巨人の外野「チャレンジ枠」争いは混戦模様 最後に抜け出すのは誰か

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秋広は今季1軍に昇格するもチャンスを生かせず(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 狭き門は、さらに狭き門へとなっています。

 熾烈な首位争いを展開中の巨人です。外野手が「白紙」の状態で迎えた今シーズンでしたが、ライトのベテラン・丸が1番打者として定着し、昨季の不振から打率3割とV字回復する見事な復活劇。途中加入の助っ人・ヘルナンデスも好調をキープし、センターの定位置を確保しました。

【動画】こすったような当たりでもスタンドインした秋広のホームラン映像

 有望な若手外野手がスタメンを飾れる、外野の「チャレンジ枠」は1枠のみ。その争いは混戦模様と化しています。

 スポーツ紙のデスクが解説します。

 「チャンスは与えられたとしても、若手のホープ達がそれを生かし切ることができず、阿部監督も頭が痛いところでしょう。本来なら大卒2年目の萩尾に託したいところですが、打率2割ちょっとで得点圏でも力を発揮できず、レギュラーを奪うには至っていません。日立製作所からドラフト3位で巨人入りしたルーキー・佐々木も走攻守揃う好選手ですが、打率は2割台前半。移籍組のオコエや立岡、若林もいまいち。本来なら、つかみ取ってほしいんですが…」

 そんな中、三遊間をこなせる新助っ人のココ・モンテス内野手が新加入したことで、「チャレンジ枠」に臨む若手外野陣の環境にも変化が出てきました。

 「昨季まで正捕手だった大城が一塁に就くことで、岡本が左翼に回ることになった。『チャレンジ枠』で試す段階ではなくなったということです。若手達は今季ここまで、ある程度チャンスを与えられながらも、ものに出来なかったわけですから、優勝を目指すためにはしょうがないとも言えます」(前述のデスク)

 そして、本来ならジャイアンツの外野陣の一角を担わなくてはいけない男が二人、ファームに甘んじている点を問題視するのです。

 「秋広と浅野です。秋広は昨季、わずかに規定打席には及ばなかったものの、121試合に出場し、打率.273、10本塁打、41打点の成績を残し、次世代の主軸としてアピールに成功しました。しかし今季は一軍出場が17試合に止まる大誤算です。浅野も近未来の中心選手として期待され、ドラフト1位で入団した逸材。現状はベテランの奮闘に期待するしかないのですが、この二人が活躍しない限り、明るい未来は見えないでしょう」(前述のデスク)

 プロ野球の世界において「勝ちながら育てる」のは大変困難なこと。それでも夏場以降のヒリヒリする時期、怖いものなしの若手が躍動する姿を見たい巨人ファンは多いことでしょう。二人の奮起に期待したいところです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]