鈴木千裕戦は“本格復帰前”の腕試し? 英ラジオ局はパッキャオのRIZIN参戦にシビアな評価「奇妙なルールの試合だ」
鈴木との試合に挑むパッキャオ。日本での一戦に対する評価は小さくない反響を呼んでいる。(C)Getty Images
文字通りのサプライズに会場もどよめいた。6月9日、国立代々木競技場第一体育館で行われた「RIZIN.47」で、ボクシングで世界6階級を制覇したマニー・パッキャオ(フィリピン)が、RIZINフェザー級王者の鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と、今年7月28日にさいたまスーパーアリーナで実施される「超RIZIN3」で対戦することが発表された。
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2022年の大みそかに「RIZIN.40」で、同団体との契約を発表していたパッキャオ。昨年末には、元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)との対戦も示唆した中で、RIZINの榊原信行CEOが「国外のファンを振り向かせていく必要がある。そういったためには、まだまだ飛び道具がいる」として指名されたのが、看板を背負う鈴木だった。
もっとも、海外メディアの反応はシビアだ。RIZINでの鈴木戦が正式発表される数時間前に、パッキャオが今年9月にWBC世界ウェルター級暫定王者マリオ・バリオス(米国)に挑戦すると大々的に報じられ、45歳にしての“本格復帰”の話題が先行していたからだ。
米スポーツ専門局『ESPN』は「パッキャオの良い所は常に素晴らしいコンディションを保っていること。彼がオーバーウエイトになることを見たことがない。あとはWBC次第だ」というバリオスのトレーナーであるボブ・サント氏のコメントを紹介したうえで、米興行大手『MP Promotion』が試合実現に向けた交渉を本格化させていると報じた。
また、英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』は、3分3ラウンド、それもボクシングルールで実施される鈴木戦を「奇妙なルールのエキシビションマッチ」と指摘。そのうえで「パッキャオは2021年に現役引退して以来、まともな試合には出場していないが、この日本の総合格闘家との試合も圧倒的な勝利候補だ。空位となっているWBCタイトルを懸けてバリオスと対戦する交渉中である彼は完全復帰に向けてトレーニングを本気で取り組んでいる」と下馬評を論じた。
ボクシングルールでの実施とあって、どちらに分があるかは明らかではある。そうしたなかで、伝説的ボクサーと新進気鋭の日本人ファイターがどのようなインパクトを残すのか。批判はあれど、両雄の対決に世界の注目が集まるのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]