新作で再び“性描写”に挑んだ奈緒

 9月27日、藤ヶ谷太輔奈緒がW主演を務める映画『傲慢と善良』(アスミック・エース)が公開される。同作は、2019年に発売された辻村美月氏による同名小説の実写化だ。

「辻村さんは2012年に『鍵のない夢をみる』で直木賞を受賞。2018年には『かがみの孤城』で本屋大賞に輝いた売れっ子作家です。『傲慢と善良』は2022年9月に文庫化されると、紀伊國屋書店などを含めた6チェーン店で1年間の文庫ジャンルの売上“1位”になるヒットを果たした話題作。さらに、映画化されることで発行部数は伸びており、今月にはついに累計100万部を超えました」(エンタメ誌ライター)

 同作のストーリーは、マッチングアプリを通して出会った30代の男女を描いた恋愛ミステリー。藤ヶ谷演じる架(かける)は仕事も恋愛も順調だが、交際1年を過ぎても結婚に踏み切れない“傲慢”な男。

 一方、奈緒演じる真実(まみ)は控えめな性格で、親が敷いたレールの上で“善良”に生活している。そんなふたりは婚約するものの、ある日突然真実が行方をくらましてしまうのだ。真実を探す架は、彼女の“過去”と“嘘”に向き合っていくーー。

奈緒さんといえば、7月5日公開『先生の白い嘘』で監督を務めた三木康一郎氏のインタビュー記事が大炎上しました。奈緒さんの『インティマシー・コーディネーターを入れて欲しい』という要望に対し、三木監督は『すごく考えた末に、入れない方法論を考えました。間に人を入れたくなかったんです』と断わったそうで、猛批判を浴びました。

 たしかに『先生の白い嘘』は、“性暴力”が題材となっているだけに、かなりセンシティブで過激な性描写が多いのです。特に、男性に無理やり性行為を求められるシーンや、血だらけになるまで殴られる場面は衝撃的です。俳優の精神的負担も大きいことが考えられ、『主演俳優が可哀想だ』と批判が殺到する事態へと発展しました」(芸能記者)

“インティマシー・コーディネーター騒動”から約3カ月後ーー。じつは、9月に公開される本作にも、危惧されるシーンがあるという。試写会を見た関係者が語る。

「じつは本作にも“初体験”の描写で、奈緒さんのベッドシーンがあるんですよ。もちろん『先生の白い嘘』に比べると濃厚なシーンではありませんが、まさか主演映画で立て続けに性描写があるとは、と驚く関係者が多いです。女優として、必要であればそういったシーンにも挑戦するという奈緒さんの情熱はわかりますが、逆に言えば奈緒さんが『インティマシー・コーディネーターを入れてほしい』と要望した気持ちがよくわかるような気がします。演者への心のケアがおろそかにされがちな日本の映画業界において、タフな作品に出続けるのは、本当に大変でしょう。みんな奈緒さんのメンタルを心配しています」(前出・芸能記者)

 出演者にとって“善良”な映画製作がなされたことを願うばかりだ。