狭い道での「すれ違い」どちらが優先? 「もうちょい寄せて!」 お互い不安状態に… 接触はどちらが悪い? 寄せるコツは?
狭い道でのすれ違い…嫌ですね。
クルマで住宅地や山間部などを走っていると、とても狭い道において対向車とすれ違わなければいけない状況に直面することがあります。
では、このような場合どちらのクルマが優先なのでしょうか。
【画像】「えっ…!」こんな狭いのにクルマ通れる? これがヤバすぎ道路です(17枚)
クルマの運転をしていると、道路の形状が複雑だったり道路標識が分かりにくかったりして運転の判断に迷うケースがあります。
特に住宅地や山道などにある非常に狭い道路においては、どのようにして対向車とすれ違えば良いか焦ってしまう場面もあるでしょう。
SNS上においても複数のドライバーから「狭い道でのすれ違いが苦手」「車両感覚が分からない」などの声が寄せられており、苦手意識を持っている人は決して少なくありません。
加えて、「すれ違いでサイドミラーが当たった」「対向車が寄ってきたので避けたらフェンダーを擦った」など、交通事故の報告も聞かれました。
ドライバーの中には我先にといわんばかりに進行してくる人もいますが、狭い道ですれ違う場合、どちらが優先なのでしょうか。
また、すれ違いをする際にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
結論から言うと、狭い道でのすれ違いに関して交通ルールで明確な基準は定められておらず、ドライバー自身の判断で通行しなければいけません。
ただし、ドライバーや歩行者が守るべき交通ルール・マナーを示した「交通の方法に関する教則」には、狭い道でのすれ違い(行き違い)や譲り合いなどについて次のように明記しています。
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《第5章 自動車の運転の方法 第6節 追越しなど 5 行き違い》
(1) 対向車と行き違うときは、安全な間隔を保つようにしましょう。
(2) 進路の前方に障害物があるときは、あらかじめ一時停止か減速をして、反対方向からの車に道を譲りましょう。
《第6章 危険な場所などでの運転 第2節 坂道・カーブ 1 坂道・山道》
(6) 坂道では、上り坂での発進がむずかしいため、下りの車が、上りの車に道を譲りましょう。しかし、近くに待避所があるときは、上りの車でも、その待避所に入って待ちましょう。
(8) 片側が転落のおそれのあるがけになっている道路で、安全な行き違いができないときは、がけ側の車は一時停止をして道を譲りましょう。
(9) 山道では、路肩が崩れやすくなっていることがあります。このような場合の行き違いでは、路肩に寄り過ぎないよう注意しましょう。
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上記(2)のように自分が進行する方向に工事現場やバス・駐車車両などがあれば、対向車を先に通行させることが大切です。
それらの障害物を避けて無理に通行しようとすると対向車と正面衝突したり、対向車とお見合い状態になって交通渋滞を引き起こしたりするおそれがあります。
さらに上記(6)にあるように、坂道では基本的に上りのクルマを優先するのがマナーです。
これは上り坂でクルマが停車してしまうと、再度発進する際に重力で後退してしまい、後続車に危険がおよぶ可能性があるためです。
山道などではカーブミラーで対向車が来ていないかを確認しつつ、待避所があればそこで対向車を待つなど、運転のゆとりが必要といえるでしょう。
そして(8)では、クルマの片側が崖になっている道路においては崖側にいるクルマが運転を誤って転落しないよう一時停止し、対向車(道路の内側のクルマ)に道を譲ることがマナーとして明記されています。
また山道での行き違いの際は、(9)のように道路がもろくなっている場所があるため、クルマを道路端に寄せすぎないこと、路面状態をよく確認することなどに留意しましょう。
もし、すれ違い際に「接触」 どちらが悪くなる?
なお、もし狭い道で対向車とすれ違う際に接触事故を起こした場合、基本的な事故の過失割合は50:50といわれています。
しかし片方のクルマが停止していた、路肩に寄っていたなどの事情があれば、それらの行動をとっていたほうの過失割合が0になる、もしくは低くなります。
運転中は周りの環境をよく見て、自分の通行する側に障害物があれば停止する、広い場所があれば待機する。
または、道を譲ってもらった場合には会釈やハンドサインでお礼をするなど、お互いに気持ちの良い運転を心がけましょう。
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狭い道におけるすれ違いの苦手意識を克服するためには、車両感覚をつかむ練習が効果的です。
JAFのウェブサイトでは駐車場の白線上に左側のタイヤを乗せ、運転席から白線の見え方を確認して助手席側(左側)の車両感覚をつかむ方法を紹介しています。
駐車場や広い敷地などで試してみると良いかもしれません。