◆食べる人のことを考えた仕事のやり方を考え直すべし

今回、問題のポテトチップスを持ち込んだ高校生が責められる向きもあるようですが、みんなに楽しんでもらいたかっただけであり、悪意があったわけではありません。また激辛食のリスクについて知識があったわけでもないのです。この高校生を責めるのはお門違いです。彼らはみな、間違いなく被害者なのです。

このポテトチップスを作ったメーカーに対しては、食を提供する者としての責任を感じて、仕事のあり方についても考え直してほしいと思っています。パウダー状の香辛料で辛さを調節できるという言い分はあるでしょう。しかし「18禁」などという訴求方法で、消費者がそれをどう扱うか、想像できたはずです。マーケティング上、激辛というワードで尖らせたかったという事情は理解できます。尖れば尖るほどSNSなどでバズり、他の自社製品の売り上げも伸び、流通上、店舗の商品棚を確保しやすくなるという事情もわかります。しかしそれはメーカー側の事情でしかない。それを口に入れる消費者のことを考えていないのです。当該商品はすぐに販売中止にすべきです。

飲食店でもメーカーでも、食を提供する人たちは自分たちのことばかりでなく、視野を広く持ってほしいと思います。今回のように食べた人を不幸にしてしまうような仕事のやり方はもってのほか。「どうすればお客さまに喜んでもらえるか」を考えた仕事のやり方を、この事故をきっかけにあらためて考え直してほしいのです。

<TEXT/永田ラッパ>

【永田ラッパ】
1993年創業の外食産業専門コンサルタント会社:株式会社ブグラーマネージメント代表取締役。これまで19か国延べ11,000店舗のコンサルタント実績。外食産業YouTube『永田ラッパ〜食事を楽しく幸せに〜』も好評配信中。