トヨタ・スバルが新型「スポーツカー」初公開! 見た目変わらず“中身”がめちゃ進化!? 新型「GR86/BRZ」がスゴい!
新型「GR86/BRZ」何が変わった?
TOYOTA GAZOO Racing(以下、GR)とスバルは2024年7月14日、改良を受けた「GR86」と「BRZ」の実車を、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された「FUJI 86/BRZ STYLE 2024」で初公開しました。
GR86およびBRZはトヨタとスバルが共同開発したFRスポーツカーで、初代モデルは2012年に登場。現行モデルは2021年にフルモデルチェンジした2代目です。
両車は毎年アップデートがおこなわれ、これまでにもさまざまな部分が進化してきましたが、2024年7月12日に発表された「D型」ではモータースポーツからの知見がフィードバックされ、走行性能が強化されました。
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改良モデルのGR86とBRZは外観の変更はおこなわれていないものの、中身が大きく進化したといいます。
GR86の主な改良は4点。アブソーバー減衰特性とEPS(エレクトリックパワーステアリング)特性の改良、MT車においてはエンジントルク制御を変更、AT車ではダウンシフト操作時におけるエンジン回転数の許容領域を拡大しています。
BRZも4点の改良が実施され、アブソーバー減衰特性とEPSの特性変更、AT車のエンジン回転数の許容領域拡大はGR86と同じですが、こちらはMT車に「スポーツモード」が設定されました。
FUJI 86/BRZ STYLE 2024では両車の開発者責任が登壇。GR86およびBRZの魅力を語っています。
MT車にスポーツモードが設定されたBRZは、全回転域でアクセル操作に対してエンジンが忠実に反応するスロットルセッティングとすることで、アクセルコントロール性が向上しました。
スバルの商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー 小林正明氏は「センターコンソールにスポーツモードスイッチを設けており、オンにすることで今までよりもアクセルの操作に対するレスポンスをリニアに反応するような制御に変更しました」とコメント。
スーパー耐久で得られた知見を活かし、よりスポーティなチューニングが可能になったといいます。
その一方、GR86にはスポーツモードは設定されないのですが、この違いについて、トヨタのGR車両開発部 主管 藤原裕也氏は次のように言います。
「BRZにスポーツモードのスイッチを付ける聞いた時、GR86でも付けるかどうかを検討しました。
我々はGRですので、常に臨戦態勢、常にスポーツモードということで、GR86にスポーツモードは不要だという判断をさせていただきました」
GR86はモータースポーツの場で鍛えてきたクルマということもあり、常にスポーツモードで乗ってほしいという想いから「スイッチ無し」を選択したといいます。
シャシやエンジンを共有しながらも、GR86は「やんちゃな走り」、新型BRZは「マイルドで大人の走り」というように、異なる味付けが施されていたのですが、改良後のBRZはスポーツモードへと切り替えることでGR86に近づいたかのようなスポーティな走りを実現。そしてGR86はもっと元気な走りを楽しめるような変更が施されているようです。
小林氏(スバル)は、「モータースポーツからフィードバックは、トヨタさんはこれまでもやっていたんですけど、スバルもぜひ取り入れたいと思っていました。今回うまく織り込めたと思っており、みなさんに新しいBRZを楽しんでいただけると思います」
これに対して藤原氏(GR)は次のようにコメント。
「GRはもともと『モータースポーツ起点のもっといいくるまづくり』ということで、モータースポーツで鍛えたアイテムを一般のお客様に届けるということをやってきたのですが、BRZもモータースポーツ起点ということで、『おっ! やったな!』と正直悔しいと思ったことは確かです」
トヨタとスバルが参戦するスーパー耐久で得られた知見を取り入れることで、GR86とBRZはそれぞれが持つ特徴を伸ばしつつ、さらにレベルアップしたスポーツカーへと進化しているようです。
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GR86においては、200台限定の特別仕様車「リッジグリーンリミテッド」の実車も初公開されました。
「RZ」グレードをベースとした同特別仕様車は、新色の「リッジグリーン」のボディカラーに、ブロンズホイールやブレンボ製ブレーキとザックス製のZFダンパーを装着。
内装はタンカラーを取り入れたシートやステッチのほか、ドアトリムに「Ridge Green Limited」の刺繍が施されるなど、大人っぽいデザインが採用されました。