スバル新型「アイサイト」MT車に初搭載!「快適スポーツカー」がスゴい!「“新”BRZ」の実力は?

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MT車も安全&快適! MTアイサイト「BRZ」に初搭載!

 スバルが国内で販売するモデル(OEM除く)として、唯一MT車も設定されるのが「BRZ」です。
 
 BRZは、「低重心」「コンパクト」な水平対向エンジンを搭載することで、優れたハンドリング性能を実現したモデルとして2012年に登場。
 
 現行モデルは2021年7月にフルモデルチェンジした2代目モデル。「誰もが愉しめる究極のFRピュアスポーツカー」へと進化しました。

「アイサイト」を初搭載した「BRZ」のMT車

 そして、2023年9月22日に発表された改良モデルでは、最上級グレードの「STIスポーツ」が追加されたほか、MT車に「アイサイト」を搭載。

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 AT車では2代目登場時に搭載済みですが、MT車でもプリクラッシュブレーキと追従機能付きクルーズコントロール(ACC)、車線逸脱・ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、後方警報機能付きクリアランスソナーが装備されました。

 BRZのAT車のアイサイト(Ver.3)をベースとし、MT車に適用させた新たなアイサイト(以下、MTアイサイト)が開発されたのですが、どのような機能なのでしょうか。実際に試してみました。

 従来のBRZには、通常の「クルーズコントロール」が備わっており、設定したスピードで定速走行することは可能ですが、前走車と車間を維持する機能は搭載していませんでした。

 そのため、前走車に近づいたら機能をキャンセルしなければならず、空いている高速道路でしか使えなかったのです。

 それが、MTアイサイトでは追従機能が付き、車速の調整が可能になったことで高速道路での安全性能と快適性能が向上。

 シフトが2速から6速のいずれかで、かつ車速が30km/h以上のときにACCをセットすることが可能で、ACC作動中でもクラッチやシフト操作は自由におこなえます。

 実際に試してみると、ブレーキやアクセルから足を離した状態でも、前走車がいても近づきすぎることなく、設定した車間距離を維持しながら、クルマが加減速をしてくれるのが本当に便利だと感じました。

 このMTアイサイトの特徴として、ACC作動中に変速すると、まるで人間が運転しているかのような丁寧な追従制御をおこなうことも挙げられます。

 システムの介入によってドライバーの意図にそぐわない挙動とならないようMTならではのさまざまな調整を施したといいますが、確かに変速しても急な加速や減速もないことを実感。

 また、車線変更したクルマが前に入ってきたときも、自然に減速していることがわかり、「MTアイサイトは運転がうまい」と思いました。

 なお、25km/h以下になると追従機能はキャンセルされます。これは6速でもエンストしない速度として設定されたもので、MT車が渋滞時にもっとも大変な“ノロノロ運転”では使うことができず、ドライバーが運転することになります。

 ほかにも、クラッチを5秒踏み続けたり、ニュートラルで5秒以上走行し続けるなど、追従する意思がないとシステムが判断した場合に追従機能がキャンセルされるなど、MTならではの操作に配慮した制御も加えられました。

エンストして停止する「プリクラッシュブレーキ」搭載

 もうひとつの機能であるプリクラッシュブレーキは、先行車両のブレーキランプや歩行者、自転車をステレオカメラが認識し、衝突する恐れありとシステムが判断するとドライバーに対して警告を発し、必要に応じてブレーキ制御をおこないます。

 衝突回避軽減機能としてはAT車と同じですが、MT車ではクラッチの状態やシフトポジションにかかわらず作動し、エンストさせて車両を停止。

「MTアイサイト」のプリクラッシュブレーキ

 ドライバーがブレーキを踏むまで停止が継続され、再発進をするときはエンジンをかけ直すことになります。

 なお、スポーツ走行などをする際はプリクラッシュブレーキをオフにすることも可能。ただし、再度エンジンを始動したときはプリクラッシュブレーキがオンになる設定となっています。

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 スバルは、「2030年に死亡交通をゼロにする」という目標を掲げており、長時間の運転に負担があるMTだからこそ、運転支援システムの必要性が高いといいます。

 高速巡航や万が一の事態ではクルマに任せて、スポーティに走りたい時は自らの手で操ることができるMTアイサイトは、スバルが提唱する「安心と愉しさ」を実現していることがわかりました。

 なお、2023年9月以降にBRZを購入した人の7割がMT車を選択しており、多くのユーザーがMTアイサイトの搭載を待っていたといえそうです。