【試乗】グッドイヤーの新世代オフロードタイヤ「ラングラー デュラトラック RT」登場! 実用域から非日常域まで体験
ワイルドな顔つきながら、オンとオフを追求し幅広い性能を持った「ラングラー デュラトラック RT」
グッドイヤーから2024年3月にプレミアム4×4オフロードタイヤ「WRANGLER DURATRAC RT(ラングラー デュラトラック RT)」が登場しました。グッドイヤーが展開する「ラングラー」というタイヤブランドは、見た目のゴツかっこいいルックスと走破性の良さが相まって、世界中のオフローダーから高い支持を集めているロングセラー商品です。
今回ご紹介するラングラー デュラトラック RTは、トレッドパターンやサイドウォールはワイルドな顔つきでありながら、オンとオフを追求し幅広い性能を持ったタイヤで、グッドイヤーはこのタイヤを「ラギッドテレーンタイヤ」と称しています。
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「ラギッド」とは「頑丈な」「ごつごつした」「起伏に富んだ」という意味。その名の通り凸凹の荒れた道でパフォーマンスを発揮することを目的とするタイヤで、オフロードに強い「マッドテレーンタイヤ」と全地形型の「オールテレーンタイヤ」のそれぞれ良いところを採用したタイヤです。
タイヤパターンの外側と内側のショルダー部分はマッドテレーン構造、そしてセンター部分はオールテレーン構造という、双方の特性を生かし、そのバランスを高めたタイヤというわけです。
今回はトヨタ「ランドクルーザープラド(150系)」に装着し、一般道、高速道路、そしてオフロードコースを走り、実用域から非日常域まで体験してみることにしました。
ドライバーにとってストレスフリー! オンロードでも高い静粛性と操縦安定性、乗り心地
まず都心の一般道では、意外にも静かな印象を受けます。基本的にはきれいな舗装路の都心ですが、車内へ響くロードノイズがこの手のタイヤとしてはかなり抑えられていることに感心しました。
そもそもオフロードタイヤはアクティブなフィールドをメインとして開発されたタイヤです。そのゴツいブロックパターンと深い溝により、ロードノイズが共鳴しやすい構造と言われていますが、装着前に履いていた比較的コンフォート寄りな国産ブランドのオフロード系AT(オールテレーン)タイヤと比較しても、「ゴオー」とか「ボォー」といったタイヤハウスへの集音は、それとほぼ同等な印象です。
高速道路でもその印象は変わりません。速度が上がるとロードノイズは大きくなりますが、後席との会話もストレスと感じることはありません。高級セダンや、ミニバンなどに装着する静粛性がウリのタイヤと比較すれば、もちろんその違いは歴然どころの騒ぎではありませんが、ラギッドテレーンタイヤの静粛性としては、かなり優秀なレベルにまで仕上げられていると感じました。
オンロードでの操縦安定性についても、予想以上に高いパフォーマンスを披露してくれます。
正直申し上げると、オンロード性能に関してはタイヤがタイヤなだけに期待はしていませんでしたが、しばらく走行してふと気付くと、ハンドルの細かな微修正をあまり行っていないことに気付きます。安定感は申し分ないと言えるでしょう。
本線合流や追い越し時の加速した時のトラクション性能に至っては、さすがとうなずけるレベル。4輪が路面をがっちりつかんで、地面を蹴るさまが想像できるほどです。
唯一気になったのは、R(曲率)のキツいコーナーなどでは、タイヤのたわみ方がもう少し柔らかい方が、突っ張り感がなく滑らかな印象になるかな、と感じた点くらいです。これに関しては正直個人の好みによるところが大きいかなと感じました。
乗り心地に関しても、大きなブロックパターンによる座面へ伝わる小刻みな振動というのは依然として感じられますが、いなし方は全体的にマイルドな感触で、それがしっかりと乗り心地へと良い影響を与えている印象です。
オンロード走行で感じたのは、総じてドライバーがストレスフリーに近い感覚でい続けられたということです。日本は実に82%以上が舗装道路のため、当然のことながらタイヤは、一生をアスファルト路で過ごすことをメインに開発されます。
今回のタイヤは、最大パフォーマンスを発揮する領域がオフロードですが、タイヤとしての基本的な役割はやはりオンロードの快適性を高めることをおろそかにする訳にはいかないため、オンロードでドライバーに与えるストレスは極めて少ない方が理想なわけです。その点、ラングラー デュラトラック RTはラギッドテレーンタイヤとして優秀な印象を受けます。
オフロードでの印象がピカイチ!
さて、次はダートコースです。
実は筆者(くるまのニュース編集部員)はこのタイヤを2023年に、グッドイヤー誕生125周年を記念したマレーシアでのグローバルイベントでローンチ前のクローズド試走をしていたのですが、その時のオフロードでの印象がとにかくピカイチでした。
東南アジア特有のぬかるんだ赤土の特設オフロードコースは、なかなか日本では体験できないワイルドなコース設計で、アマゾンやアフリカの密林地帯をリアルに再現したようなシチュエーションが広がります。乗り慣れている人でも慎重にコースを確認しながら進むほどです。
車体の下半分がつかるほどの池や、ハードな岩山、そして高速周回路のようなバンクくらいあるであろう土の傾斜路など、とにかく全てがダイナミック。車両ごと転げ落ちるのも覚悟の上という、必死な状況での試走体験でしたが、それを難なくクリアするのが、このラングラー デュラトラック RTのグリップ力です。
グリップ力とトラクション性能が高く瞬時に的確な運転操作の判断ができる
今回試走したダートコースは、茨城県にあるザ・ヒロサワ・シティに併設された下館オフロードコース。ちょうど梅雨の時期ということもあり、至る所に水たまりが発生している状況です。
早速トヨタ「ランドクルーザープラド(150系)」を進めると、やはりマレーシアの時と同じ印象です。とにかくグリップ力とトラクション性能がすこぶる良いということ。モーグルのような箇所でも、タイヤが空転することなく、難なく脱出できます。トランスファースイッチは、ノーマルのH4F(センターデフフリー)です。
また、タイヤそのものが硬い特性があるために、地形の状況を感じとりやすいということもこのタイヤの利点と言えると思います。ハンドルを切るか否か、アクセルを踏めるか否かなどの的確な判断が瞬時にしやすいという点は非常に頼れる存在だと感じます。
アメリカをはじめ、グローバルでもその高い評価からロングセラーとなっているグッドイヤーのラングラーブランド。新世代のプレミアム4×4オフロードタイヤとして、オフロードとオンロードどちらも走る人におすすめのタイヤとグッドイヤーは位置付けています。