田中恒成、世界戦中止の胸中告白「外国人に舐められるのをなくしたい」 謝罪と4団体統一宣言「勝ち続けます」
Amazon プライム・ビデオで生配信
ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)が20日、世界戦興行が行われた東京・両国国技館のリングに登場した。初防衛戦を予定していたが、19日の前日計量で挑戦者の同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)がリミットを2.9キロも上回る55.0キロの大幅な体重超過。国内開催の世界戦では史上初の体重超過による中止になっていた。
田中はQUEENの「I was born to love you」の入場曲が流れる中、リングに登場。客席に拳を突き上げ、歓声を浴びた。マイクを握り「皆さん、こんばんは。田中恒成です。今日、この試合を期待して待っていてくださった皆さんには申し訳ないです。『ごめんなさい』って言うつもりだったけど、温かく迎えてくださってありがとうございます。本当にすみませんでした」と頭を下げた。
会場からは「こうせい!」と何度も名前が響く中、経緯を説明し、昼に会ったというロドリゲスの言葉を紹介した。
「試合がなくなってどうしようかと。気持ち、経緯を僕の口から話そうと思って来ました。相手が55.0キロという2.9キロオーバー。再計量までに汗をかこうとしたんですが、痙攣して動けず、再計量を断念した。体重超過もありますが、体調管理というか、試合ができる状況ではなかったので棄権という申し出。畑中会長も3キロ差で試合させられない。
外国人が日本に来て、なんだかんだ試合ができてします。舐められるのをなくすためにこの試合を中止しました。相手が実際どれだけ苦しんだかわからない。せめて会って話したくて今日の昼に会ってきた。ジョナタンの言葉を皆さんに伝えます。
ジョナタンは『4階級を獲った王者と日本で試合をして、勝つことが夢。でもその舞台に立てず、田中選手、関係者に大変申し訳ない。私は3歳の子どもの父でもある。子ども、みんなにも、自分にも恥ずべき行動とした』と落ち込んでいた。あとは皆さんがどう捉えるか。それは皆さん次第です」
前日計量は全裸で計量台に乗ったロドリゲスが55.0キロ。規定通り2時間の猶予を与えられた。ランニングで減量を試みたが、痙攣で動けない状態に。結局落とし切れず、再計量を放棄した。17日の練習中からたびたび痙攣を起こし、汗を出せず計量失敗。両陣営らで協議した末、挑戦者の健康上の問題から試合中止が決まった。
田中は引き続きWBA&IBF王者フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)、WBC王者ジェシー・ロドリゲス(米国)との王座統一戦の実現を目指す。
「しけた話だけで終わらせたくない。せっかくなので今後の話をしたい。予想は不利なのはわかっている。でもやりたい。そこを目指すし、実現するまで防衛戦に勝ち続けます。どんな形でも、今日この素晴らしい舞台にこうやって立てることに感謝したい。皆さんもいろいろな思いがあるけど、精一杯頑張るので、応援よろしくお願いします」
大きな拍手を浴びると、陣営とともにリングから自身のグッズを投げ込んでプレゼントした。
この日のメインイベントでは、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が指名挑戦者の同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)と初防衛戦を行う。セミファイナルの120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦では、WBA世界バンタム級7位・那須川天心(帝拳)が同級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)と対戦する。
(THE ANSWER編集部)