旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。さて、今回のテーマとなる食材は? ■旨みの塊 正解:こんぶ 難易度:★★☆☆☆…

旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?

■旨みの塊

正解:こんぶ

難易度:★★☆☆☆

干せば干すほど旨みが凝縮

こんぶの旬は7〜9月。採取された後、時間をかけて干すことにより旨み成分が凝縮されます。

日本でとれる天然こんぶの95%以上が北海道産です。ほかに、青森県、岩手県、宮城県の三陸海岸沿いなどでも採取されます。

養殖ものも増えていますが、天然ものは養殖ものにはない旨みがあり、高値で取り引きされています。

なかでも、真昆布、羅臼昆布、利尻昆布は三大高級昆布と称されています。

こんぶは、縄文時代の末期には食用とされていたといわれています。しかし、一気に食材として普及したのは、そのずっと後の北前船(きたまえぶね)が活躍した江戸時代です。

北前船とは北陸など日本海側の人々が保有する船で、大阪からさまざまな日用物資を仕入れ、各地に寄港して商品を売りさばき、最終的に北海道でこんぶをはじめとした海産物を仕入れ、再び大阪に戻ってそれらを売りさばいて莫大な利益を得ていました。

関西に、こんぶをベースにした出汁の文化が誕生し、大阪が「天下の台所」として名を馳せたのも北前船のおかげでといえるでしょう。

こんぶの種類はさまざまですが、出汁に向いているのは、真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布の4種類です。

また、煮あがりが早く、昆布巻、佃煮などの料理に適した「食べるこんぶ」もあります。こちらは、出汁こんぶよりも繊維質が少なめで柔らかです。ちなみに、日高昆布は、食べるこんぶとしても流通しています。

とろろ昆布、おぼろ昆布などに使用されるこんぶは、ガゴメこんぶという粘りが強い品種です。

美味しいこんぶの見分け方

厚みがあって幅広、色が黒く、ムラのないものが良質です。

表面に白い粉がついていることがありますが、これは旨み成分です。そのため、洗い落とさずに、水に濡らして硬く絞ったキッチンペーパーまたはふきんなどで表面を拭く程度にしましょう。

素人にはこんぶの質を見極めることは難しいといわれています。そのため、こんぶのパッケージに標示される等級をチェックするのも、良質なこんぶ選びには有効です。

パッケージには、5段階の等級が表示されています。一般的に、等級が表示されていないものは、4等級以下のものが多いようです。

【今月の旬食材は?】いま1年で最も旨い食材

こんぶの注目栄養素

こんぶには、あげだしたらキリがないほどさまざまな健康効果の高い栄養素が含まれています。

なかでも、ねばねば成分である「アルギン酸」や「フコイダン」といった海藻特有の水溶性食物繊維は注目したい成分です。

アルギン酸は、腸内環境を整えるほかに、糖質や脂質の吸収を抑えたり、コレステロール値の上昇を抑えて動脈硬化を予防するなどの健康効果が期待される成分です。

フコダインは、抗アレルギー作用、免疫向上作用が期待できる成分です。

こんぶの栄養を余すことなくとるなら、やはり食べるこんぶがおすすめです。

ただし、出汁をとった後のこんぶにも水に溶けずに残った栄養素が含まれているので捨てるのはもったいない! ボソボソしてそのまま食べるのはイマイチですが、佃煮にしたり、細切りにして漬物に入れたりすると美味しくただけます。

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