「歴史の1ページに刻んでいただけるような作品に」 松倉海斗&川島如恵留W主演+青柳翔の音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』が開幕

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Travis Japanの松倉海斗と川島如恵留がW主演する音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』が2024年6月24日(月)から日本青年館ホールほかで開幕する。開幕を控えた23日(日)、松倉海斗、川島如恵留、青柳翔が取材に応じ、初日を前にした心境を語った。

松倉海斗(以下、松倉):キット役の松倉海斗です。正直、めちゃくちゃ緊張しております!このカメラの台数とマイクの本数、そしてこういう記者会見のときにあんまり真ん中に立つことがないので……今日はよろしくお願いします!

川島如恵留(以下、川島):マーク役を務めさせていただきます、Travis Japanの川島如恵留です。よろしくお願いします。とっても格好いいポスターです!とっても格好いい舞台です!本物はもっと格好いいと思ってもらえるように頑張ります。よろしくお願いします!

青柳翔(以下、青柳):本日はお集まりいただきありがとうございます。映画に恥じぬよう、本番終わりまで完走したいと思います。よろしくお願いします。

ーーいよいよ明日、初日を迎えます。今のお気持ちを聞かせていただけますか?

松倉:正直言うと、めちゃくちゃドキドキしてます。事務所の舞台以外の公演に出るのがほぼほぼ初めてで、なおかつ、如恵留とW主演。アクションだったり、音楽劇ということで歌だったり、いろんなお芝居だったりとか、本当に新鮮なことだらけで、本番どうなるかなというドキドキと、ワクワクもある感じです。

川島:緊張はもちろんしているんですけども、どちらかというと僕はすごく楽しみですね。すごく楽しいシーンから、心苦しいシーンまで、たくさん波があるので、その中で自分がマークとしてどのように生きるのか。稽古場ではスタッフのみなさまや共演者のみなさまの顔を見ながらの稽古だったんですけども、ようやくお客様の顔を拝見しながら、一緒に楽しめることに、今からとてもワクワクしています。

青柳:多分僕が1番緊張しているんじゃないかというぐらい緊張しているんですけど……。

松倉・川島:もう汗かいていますよ(笑)。

青柳:すぐ顔に出るので(笑)。本当に緊張してるんですけど、稽古期間もありましたし、あっという間でしたけど、全公演頑張っていけたらなと思っております。

映画ではレスリー・チャンが演じた弟・キット役を松倉、兄・ホー役を青柳が演じる。兄への反発から正義感を燃やす青年の繊細さと情熱を松倉が表現する。同じくチョウ・ユンファが演じ、二丁拳銃を手に敵地に乗り込む姿をはじめ一挙手一投足が注目された兄の親友・マーク役は川島が担い、スタイリッシュな振る舞いの中にも熱い情を抱く男を体現する。

ーー松倉さん、川島さんと青柳さんは初共演だそうですが、お互いの印象について教えてください。

青柳:年代は違うんですけど、2人とも俺より精神年齢が高くて、しっかりしていて、もう本当にごめんねって感じ(笑)。

川島:翔さんは本当に優しくて。普段は翔さんと呼ばずに、アニキと呼んでいます。僕のアニキ的な存在でもあって、(松倉演じる)キットからするとお兄さんという存在だから。「アニキ、汗かいてるよ」みたいな感じで普段から接していて、1番近いところにいる頼れるアニキ。そしてちょっと可愛いところもあるお兄ちゃんという感じですね。

松倉:如恵留が言った通り、本当に優しいお兄ちゃんという感じです。稽古中にキャストのみなさんとご飯に行く機会があったんですけど、その時に兄ちゃんが「ちょっと俺、弟の分出すわ」と言って、お会計していただいたんです!

青柳:領収書切ったので(笑)

松倉:大人です(笑)。優しくて、温もりのある方だなという印象です。

ーー松倉さんと川島さんは舞台で共演されて、互いの新たな一面みたいなものはありましたか?

