ルチアーノ・スパレッティ監督【写真:ロイター】

写真拡大

アッレグリ氏の就任を望む声も

 欧州選手権(EURO)は現地時間6月29日に決勝トーナメントがスタート。

 前回王者イタリアはスイスと1回戦で対戦するも良いところなく0-2で敗れ大会を去った。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、すでにルチアーノ・スパレッティ監督の解任が急浮上していると報じている。

 大会のスタートからピリッとしない前回王者はグループリーグ最終戦のクロアチア戦、ラストプレーの同点ゴールで決勝トーナメント行きを確保した。その結果として強豪国と別ブロックに入ったことを好意的に捉えるような地元メディアの報道もあった。

 しかし、ここまでの3試合で好プレーを見せていたDFリッカルド・カラフィオーリを累積警告による出場停止で欠いたイタリアはあっさりと先制を許す。前半37分、スイスが左サイドでボールをキープした場面で2列目から勢いよくゴール前に入ってきたMFレモ・フロイラーを誰も見ていなかったイタリアは、簡単に先制ゴールを許した。

 さらの後半開始から1分と経たない時間帯にスイスが右サイドでボールを動かす場面でイタリアは緩慢な対応を見せ、ペナルティーエリア内に入られるとFWルベン・バルガスに左45度付近から右足シュートを決められた。90分間を通して枠内シュート1本のイタリアは淡白に敗れ去った。

 前回優勝に導いたロベルト・マンチーニ監督が、昨年8月に高額年俸を提示したサウジアラビア代表監督へと転身する非常事態にスパレッティ監督を就任させたが、本大会での采配の評価も低く批判が高まっている。同様に2025年3月までに行う必要がある会長選挙の情勢でイタリア・サッカー連盟会長の座が危ういとされるガブリエレ・グラヴィナ会長と2人のトップが危険な状況にあるとした。

 グラヴィナ会長は敗戦を受けて予定されている記者会見でスパレッティ監督の将来、そして自身の去就に関するコメントを求められると見込まれる。記事では、スパレッティ監督の年俸は300万ユーロ(約5億1000万円)とされ、北中米共催ワールドカップ(W杯)までを想定した契約を2年残す。

 また、記事では昨季限りでイタリア・セリエAの名門ユベントスの監督を解任されたマッシミリアーノ・アッレグリ氏のイタリア代表監督就任を望む声も上がっているとしている。前回大会を制したような躍動感も、伝統の手堅さもどちらも感じさせなかった低調なイタリア代表は、EUROを終えW杯までの2年サイクルを別の指揮官に任せることになるのだろうか。(FOOTBALL ZONE編集部)