夢の中で「長男の発達障害」に悩む“過去の自分”に遭遇 「5つ聞きたい」と頼まれ、伝えたアドバイスとは?【漫画・作者インタビュー】
過去の自分に出会った夢について描いた漫画「未来の自分に聞きたかった5つの質問」(全7話)が、Instagramで合計1800以上のいいねを集めて話題となっています。
夢の中で、過去の自分と出会った作者。発達障害を持つ息子との生活に、不安と悩みを抱えている様子でした。そんな過去の自分に、さまざまな苦難を乗り越えた現在の自分が今、伝えたいメッセージとは…。読者からは、「すてきな話をありがとうございます!」「育児は不安なことが多いですよね」「一つ一つ乗り越えて、今がある」などの声が上がっています。
長男が発達障害だと分かったときは現実を受け入れ切れず
この漫画を描いたのは、Instagramやブログ「ばよのーと」などで漫画を発表している、ブロガーの星河ばよさんです。星河ばよさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.今回、漫画「未来の自分に聞きたかった5つの質問」を描いたきっかけを教えてください。
星河ばよさん「長男の発達障害をなかなか受け入れられなかった当時、家でも会社でも、私は毎日そのことばかり考えていました。『未来の自分はいったい、どうしたのか』『小学校を通常級と支援級、どちらに決めたのか』などと悩みに明け暮れていたんです。さまざまな経験を積み重ねて、今、過去の自分に伝えたいことがいくつかあったので、SF要素を盛り込んだ漫画として今回表現してみました。
また、最近の話になりますが、あるテレビドラマで『自分を助ける最良の人は自分』という言葉を知りました。とても悩んでいた時期、『自分がもう1人いたらいいのにな』『そうしたら、相談したいのにな』と思うことがよくあったので、この言葉も当時の自分に聞かせてあげたいですね」
Q.長男のタロくんが発達障害だと分かった当時、どのような心境でしたか。
星河ばよさん「とてもショックでしたね。現実を受け入れ切れず、『なぜ、うちの子が…』と一生懸命その理由を考えては毎日のように泣いていましたね。また、『いつかは周りの子に追いつくはず』と見えない希望にすがることも。育児中も、仕事中も、気持ちの余裕がまったくなかったことをよく覚えています」
Q.現在はタロくんの発達障害について、どのような考えをお持ちですか。
星河ばよさん「現実を受け入れ、今ではスッキリとした心持ちになっています。本人にあったペースで、少しずつ成長していってほしいなと思っています。長男が小学5年生のときには、本人への障害告知をしたのですが、それに関する漫画『ぼく、障害があるの?』をブログやSNSなどで投稿しているので、もしよければ読んでいただけるとうれしいです」
Q.徐々に成長していくタロくんを見て、母としてどのように感じていますか。
星河ばよさん「とても誇らしく思っています。成長の例を挙げると、小学校低学年までは学校の授業参観や療育センターでの活動時に、よく私の膝の上で猫のように丸くなり、人前で甘えてくることがありましたが、最近はしなくなりましたね。彼いわく、恥ずかしくなってきたそうです(笑)」
Q.これまで、育児で「つらい」「苦しい」という感情に押しつぶされそうになったとき、どのように立ち向かってきましたか。
星河ばよさん「親しいママ友に、よく話を聞いてもらっていました。1人だと悶々(もんもん)としてしまうことも、相談することで気持ちを整理できるので。また、無心になれるという理由から、漫画やイラストを描くこともあります。
でも、アンチコメントで落ち込んでしまい、描く気力が湧かなくなってしまうこともあります。そんなときは好きなアニメを見たり、映画館に行ったり、テレビゲームをしたりして、気持ちをリフレッシュしていますね」
Q.漫画「未来の自分に聞きたかった5つの質問」について、どのような意見が寄せられていますか。
星河ばよさん「『私もタイムトラベルをしたい』『私が見ておくから、あんたはゆっくりしておいで〜って言ってあげたい』『未来の自分が大丈夫だよって言ってくれたら、これほど安心できるものはないですね』などのコメントを頂きました。あまりに突拍子もないSF話で、皆さん引いてしまわないかな…と思っていましたが、共感の意見をたくさん頂けてとてもうれしかったです」