Photo: Kyle Barr / Gizmodo

Appleの空間コンピューター(VRヘッドセット)Vision Pro。

日本での発売も決定し、国内ではいよいよこれから…というムードなのでしょうか。先行販売されたアメリカではすでに注目は去りつつあるのかもしれません。その理由の1つがあまりに高額すぎること。

以前から、Vision Proの安価モデルが開発中だと噂されています。では、安価モデル実現のために必要なことはなんでしょうか。

スペックダウンは必至

Apple事情通で知られるマーク・ガーマン氏によれば、Vision Proの安価モデルの価格は1,500ドルから2,000ドル。単純計算で日本円で24万円から30万円程度となります。初代Vision Proの半額となれば、確かに「安価モデル」ではあります。

安価モデルにするには、端末そのもののスペックダウンが必要になります。スマーとフォンでも、例えばカメラだけはキープしてチップを去年のものにするとか、容量やメモリのオプションなしとか、一部スペックを下げたバジェットモデルはよくあることです。

このスペックダウンをVision Proでもやるとどうなるのでしょう。

“アレ”を削除

スペックダウンで最初に白羽の矢が立つのがEyeSight。ヘッドセットの外側のディスプレイです。

Image: Apple

主な用途は、ヘッドセットを装着中でも周辺にいる人がユーザーの顔(目)を見ることができるようディスプレイ表示で再現するという仕様。あの外側ディスプレイをなくせば、ハードの価格ダウンはもちろん、わかりやすい見た目の差別化もできます。

…そもそもいらなかった説。正直、そんな声も聞こえてきそうなEyeSight仕様。

アレ、現状ほぼ使わないと思うのです。ユニークではあるものの、あれめっちゃ使ってる! 助かってる! という人、ゼロに近いのでは?

まだまだVision Proでできること自体が少なく、ティム・クックCEOですら、自身の使い方はエンタメが主だと発言していました。仕事で1日中つけっぱなしという状態ではないので、話しかけられたときの「目」でコスト高になるならいっそなくいい。

むしろ、初代Vision Proも初めから外部ディスプレイなしで価格が多少抑えられていたら、売れ行きも変わったのではと思わずにはいられません。

Vision ProがVision Proである機能も割愛?

安価モデルのVision Proコードネーム「N107」。EyeSight非搭載の可能性は支援したくなるものの、チップも性能ダウンという話があります。初代に搭載されているM2&R1チップですら、能力マックス使っているというのに。また、パススルー機能や視野にも制限がでる可能性も。

安価モデルではライバルであるMeta Quest 3と競いたいのでしょうが、噂の通りだと他社との差別化は難しくなります。つまり、Apple Vision ProがVision Proである個性がなくなるということに。

iPhoneを利用する別案

ガーマン氏曰く、さらなる別案も浮上しているとのこと。それは…、外部端末とセットで使うタイプ。

お手持ちのiPhoneやMacと一緒に使う可能性もあるとかなんとか。例えば、XREAL Beam Proのような端末でしょうか。こうなってくると、もう安価モデルと呼ぶのは乱暴で、別製品にして欲しいレベル。

Vision Pro第2世代は2026年

ガーマン氏によれば、Apple Vision Proの新モデル(コードネームN109)が登場するのは、2026年。

それまでに、安価モデルで市場を拡大しておきたいのでしょうが、果たして…。少々、迷走しているように感じてしまいます。