[7.25 国際親善試合 G大阪 0-1 ソシエダ パナスタ]

 MF久保建英所属のソシエダは25日、パナソニックスタジアム吹田でガンバ大阪との親善試合を行った。日本滞在60時間足らずの強行日程で再び実現した再来日。結果は両チームのGKの大活躍もあって1-0と控えめなスコアに終わったが、久保は52分間のプレーでスタジアムを沸かせた。

 ソシエダは5月29日の東京ヴェルディ戦以来となる日本ツアー。リバプール移籍の噂でも注目を浴びている久保は4-3-3の右ウイングで先発出場し、これが2024-25シーズン最初の実戦となった。一方のG大阪はFW宇佐美貴史、GK一森純らが欠場したが、DF中谷進之介、DF黒川圭介ら主力選手も複数先発。ルーキーのMF美藤倫もボランチの一角で先発起用された。[スタメン]

 試合は厳しい日程と慣れない高温多湿気候でコンディションに苦しむソシエダに対し、G大阪が勢いを見せた。まずは前半8分、中谷の縦パスを受けたFWイッサム・ジェバリが持ち運び、高い位置で倒されてFKを獲得。これをジェバリが自ら狙ったが、シュートはGKウナイ・マレーロに阻まれた。

 対するソシエダもだんだんと試合に慣れ始め、前半13分には久保がドリブルで黒川を抜き去り、スタンドの大歓声を誘発。またこの日の久保は守備でも奮闘を見せ、同17分に鋭いプレスバックでボールを刈り取ると、ここでもファン・サポーターを沸かせていた。

 ソシエダは前半32分、MFウルコ・ゴンサレス・デ・サラテが中盤で囲まれながらボールを残し、MFパブロ・マリンがミドルシュートを狙うもわずかに枠外。同34分には大歓声の中で久保が左CKを蹴り、ニアサイドでMFブライス・メンデスが飛び込んだが、惜しくも頭には合わなかった。

 G大阪は前半41分、MFダワン、MFファン・アラーノが絡んだ攻撃からジェバリが決定的な左足シュートを放つも、これはGKマレーロが横っ飛びでスーパーセーブ。同45分にはダワンのスルーパスにMF山下諒也が抜け出し、ゴールマウスに流し込むも、オフサイド判定でゴールは認められなかった。

 ソシエダは後半開始時、ほとんどチャンスに絡めなかったFWウマル・サディクに代わってFWシェラルド・ベッカーを投入。またアラベスから新加入のDFハビ・ロペスも下がり、DFジョナタン・ゴメスが起用された。

 後半立ち上がりはソシエダが圧倒し、B・メンデスやベッカーが次々に決定機を作ったが、G大阪のGK石川慧が鬼気迫るスーパーセーブを連発。そうして迎えた後半11分、久保、FWアンデル・バレネチェアがFWジョン・マグナセラヤとMFアルベルト・ダディエと代わって途中交代。久保にはスタンドから大きな拍手が送られた。

 G大阪は後半17分、黒川が左サイドを突破し、フリーで走り込む反対サイドに展開しようと試みたが、クロスはジョナタン・ゴメスに阻まれる。同18分には黒川と山下に代わってDF今野息吹とDF松田陸を投入。今野はこれがG大阪デビュー戦となった。

 そうして迎えた後半19分、ソシエダが先に試合を動かした。CKのこぼれ球を拾ったダディエが右サイドを攻め上がり、手薄になっていた敵陣深くにスルーパスを送ると、これに反応したのはCBのアリツ・エルストンド。ゴール前でFWさながらのシュートフェイントを見せ、相手をかわしてシュートを狙うと、今野に当たったボールが跳ね上がり、ゴールマウスに吸い込まれた。

 ここでソシエダは大幅な選手交代を実施。DFアルバロ・オドリオソラ、MFジョン・アンデル・オラサガスティ、DFジョン・マルティンらすでにラ・リーガで出場機会を得ている選手だけでなく、DFイニャキ・ルベレス、MFジョン・ゴロチャテギといったソシエダB所属の選手も起用した。

 ソシエダは後半39分、MFミケル・ゴティのミドルシュートがクロスバーを叩き、追加点とはならず。だが、同42分にはジェバリに抜け出されるも、GKアイトール・フラガが1対1のシュートをスーパーセーブ。フラガは同43分、MF中村仁郎の左足シュートも驚異の反応で阻み、ソシエダがまたしても日本ツアーを勝利で飾った。

(取材・文 竹内達也)