男性の肛門付近から突き刺さった鉄の棒。その長さは60センチを超えていた(『O GLOBO 「Curitibano cai de andaime e escapa da morte por pouco após barra de ferro de um metro atravessar seu corpo」(Foto: Reprodução)』より)

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ブラジルの建設現場で働いていた男性は、高さ5メートルの足場から転落し、鉄の棒が肛門付近から胸部まで縦に突き刺さりながらも生き抜いた。男性のケースは今月、ネット医療ジャーナル『International Journal of Surgery Case Reports』に公開されて話題となっている。英ニュースメディア『The Mirror』などが伝えた。

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とにかく幸運だった―そんな声が聞こえてきそうな男性(57、名前は明かされず)のニュースが、ブラジルから報告された。

男性は建設現場で作業中、高さ5メートルの足場から転落。長さ60センチを超える鉄の棒が肛門付近から突き刺さり、同国南部クリチバの総合病院「トラバリャドール」に緊急搬送された。

このたび公開されたCTスキャンの画像を見ると、鉄の棒が陰部と肛門の間(会陰)から突き刺さり、肝臓と横隔膜の一部を貫通しているのが分かる。

男性が幸運だったのは、鉄の棒が心臓をわずかに外れたことであり、病院到着時には心拍数、血圧、血中酸素濃度の全てが安定していたという。

医師は損傷の状態を調べるために開腹術と開胸術を行ったそうで、難しい手術ながらも無事に鉄の棒を取り除くことに成功。男性は手術後、集中治療室で監視下に置かれながら輸血を受け、2日後には歩くことや食事をとることも可能になった。さらに手術から3日後には一般病棟に移るほど驚異の回復ぶりを見せ、事故から12日後には退院した。

なお会陰から物が刺さった場合は通常、手術がタイミングよく行われたとしても、入院患者の4分の1は死亡し、80%は膿瘍や敗血症といった合併症に苦しむそうだ。そのため医師は、男性患者について「鉄の棒が会陰、腹腔、胸腔を突き刺した手術は非常に難しく、合併症を起こす確率や死亡率が高い。このケースは非常に稀である」と驚愕し、手術の成功を喜んだ。

ちなみにこの男性と似たケースは今年3月にインドでも起きており、清掃作業中の男性が3メートルの高さから落下し、鉄の棒が心臓と肺に突き刺さった。ただ心臓は動いていたそうで、医師が4時間をかけて鉄の棒を除去したところ、驚きの回復力を見せたという。

画像は『O GLOBO 「Curitibano cai de andaime e escapa da morte por pouco após barra de ferro de um metro atravessar seu corpo」(Foto: Reprodução)』『The Mirror 「Man impaled by huge iron rod puncturing entire torso after falling from scaffold」(Image: Jam Press)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)