JAXAの先進レーダ衛星「だいち4号」アンテナ展開等を完了しクリティカル運用期間終了
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年7月3日、「H3」ロケット3号機で打ち上げられた先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」の太陽電池パドルとアンテナの展開などが完了し、打ち上げ後の初期段階であるクリティカル運用期間(衛星を運用する上で必須の状態に移行するまでの期間)を終了すると発表しました。【最終更新:2024年7月3日10時台】
「だいち4号」は2014年5月に打ち上げられた陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」の後継機として開発されたJAXAの地球観測衛星で、「だいち2号」から能力が向上したLバンド合成開口レーダー(SAR)「PALSAR-3」、船舶自動識別装置(AIS)の信号を受信して船舶情報を取得する船舶自動識別信号受信器「SPAISE3」、静止軌道上の衛星と光衛星間通信を行うための低軌道衛星用光ターミナル「OLLCT」が搭載されています。
2024年7月1日12時6分(日本時間・以下同様)に種子島宇宙センターから「H3」ロケット3号機で打ち上げられた「だいち4号」は、軌道へ投入されて間もなくJAXA追跡ネットワークの海外拠点で信号の受信に成功し、同日12時59分には太陽電池パドルの展開と衛星の太陽捕捉制御が正常に行われたことが確認されていました。
JAXAによると、翌日の2024年7月2日2時4分にはPALSAR-3のアンテナを衛星本体から解放するパッケージ展開が正常に行われたこと、同日12時22分と22時7分には分割して折りたたまれていたPALSAR-3のアンテナの第一翼および第二翼の展開が正常に行われたことが、それぞれ確認されました。また、7月3日2時7分にはSPAISE3のアンテナが正常に展開されたことも確認され、一連のアンテナ展開作業は完了。「だいち4号」を軌道上で安定して維持できる状態であることが確認されたことから、クリティカル運用期間を終了することとなりました。
今後の「だいち4号」は初期機能確認運用期間に移行し、3か月ほどの間に衛星全体や搭載機器の機能確認を実施する予定だということです。
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JAXA - 先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)クリティカル運用期間の終了JAXA 第一宇宙技術部門 - サテライトナビゲーター
文・編集/sorae編集部