川島:ありますよ。こいつ、格好いいんですよ。稽古場ではこの天真爛漫の笑顔で、キャストのみなさん、スタッフのみなさんを笑いに包んでくれるような存在だったので、すごく心強かったですし、とにかくアクションもそうですけども、歌もお芝居もピカイチ。本当に、同じ(Travis Japanの)メンバーじゃなかったら嫉妬していたなと思うぐらい、本当に頼れる存在ですね。

松倉:いや、もうそのまま返しますという感じなんですけど。僕から見ても如恵留の歌、お芝居、 アクションとかも素晴らしいですし、何より今回改めて発見したのが、めちゃくちゃ器用で順応性が高いなと稽古をやっている中で感じて。それこそ鄭さんから「こうしてほしい」と言われたら、 結構すぐ順応できるタイプなんだなって。

ーー今回はオリジナル脚本ということで、映画とは違う音楽劇ならではの魅力があったら教えていただけますか。

松倉:音楽劇で舞台でとなると、想像つかない部分も最初はあったんですけど、実際に稽古に入って、「あ、音楽劇って素晴らしいな」とめちゃくちゃ感じました。音楽に感情を乗せるから、キットとしての感情が届きやすいだとか、そういうことを感じましたね。

川島:映画作品だとだいたい120分で1つのストーリーが完結するので、その中で波がたくさんあると思うんですけども、舞台となると、例えば2幕構成の場合、間に休憩を挟んだりするじゃないですか。そのときのお客様の気持ちーー今どういう風になっているんだろう?それだったら2幕の頭はこういうシーンになった方がいいんじゃないか?などと、色々考えられて作り込まれているところが鄭さんの作品のすごいとこなのかなと僕は感じております。

お芝居ももちろんそうですけども、歌やアクションが色々なところに散りばめられて、どこか1箇所でドカン!だけじゃなくて、それがたくさんあるからこそ、その世界観に20分間の休憩を挟んでもずっとのめり込むことができる。その脚本の作り方がすごく勉強になりましたし、みなさまにも休憩の20分の間も作品にどっぷり浸かっていただけるんじゃないかな。最後まで『男たちの挽歌』を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。

青柳:……今ので十分でしょ!(笑)コメントを求められるなと思ってましたけど、今のでいいですか?(川島さんの方を向いて)ありがとう!(笑)

ーー今回鄭さんの演出は初めて参加されるということで、稽古場でのエピソードなどあったら教えていただけますか。

松倉:もともと台本にあるシーンで、普通の話の掛け合いだったところが、鄭さんのユーモラスな演出でちょっと面白くしてあったり。そういういうシーンが至るところに散りばめられてるので、 観ていただく方には楽しみにしていただきたいなと思います。

川島:喋れば喋るだけ、素晴らしいところが出てくると思うんですけども、僕個人としては鄭さんの口癖が若干うつり始めたなと思ってまして(笑)。「~~なんだよね、知らんけど」って「知らんけど」が語尾についたり、「今日はこれぐらいにしといたる」と言ったり。稽古の最後に鄭さんが毎回「今日はこれぐらいにしといたる」とキャストのみんなに言ってくれるんですけど、今日も1日頑張ってよかったという気持ちになれるんですよね。アフターケアも全部含めて、鄭さんはキャストのみなさんを愛してくださってるんだなということを毎日感じて、こんな幸せな稽古場はなかったと思います。

>(NEXT)演じる上で難しかったところとは?

音楽劇『A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-』

ーーそもそも原作はみなさんが生まれる前の大ヒット映画ですよね。出演が決まったときはどういう印象を持ちましたか?

青柳:世代的にはちょっと下なんですが、映画は見ていて。お話をいただいて、即決でやらせていただきたいですと返事をしたのは覚えています。本当にアクションがすごくて、かっこいい人たちが描かれているので、それを舞台でやったらどうなるんだろうという思いがあって、お話を受けさせてもらいました。

松倉:めちゃくちゃ嬉しかったです。もともと(原作は)知らなくて。お話いただいたのも、僕らのツアー中で、休憩時間に聞かされたんですけど、資料に『男たちの挽歌』「松倉海斗、川島如恵留 W主演」とあって、マジっすかって。改めて原作映画を見たのですが、とにかくかっこよく、男くさい映画。ガンアクションも本当に素晴らしいし、伝説の香港映画にこんな僕が主演を務めさせていただいていいのかとも思いながら、でも日を重ねるにつれて、作品に恥じぬように頑張りたいなと自分を高めてきて……今日ここにいます。

川島:僕も同じく作品のオファーをいただいたときには、(原作を)存じ上げなかったんですけれども、ツアーの最中だったこともあって、結構移動時間とかたくさんあったので、何度も何度も原作を観せていただきました。そこで自分とマークの共通点は何だろうと探したり、ストーリー全編通してどのように役が交わっていくのか、僕なりに色々研究したり。研究していけばしていくほど、本当に深い作品なんだということがどんどん分かっていって。

多分世界中に『男たちの挽歌』という作品が大好きだという方がたくさんいらっしゃると思うんですけども、きっとみなさんも1回見て「なに、こんな楽しい作品あるの?」となって、繰り返し見ちゃう人がたくさんいて、だからこれだけ大ヒットしたと思うんです。今回の舞台も1回観たら絶対もう1回観たい、来年も観たいと思ってもらえるような作品にすべく、僕たちも稽古場で頑張ってやってきた感じですね。

ーーちなみに役とご自身の共通点なんでしたか?

