[6.1 J1第17節 浦和 1-1 神戸 埼玉]

 自信につながる今季リーグ戦初ゴールとなった。ヴィッセル神戸MF井出遥也は前半15分に先制点を奪取。ゴール前でクロスからのこぼれ球を収め、冷静に右足シュート。「イメージ通り」と手応えを語った。

 神戸は試合開始から流れを掴んだ。何度も決定機を作ると、前半15分に均衡を破る。最初に井出が左サイドから上げたクロスは右サイドに流れるが、DF酒井高徳が拾って再度クロス。FW武藤嘉紀のフリックからFW大迫勇也の競り合いでこぼれたボールはまたしても井出のもとにこぼれてきた。

「クロスから逆に展開してこぼれてくるんだろうなという感覚もあった」(井出)。予測していた通りの流れに体が反応。相手GKの虚を突くゴールのニアサイドに決め切り、「思い通りに決めた」と力を込めた。

 今季リーグ戦初ゴールとなった得点後にはボールをユニフォームの中に入れ、親指をくわえるゴールパフォーマンス。現在、妻が妊娠中で今年10月に出産予定だという。5月22日のルヴァン杯でもゴールを決めていたが、「リーグ戦で残していた」とパフォーマンス披露の理由を明かした。

 昨シーズンの終盤は先発とゴールが続き、「自分の感覚的によかった」と手応え。しかし、Jリーグ王者として臨んだ富士フイルムスーパーカップで右ハムストリングの肉離れと負傷。シーズン開幕から離脱を余儀なくされた。4月7日の横浜F・マリノス戦で途中出場して復帰。だが「なかなか満足のいく内容ではなかったのと、少し考えてプレーしていた」と納得はできていなかったという。

 大迫からは「自由に動いたほうが今のチームでは機能する」と助言をもらい、試合開始から意識してプレー。「自分が自由にプレーして時間を作って、そのなかで仕掛けることだったり、改めていいフィーリングができた」。ルヴァン杯での得点から今節ゴールという結果もついてきたことで「自分にとって自信になった。今シーズンはキャンプからすごくよかったなかで、改めて今日は自信になる試合だった」と振り返った。

 それでもチームは後半に追いつかれた。井出は浦和レッズにボールを奪われてからカウンターという流れが増えたことを失点の要因に挙げる。「もう少し自分たちで攻め切るのか、時間を作るのかというところは今後の課題」。時間を作る部分については、井出も「自分の得意なところ」と胸を張る。「もっともっと成長して結果を出せるようにがんばっていきたい」と先の戦いを見据えていた。

(取材・文 石川祐介)