デンソー AIドクターが社員のメンタル不調を早期に発見 AIメンタルヘルスケアサービス「Mente for Biz」導入へ 現役医師が監修

写真拡大 (全3枚)

Medi Faceは同社が開発しているAIメンタルチェックをはじめとした法人向けクラウドサービス「Mente for Biz」をデンソーに提供開始したと発表した。
●導入の背景
世間ではCOVID-19を経て、日々の働き方が多様化した一方で、うつ病をはじめとした精神疾患の患者数は倍増した。その影響により、近年メンタル不調者による早期離職・転職が相次いでいる。
このような社会状況に対し、デンソーではメンタルの不調を早期に察知し、健康管理のプロ人材である産業医や心理カウンセラーによって適切にケアしていく体制を整えることで、離職者や高ストレス状態の従業員を減らし、より従業員一人ひとりが働きやすい職場づくりを目指している。
今回、デンソーの一部部署に限定しサービスの提供を開始する「Mente for Biz」では、こうしたメンタル不調の早期発見から、メンタルケアまでをトータルサポート。今回の部分的導入によって社内での運用検証を行っていただいた上で、年内に全社展開を進めていく予定。
デンソーはすでにメンタルヘルスケアを含んだ健康増進に関する取り組みを積極的に行っているが、今回「Mente for Biz」を導入することで従業員にセルフチェックの重要性を啓発し、企業全体としてのメンタルケアに対する意識の底上げに貢献するとしている。
●Medi Face 代表者コメント
●株式会社Medi Face 代表取締役/医師 近澤徹 氏

人的資本が重要視される昨今、従業員の身体的な健康だけでなく心の健康にまでケアを行き渡らせたい、という企業様が増えています。デンソー様も従来のケアだけではなく、新しい取り組みを行なっていきたい、という先進的な企業様の一つです。取り分け、産業医面談やストレスチェックという従来の手法だけでは、「早期のメンタル不調者の発見が難しい」「その後の適切なフォローに困ってしまう」というお声は、他のお客様からも多く頂いておりました。当社は、「Yes/Noだけで答えるような簡素なチェックではなく、エビデンスに基づいたメンタルチェック」を提供するべく、現役医師らの監修の元で「AIメンタルチェック」を開発しました。これに加え、健康管理のプロによる面談・カウンセリング対応などをセットにした「Mente for Biz」というパッケージとして、デンソー様にご活用いただく運びとなりました。AIによるメンタルチェックで、メンタルの相談に対する心理的ハードルを下げ、より多くの働く皆さんのメンタルの悩みを解消できるように、これからも邁進して参ります。
プロフィール:
精神科医・日本医師会認定産業医。北海道大学医学部卒慶應義塾大学病院研修名古屋市立大学病院 客員研究員北海道大学病院 客員研究員
在学中、精神科における病院実習で、うつ病を発症してから病院受診まで1年以上かかっている患者さんを目の当たりにし、精神科受診のハードルを下げることでDUP(精神病未治療期間)を短縮するべくMedi Face社を創業。医師・経営者として、主に「Z世代」のメンタルケア・人的資本セミナーや企業講演の依頼も多数実施。国内外で複数のクリニックを経営する中で、臨床・研究・開発までを一気通貫で推し進める。
●株式会社Medi Face 心理カウンセラー 久保千晶 氏
企業での心理相談を開始して以来、社員様との出会いの瞬間から始まる個別の心理支援を心がけてまいりました。コロナ禍を経験し、リモートワークをはじめとする多様な働き方が推進される時代を迎えた今、心理支援においても出会いのバリエーションと迅速さが求められています。その中で「Mente for Biz」によって、AIメンタルチェックを通して、社員様が心身の違和感をとらえた際に、最速でオンラインの心理相談につながることができる仕組みを確立することができ、この度、デンソー様にもご活用いただく運びとなりました。「Mente for Biz」を社員様に活用いただくことで、心理相談のクオリティを下げることなく、一方で心理相談につながるハードルを限りなく低くすることで、メンタルヘルスのサポーターである臨床心理士との出会いをより身近に感じていただき、ご自身のメンタルヘルスへの意識を高めていただく機会をより多くご提供できるようになります。「Mente for Biz」を通して、これからも社員様との出会いの瞬間から始まる丁寧な心理支援を続けてまいります。


プロフィール:
WHO版・SC版心理的応急処置(PFA)研修認定講師LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテーターアンナフロイト認定MBT-Cプラクティショナー公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士合同会社さくら心理相談室 代表
医療法人社団碧水会長谷川病院、クリニック川畑(児童精神科)、国際基督教大学カウンセリングセンターなど幅広い領域において臨床心理業務に従事した後、さくら心理相談室を創設。従業員支援プログラム(EAP)おおび教育研修事業、こどもとおとな・家族へのカウンセリング等心理支援に併せて、事故・災害時の緊急心理支援にも力を入れている。
●Mente for Bizについて
●現役医師らの監修の元で開発した「AIメンタルチェック」

Mente for Bizの「AIメンタルチェック」は、Medi Faceが現役医師らの監修により開発したAIを用いている。
PC・スマートフォンの画面上に登場する「AIドクター」からの質問に回答するという対話形式で、メンタルヘルスの状態や、自分のストレスの原因などを確認することが可能。AIによるチェック精度の向上のために、表情、声、話し方などの非言語情報をデバイスのカメラ・マイクを通して取得し、チェック結果に反映している。また、AIドクターとユーザーとの対話では、ユーザーの発言の自然言語処理や、AIドクターの発話内容の生成など、AI技術を活用して、自然な対話体験を創造している。
●24時間365日利用可能なAIメンタルチェックと、健康管理のプロが対応する相談窓口をセットで提供
AIメンタルチェックは、PC・スマートフォンを通して、24時間365日利用可能。いつでも従業員が自分のタイミングで、自分のパーソナルスペースで、自身のメンタルをチェックすることができる。こうしてチェックした結果は、過去に遡って確認することが可能で、自分のメンタルヘルスやストレスなどを定点観測することも可能となっている。
また、チェックの結果に応じて、産業医・保健師・臨床心理士といった有資格者が従業員との1on1面談を行うことでチェックからケアまでメンタルヘルスに対するトータルサポートを実現している。
●健康経営をデータドリブンに実施するための組織分析レポート
AIメンタルチェックのデータや、産業医や保健師との1on1面談の内容は、個人が特定できないデータに加工し、人事部や経営陣の意思決定に活用が可能。対話型のチェックとケア面談によって、これまでヒアリングができていなかった従業員の本音や不満をリアルタイムかつ網羅的に把握することが可能になる。また、部署ごとのメンタル傾向やメンタルスコアなどの分析を行うこともできる。
また、これらが系時的なデータとして蓄積されていくことで、従業員のメンタルの動向と人事労務等の施策、各種イベントとの関連性なども分析することが容易になり、次年度以降の取り組みや経営企画にも活かすことが可能となる。