川島:共通点は、とにかく泥臭いことでした。僕は自分のこと、すごく泥くさい人間だと思っていて。夢を諦めないし、自分は一段飛ばしで階段を昇れないけど、1歩ずつでいいから前に進んでいきたいという思いでずっと芸能活動をやってきた。それがまさにこのマークという役の人生と少し似てるなと。

ーー演じる上で1番難しかったところは?

川島:僕は2幕に入ったら右足をがっつり怪我して、右足が動かない状態でのアクションがあるので、そこはかなり苦戦しましたね。お稽古が終わったら、普段の川島如恵留に戻らなきゃいけないと分かってはいるんですけど、ちょっと足を引きずって歩いている自分がいて。テレビ局でスタッフさんに「足、大丈夫ですか?」と言われることもあったので、役が抜けてないんだなと(笑)。役に浸かりすぎちゃってるので、オン・オフをきっちり分けたいと思います。

松倉:痛みを引きずりながらアクションをすることですね。アクションって、殴ったり殴られたりもするじゃないですか。僕は『虎者』という舞台をやってましたが、アクションは初みたいな状態なので、稽古の序盤は、殴られてダメージを受けている場面なのに、元気よく走ったりしていました(笑)。殴られているから、痛みを引きずらなきゃいけないんだというのは発見でしたね。そこがちょっと難しかった。

青柳:みなさんの想像通り、アクションがやはり多いですし、音楽もあるので……汗かくなと言われまして。

松倉:翔さん、稽古場にTシャツを何枚持ってきているんですか?

青柳:5枚ぐらい。濡れると危ないときもあるのでね、汗かくなと。でも時期の設定上、厚着でね。

松倉:裏起毛(うらきもう)でアクションしたりしています(笑)。

ーーお芝居の面ではどうですか?青柳アニキに教えてもらったことはありますか?

川島:セリフは1人のものではないんだということを教わりました。マークとホーは1対1でお芝居するシーンが結構あるので、そこで少しお話いただいたりして。本当にそうだなと思って。それから結構ガラッと僕の中でもマインドチェンジできて、これはアニキに対して言っていることなのか?自分の独り言なのか?とちゃんと使い分けられるように意識しました。それを舞台作品の中でより効果的に見えるように挑戦すること。それが今回のこの僕の挑戦だったのかなと思います。

松倉:キットとホーはもう本当にお兄ちゃんみたいな感じなので、1番距離感が近い。役柄としても距離感が近いので、役を深掘りしようと、台本を開いて話し合いましたよね。「キットとして、ここのセリフを強調した方が、もっとキットとして生きやすいんじゃないか」といったアドバイスをいただきました。

青柳:なんか褒めていただいてますけど、全然そんなことなくて(笑)。稽古場でも劇場入りしてからも、顔見合わせたら「ちょっとセリフやろうよ」みたいな関係性を築けたことが1番大きいかなと思います。

川島:そうですね、そう思います。今日の今日までずっとリードしてくださっているので、本当に感謝してます。

ーーTravis Japanのメンバーはどうですか?観に来るのですか?

松倉:はい。多分めっちゃ楽しみにしていると思います。それこそメンバーみんな「来たい」というのもそうですし、グループのスケジュール帳があるんですよ。そこにもう何人か、スケジュールが入ってたりしてて。めちゃくちゃ楽しみにしてくれていますね。

ーーファンのみなさんにメッセージをお願いします!

青柳:これから最後まで怪我なくみなさんに楽しんでもらえるよう、いい作品になるよう、力を合わせて頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

川島:観に来てくださるファンのみなさまに、そして今回残念ながら観に来れなかったファンのみなさまにも、また次も絶対に観たい、次こそ観たいと思っていただけるような作品にしてまいりたいと思います。ぜひ『男たちの挽歌』をみなさまの歴史の1ページに刻んでいただけるような作品にしたいと我々思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

松倉:『男たちの挽歌』、「A BETTER TOMORROW」ということで、観に来てくださったお客さんに、よりいい明日を迎えたいと思ってもらえるような作品を届けたいと思います。ここから千秋楽まで突っ走っていきたいと思います。よろしくお願いします。

取材・文=五月女菜穂