「ナカタニを叩けば…」中谷潤人の初防衛戦、敵陣営の大物プロモーターが語った野心 井上尚弥戦にも言及「照準を合わせられる」
7月20日に初防衛戦が決まった中谷。いずれも彼も階級を上げることになるだろう(C)Getty Images
プロボクシングのWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)が、7月20日に東京・有明アリーナで、指名挑戦者であり同級1位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)と初防衛戦を行う。5月15日、世界ボクシング評議会(WBC)が発表した。
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中谷は今年2月、バンタム級初戦で前王者のアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)からベルトを奪取し、フライ級、スーパーフライ級に続き、世界3階級制覇を達成している。そして、その王者に挑むアストロラビオは、ここまで世界王者のタイトルには届いていないものの、昨年、ジェイソン・モロニー(豪州)の持つWBOバンタム級のベルトにも挑戦している実力者だ。
同階級では現在、世界主要タイトルを日本人選手が独占するという状況を迎えている。その中で、WBCのベルトを保持する中谷の防衛戦は、試合当日までさらに注目度が高まっていくことは必至だ。
また、挑戦者のアストロラビオの母国であるフィリピンでもこの対戦決定を報じている。現地メディア『FASTBREAK』が5月15日、「フィリピンの挑戦者ビンセント・アストロラビオが、ジュント・ナカタニのWBCバンタム級タイトルへの初挑戦者として7月20日にリングに上がる」と伝えた。
その中では、アストロラビオをプロモートするMPプロモーションのショーン・ギボンズ氏のコメントも掲載。「ビンセントは最初のタイトルマッチで多くのことを学んだ。その経験をこの試合に活かすだろう」と中谷戦への期待を寄せている他、スーパーバンタム級で4団体のベルトを保持する、井上尚弥(大橋)への関心も示している。
ギボンズ氏は、「この階級でチャンピオンになれば、誰もがイノウエに照準を合わせられる」と述べており、さらに「ナカタニが今まさに野獣とみなされており、来年のイノウエの対戦相手になる可能性があることは分かっている」と日本人王者の今後にも言及。
その上で、「我々がナカタニを叩けば、とんでもないことになる。さらに、WBCのタイトルを獲得することは、常に最大かつ最も名誉ある成果である」と大一番への意欲を語っている。
果たして、大物プロモーターの期待通り、フィリピン人チャレンジャーは無敗の王者・中谷に土をつけることは出来るのか。そしてその先に見据える「モンスター」との対戦への見込みも含め、7月のタイトルマッチはさまざまな可能性を秘めた戦いとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]