[7.24 パリ五輪グループB第1節 アルゼンチン 1-2 モロッコ サンテティエンヌ]

 U-23モロッコ代表が大混乱のパリオリンピック男子サッカー初戦を制した。2時間弱に及ぶ試合の中断を経てU-23アルゼンチン代表に2-1で勝利した。

 試合はモロッコが2-1でリードする後半45+16分、アルゼンチンMFクリスティアン・メディナが波状攻撃のこぼれ球を押し込み、劇的な同点ゴールを決めたかと思われた。すると直後に観客がピッチに乱入。アルゼンチンのベンチ付近には発煙筒のようなものが投げ込まれ、安全を確保するためキックオフを待たずに試合は中断となった。その間、すべての観客はスタジアムから退出するよう指示があった。

 長い中断が続くなか、国際映像ではアルゼンチンの同点弾を巡って新たな事実が判明。VARが用いる半自動オフサイドテクノロジーのCG画像により、メディナの前にシュートを打ったDFブルーノ・アミオネのポジションがオフサイドだったと明らかになった。こうした場面では本来、得点直後にVARが介入してゴールを取り消すが、観客の暴動を受けてゴールイン直後に試合が中断したため、判定を修正できない状態になっていた。

 そのため、試合はVARの介入から再開することになった。オフサイドの場合は通常、VARが直接判定を下すVARオンリーレビューで判定修正が行われるが、異例の状況のため主審は直接映像を見てオフサイドだと確認。ゴールインからおよそ1時間56分後、オフサイドのため得点を取り消すという最終判定を下した。

 後半アディショナルタイムの表示はもともと15分だったが、中断前にも観客の乱入による試合の停止があったため、モロッコの2-1リードから試合を再開。再開後は無観客で試合が行われ、4分ほどプレー時間が設けられるもスコアは動かずタイムアップとなり、モロッコが衝撃的な形で白星スタートを飾った。