【飲む点滴】を手軽に取り入れられる♪「酒粕」でペースト作ろう!豆腐、茹で卵、みそ汁…使い方ガイド

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管理栄養士のともゆみです。酒粕は栄養価がとても高く、美容に働くことから飲む美容液と呼ばれていますが、溶かすのに時間がかかるため、あまり使うことがない筆者です。そんな酒粕をYouTube「プラントベースゴハン」では、毎日取り入れやすいように溶けやすくした酒粕ペーストを作っていました。作った酒粕ペーストで、甘酒をはじめ、いろいろなものに使っていたので、真似してやってみたいと思います。

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YouTube「プラントベースゴハン」は、簡単でおいしい料理やお菓子を紹介しています。特に漬け物や発酵食品、健康を意識した料理を多く配信していますよ。


まずは酒粕ペーストを作っていきます。溶かすのに時間がかかる酒粕を濃い濃度で溶かしてペースト状にしたものです。使う時はさっと溶けて、毎日の生活に取り入れやすくなります。そして一度作ってしまえば、冷蔵庫で3か月以上保存可能だそうです。酒粕は大きく分けて2種類あり、11月~3月くらいまで出回っているやわらかいタイプの「バラ粕」と、年中手に入る板状タイプの「板粕」があります。どちらを使っても同じように作れるそうです。動画ではバラ粕を使っていましたが、今はバラ粕が売っている時期ではないので、板粕を使って作ってみます。

「酒粕ペースト」の材料と作り方

【材料】
酒粕(バラ粕)…200g
水…100ml

※板粕を使う場合は水は200mlにします。今回板粕を使ったので200mlの水を使いました。



【作り方】
1. 小さくちぎった酒粕と水を鍋に入れて15分放置します。酒粕が緩んでやわらかくなります。板粕はちょっと固そうなので、30分放置しました。



2. 弱火にかけ、木べらでかき混ぜながら溶かします。溶けたら火を止めます。3分くらいで溶けました。どろっとしています。



3. 粗熱がとれたら、熱湯消毒をした瓶に入れます。



実は、酒粕は加熱すると熱に弱い酵母やビタミンが壊れてしまいます。動画では酒粕の成分を十分に取り入れるために、加熱しない「生酒粕ペースト」の作り方も紹介されています。こちらは冷凍で半年以上保存可能だそうなので、こちらも作っていきます。

「生酒粕ペースト」の作り方

1. ジッパー付き保存袋に酒粕100gを入れ、水を入れます。バラ粕の場合は水50ml、板粕なら100ml入れます。板粕を使ったので100mlの水を使いました。空気を抜いて密封し、袋の上からよく揉みます。



2. ペーストになるまでよく揉んだら(5分くらいかかりました)、薄く平らに伸ばします。今回は手で揉みましたが、ミキサーにかけて混ぜてもいいそうです。



3. 袋を少し開けてもう一度余分な空気を抜き、密閉します。冷凍庫に入れ保存します。

冷凍してカチコチになったら、下のようにパキッと折って使う分だけ取り出します。





ここからは作った酒粕ペーストで甘酒や酒粕みそ汁など、さまざまなものを作っていきます。加熱した酒粕ペーストでも生酒粕ペーストでもどちらでも同じように使えます。今回は加熱した方の酒粕ペーストを使います。

「甘酒」の材料と作り方
 
【材料】
酒粕ペースト…大さじ2
水…150ml
しょうが(すりおろしたもの)…小さじ1/2
蜂蜜…小さじ2
シナモン…少々
塩…ひとつまみ

【作り方】
1. 酒粕ペースト、水、しょうが、塩を鍋に入れ、中火にかけて温めます。アルコールを飛ばしたい場合は5分以上火にかけます。

2. 蜂蜜を入れて混ぜます。

3. カップに注いで、好みでシナモンを振り入れて完成です。



【実食】
お、おいしいです。しょうがの辛さは控えめで、ほんのりと甘さがあり、やさしい味でほっこりします。体が温まりますね。毎日飲みたいです。

「酒粕みそ汁」の作り方

【作り方】
茶碗1杯分のみそ汁にスプーン1杯の酒粕ペーストを入れて、よくかき混ぜて出来上がりです。今回作ったみそ汁の具は豆腐とわかめです。



【実食】
ほんのりと粕汁の雰囲気があります。普通のみそ汁よりまろやかになりますね。

「酒粕レーズン」の作り方

【作り方】
1. ボウルにレーズン50gを入れてほぐします。レーズンはオイルコーティングされていないものを選びます。オイルコーティングされている場合は、熱湯で洗い流し、しっかりと水気を拭いてから使います。今回はオイルコーティングされていないものだったので、そのまま使います。酒粕ペースト100gと混ぜ合わせます。

2. ラップをして冷蔵庫で一晩寝かせて完成です。



【実食】
酒粕がヨーグルトのような感じで、レーズンがふっくらとやわらかくなり、おいしいです。おやつにぴったりですね。

「酒粕豆腐」の作り方

【作り方】
1. 酒粕みそを作ります。小ボウルに酒粕大さじ2、みそ大さじ1、みりん小さじ1を入れてよく混ぜます。

2. 豆腐の水切りをします。豆腐をキッチンペーパーに包み、耐熱容器に入れて、600Wで2分加熱します。

3. ラップを広げて1の酒粕みそを薄くのばし、2の豆腐をのせて豆腐全体に酒粕みそを塗ります。

4. ラップで包み保存容器に入れて一晩寝かせます。

5. みそを軽く取りのぞき、食べやすい大きさ(1cm)にスライスして完成です。



【実食】
みそとほんのりと酒粕の香りがして、漬け物のよう。お酒のアテにいいですね。大人の味です。

「酒粕卵」の作り方

【作り方】
1. 酒粕みそを作ります。小ボウルに酒粕大さじ2、みそ大さじ1、みりん小さじ1に入れてよく混ぜます。

2. 茹で卵を作ります。卵を熱湯に入れ10分茹で殻を剥きます。

3. ラップを広げ、1の酒粕みそを大さじ1/4ラップの上にのせます。2の茹で卵をのせ、上からも酒粕みそ大さじ1/4をのせ、ラップで包み、保存容器に入れて一晩寝かせて出来上がりです。



【実食】
酒粕とみその風味が白身に移り、ねっとりとした濃厚な黄身とよく合います。

酒粕の成分

酒粕は、日本酒などの製造工程で出る絞りカスです。発酵の過程で働く酵母菌でアミノ酸が増加します。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミンB2、B6、葉酸、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれていますが、特に肌の代謝を促進するビタミン類が豊富に含まれているのが特徴です。


酒粕は溶かすのが面倒なのと、甘酒と粕汁くらいしか使い道を知らなかったので、買っても余っちゃうし…と買うのを躊躇していました。でも、今回さまざまな使い方を知れたので、今度からは躊躇せずに買えますね。ペースト状にしておいて、ちょこちょこ使えるのがとても便利でした。甘酒ってやっぱりおいしいし、ほっこりしますよね。これからは頻繁に甘酒を作れます。健康や美容にも働く酒粕、ぜひやってみてはいかがでしょうか。

参考文献:
からだのための食材大全 監修者 池上文雄 他 NHK出版

※1歳未満の乳児には、ぜったいに蜂蜜を与えないでください。腸内環境が未熟なため、「乳児ボツリヌス症」を発症する危険性があります。

※酒粕には約8%のアルコールが含まれているため、未成年や妊娠中、これから運転する方は摂らないようにしてください。また、アルコールに弱い方も気をつけてください。