【阪神】首位広島と1差 「新庄劇場」に大敗を招いた”ミスの連鎖”とは

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渡辺を5番に起用した岡田監督の采配も光った(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 やられ放題となった。

 注目を集めた阪神・日本ハムの交流戦。現役時代を聖地で過ごした日本ハム・新庄剛志監督はメンバー交換時に独自に作成した阪神ユニホームをまとうなど話題を独占。試合もその勢いのままに日本ハムが8−2と圧勝となった。

【動画】先発の大竹が伊藤から適時打を放つもチームは大敗

 日本ハムは万波中正の6号2ラン、「打てる捕手」田宮裕涼、水谷瞬がともに猛打賞など売り出し中の若手が活躍する中、阪神は変わらずの貧打とミスが足を引っ張った。

 二回一死一塁、田宮の打球は左翼線へのフライとなったが左翼を守る前川右京はスライディングキャッチを試み、グラブに当てながら落球(記録は二塁打)。打球には追いつきながら、もったいないプレーでピンチを拡大させた。 

 続く二回一死二、三塁の場面でも石井一成のゴロを遊撃の木浪聖也が本塁へ送球。しかし、送球が三塁方向へそれて野選と悪送球となり、二走・田宮も生還、2点先制を許した。昨年、ゴールデン・グラブ初受賞の木浪はこれで「8失策」の両リーグワーストと精彩を欠く。大勢が決した試合終盤の9回にも一塁手、大山悠輔がファンブルし、失策を記録した。
    
 攻撃面では12残塁と拙攻が目立った。3回は一死満塁のチャンスを作りながら、3番の森下翔太が見逃し三振、4番の大山悠輔が左飛に倒れ、得点に結びつかなかった。走者をためながら中軸が凡退する場面が続いた。4回も二死一、二塁から投手の大竹耕太郎が左前適時打を放って1点差に迫るも、続く近本光司が空振り三振に倒れた。

 傷口を広げたのは攻撃面においての細かいミスにもあった。
  
 3点差をつけられた直後の五回の攻撃。無死満塁から渡辺諒が中犠飛を打ち上げ1点を返した場面。左中間への深い打球だったにもかかわらず、二走の森下は二、三塁間のハーフウエーで打球を見ており、タッチアップできず、三塁へ進めなかった。勝負への準備ができていないといわれても仕方がなかった。

 岡田阪神が昨年日本一に輝いたのは、指揮官が求める「普通の野球」を各選手が体現できたためともいわれている。得点力は低くてもミスを減らし、確実に勝機に結びつけるなど、スキのなさが光ったが、迎えた今季、貧打は目立ち、ミスの連鎖となれば指揮官が怒りを募らせるのも無理はない。

 首位の広島は29日のオリックス戦(マツダ)に末包昇大、小園海斗の活躍含め19安打14点の大勝と勢いに乗る。交流戦の勝敗次第ではリーグ戦再開時に差をつけられかねない。連覇を目指す岡田監督が今後、どのようにチームを動かしていくかも注目となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]