのイヤホンが人気だということが分かったんですね。特にUltimate EarsのTriple.fi 10 Pro(2007年)はリファレンスといえるくらいにレビューが多かったから、じゃあこれを買えばいいのかと価格を見たら5万円くらいなんです。いや高いだろ!と(笑)。でも当時のマネージャーに「ミュージシャンなんだからいいもの買えよ」と言われて手に入れて聴いてみたら、これでぶっ飛びましたね。そこから時間忘れるほどいろんな音楽を聴きまくりました。

── AVIOT製品との出会いはいつごろだったのですか?

中野:それから時が過ぎ、ワイヤレスイヤホンのブームがきたころ、AVIOTからTE-D01d(2019年)を開発したので僕に使ってみてほしいと連絡があったんです。実際に聴いてみたらこれがとても良くできていて。「ワイヤレスイヤホンってこんなに音が進化したんだ」って実感したんですね。価格面でもおすすめしやすいし「こういうイヤホンを使ってみてほしいな」とSNSで発信したらバズって一気に広まっていったんです。

中野:そのころすでに自分でいつかイヤホンを作れたらいいなという思いはなんとなくあったんですけど、本当にできるとは思っていなかった。ところが、TE-D01dがヒットした後にAVIOTの方から食事に誘われて、その場で「コラボやりましょう。ピエール中野さんに音質の監修をしてもらったイヤホンを、世の中に提案していきましょう」という話になったんです。

── おぉそれはすごい。どういうものを目指そうと考えられましたか?

中野:先ほどお話ししたUltimate EarsのTriple.fi 10 Proと同じような音が出せたら音楽の聞こえ方や捉え方が変わって、衝撃的な体験になるはずだと話していたら、後に無線ピヤホン1のベースモデルとなるTE-BD21fのドライバー構造がTriple.fi 10 Proと近かったんですよ。もう「まじっすか。絶対やりたいです」ってなりますよね(笑)。そしてチューニングを担当するようになったんです。とはいってもTriple.fi 10 Proの音をそのまま再現したわけではなく、現代的にアップデートしたサウンドを目指して無線ピヤホン1を作り込んでいきました。

── 無線ピヤホン1の反応はいかがでしたか?

中野:「ポタフェス」(日本国内最大級のポータブルオーディオイベント)に出展したところ、めちゃくちゃ評判が良かったんですよ。「ワイヤレスイヤホンも、ついに高級有線イヤホンのような音が出せるようになったのか」と。まさに衝撃をもって迎え入れてもらったので、じゃあ僕たちがやるべき方法はこういうことだなっていうのを確信して、そこからさまざまなピヤホン、ピッドホンを作っていくことになったんです。

熱いサウンドが身体に染み渡る。それがピヤホン/ピッドホン

インタビューアーである僕自身、以前からピヤホン/ピッドホンシリーズを購入してきました。安価なモデルもハイエンドモデルも、総じて音が熱いんですよね。音が良いという前に、前のめりになりたくなるほどアッツアツなサウンドなんです。

だから仕事前とか、ちょっと休憩してから仕事に戻るときにピヤホン/ピッドホンの音を聴くとどこからともなくやる気が湧いてくる。モチベーションが上がっちゃう。それもすごい勢いで!

ピエール中野さん自身、「ライブが終わった後、余韻に浸るときにもおすすめですよ」というのも深く理解できる。パキッと分かれた強ステレオ感がありながらリバーブの響きがとてもキレイなので、音の世界に没入したいときにもピッタリ。

ほんと、悪いことは言わないです。音楽が好きで、1日にいくらでも音楽を聴き込みたいというなら、ピヤホン/ピッドホンは手に入れるべきです!

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■対象商品
TE-ZX1
TE-ZX1-PNK

■開催期間
2024年8月15日(木)〜9月14日(土)

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Source: AVIOT