21時ごろ、空席の目立ち始めた観客席

 7月26日の深夜に始まったパリ五輪開会式。初めて“スタジアム外”でおこなわれる開会式として注目を浴びた。

セリーヌ・ディオンの歌唱や、フランス革命をモチーフにした大胆な“ギロチン演出”など、多くの話題が集まりました。特に間延びしがちな選手入場は、船に乗ってセーヌ川から選手が入場するなど工夫を凝らし、メディアでは大絶賛されています」(スポーツ紙記者)

 ところが、現地では否定的な声が聞こえてきた。

「そもそも、雨がひどかったんですよね。始まる前から、降ったりやんだりを30分おきに繰り返すような天気で、皆不安そうでした。ちょうど、式が始まってからが本降りになってしまい、観客もメディアもびしょ濡れになりましたよ。カッパを着ていても中がずぶ濡れになるほどの“豪雨”でした」(現地記者)

 特に雨が強くなったのは、選手入場が始まったばかりの20時過ぎ。まだ日本どころか、ブラジルも入場していないころだ。結局、選手入場が終わるまで雨は降り続いた。

「現地の観客は、はじめはみんな座って盛り上がっていたのですが、雨が強まるとテンションはだだ下がりでした。とくにセーヌ岸は雨を避けるよな屋根もありませんからね。屋外でおこなう開会式の弱みですよ」

 結局、途中離席が続出したという。

「21時ごろには、観客が大勢席を立ち始めましたよ。雨にうんざりした人たちと、自国の入場が終わった人たちです。選手入場が完全に終わるころには、席はガラガラになっていましたよ。逆にいい効果もあって、みんなが途中で帰ったので、帰りの地下鉄などは混雑していませんでした。おかげで23時半ごろに終わった式をすべて見ていた人たちは、スムーズに帰宅できたようです」

 初っ端から“冷水”をおびせられたパリ五輪。“暑い夏”にできるかどうか。