ブラン監督を胴上げするバレーボール男子日本代表(C)ロイター

写真拡大

「パリ2024オリンピック」のバレーボール男子日本代表は5日、決勝トーナメント1回戦で世界ランキング2位のイタリアと対戦。
フルセットの末、2-3で敗れ、1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりのメダル獲得には届かなかった。

■「このチームでやってこられたことは誇り」

日本は第1、2セットを奪取し、強豪イタリアを追い詰めたが、あと1点が遠かった。
1次リーグで不振が続いた主将・石川祐希だったが、この日は第1セットから6連続ポイントを奪い、第2セットでもサービスエース2本を含む9得点と躍動。日本は第3セットも24-21とマッチポイントを迎えたが、ここからイタリアが粘りを見せ、25-27で第3セットを落とすと、続く第4セットは24-26、第5セットも15-17と激闘の末、日本は敗退した。
試合後、フィリップ・ブラン監督は「もう少しで勝てそうな展開の中、最後に点を取れず、準決勝進出の夢も叶わず残念だ」とし、続けて「選手とともにいいチーム作りができていたし、これまでこのチームでやってこられたことは誇りに思う」と、涙を浮かべながらも誇らしげな表情で日本代表の健闘を称えた。

■異例の胴上げに拍手喝采

ブラン監督は今大会限りの退任が決まっており、インタビューでは「これからは、日本チームの一番のファンでいると思います」というメッセージに、通訳が言葉を詰まらせる場面も。その姿を見たブラン監督は通訳の肩を優しく抱きしめた。
試合後には、涙を流す選手一人ひとりを労ったブラン監督を、最後は選手が胴上げ。アリーナの観客は異例の光景を万雷の拍手で見届けた。最後は、胃がんの闘病の末、昨年3月に他界した東京五輪代表・藤井直伸さんの遺影とともに、監督、選手、スタッフが笑顔を振り絞って集合写真。
今春のネーションズリーグで準優勝し、世界トップクラスの存在となった日本代表。バレーボール男子日本代表の戦いは2028年のロサンゼルスへと続く。