都内で会見に出席し、カメラにファイティングポーズを取る加納陸【写真:中戸川知世】

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7.20トリプル世界戦

 ボクシングのWBO世界フライ級1位・加納陸(大成)が31日、都内で会見し、7月20日に東京・両国国技館で行われるトリプル世界戦興行で同級2位アンソニー・オラスクアガ(米国)との王座決定戦を行うと発表した。8年ぶりの世界挑戦。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。戦績は26歳の加納が17勝(8KO)3敗1分け、25歳のオラスクアガが6勝(4KO)1敗。

 大舞台に心を燃やしている。加納は8年ぶりの世界戦。「やっと戻ってこられた」と率直な気持ちを明かしつつ、「ここまで来たらあっという間というのも素直なところ」と真っすぐな想いを漏らした。「本当に楽しみな気持ちと、次こそは必ず王座奪取するぞっていう熱い気持ちがあります」。視界には世界王座しかない。

「対戦相手のオラスクアガ選手も日本でかなり評価の高い選手だと思っている。そんな選手に自分が勝利して世界王座を奪取しますので、応援よろしくお願いします」

 日本ボクシングコミッション(JBC)の管理下では17歳だった2015年6月にプロデビュー。これ以前もフィリピンやタイで実戦経験がある。国内デビュー5戦目にWBOアジアパシフィック・ミニマム王座を獲得。しかし、18歳だった16年8月、高山勝成(仲里)とのWBO世界同級王座決定戦で6回負傷判定負け。以降も2度敗れたが、2階級上げ、8年ぶりに世界戦へとたどり着いた。

 相手の印象については「ほんとに好戦的でパンチ力のある強い選手」と警戒。強敵撃破の鍵は「この試合に対するモチベーション。そこはもう負けてないと思うので、初回からガンガン攻めていきたい」と思い描いた。5月始めに走り込みを完了。今週から本格的なスパーリングを始めた。今後はフィリピンから世界ランカーを招聘するという。

オラスクアガが日本語で挨拶「アリガトウゴザイマス」

 一方、オラスクアガの直近2試合は日本開催。特に昨年4月のWBA&WBC世界ライトフライ級2団体統一王者・寺地拳四朗(BMB)への挑戦は9回TKO負けしたが、好戦的なスタイルで激闘を生み、王者を追い詰めた。日本のファンにも馴染みのある選手だ。

 今回の興行は、親交の深いWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)も初防衛戦を行う。オラスクアガは中谷と米ロサンゼルス合宿に励むため、会見はリモート参加となった。

「今回の試合は準備期間がしっかりある。今はチームとの練習でワクワクした気持ちもあります。この時間をしっかり使って素晴らしいショーを見せたいし、チャンピオンになりたい。コンディションはとてもいい。たくさんスパーリングをしています」

 加納について「もちろん顔と名前は知っている。的確にパンチを当てて前に出てくる印象」と説明。中谷と練習し、「凄くいい時間を過ごせています。中谷選手がアメリカに来ると、ジムの中でも外でもいろんな話もしますし、一緒にトレーニングをしっかりとできている」と歓迎した。

 日本のファンには「いつも皆さんの応援に感謝しています」と笑顔。最後は日本語で「アリガトウゴザイマス」と笑って締めくくった。

【7月20日の対戦カード】

▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・中谷潤人(M.T)
VS
同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)

▽WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・田中恒成(畑中)
VS
同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)

▽WBO世界フライ級王座決定戦12回戦
同級1位・加納陸(大成)
VS
同級2位アンソニー・オラスクアガ(米国)

▽10回戦
那須川天心(帝拳)
VS
ジョナサン・ロドリゲス(米国)

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)