GoogleでPixelシリーズのデザインを担当しているクロード・ゼルウィガー氏が、海外メディア「Inverse」のインタビューに応じました。インタビューの中ではカメラバーの搭載に至った経緯や、ユーザーのスマートフォン保護ケース利用率について語られています。

The Real Reason Google Keeps Changing the Pixel Camera Bar

https://www.inverse.com/tech/pixel-camera-bar-google-interview

最初のPixelスマートフォンは、2016年にリリースされた「Pixel」です。Pixelには背面カメラが左上に1個だけ搭載されており、2017年に登場した「Pixel 2」や2018年に登場した「Pixel 3」でも背面カメラは左上に1個搭載されていました。ゼルウィガー氏は、Pixel 3までのPixelシリーズではカメラの配置がエンジニアリング上の大きな制約を受けていたと指摘しています。



2019年に登場した「Pixel 4」や2020年に登場した「Pixel 5」では、カメラが複数搭載されるようになり、カメラ搭載部分が他の部分より出っ張るデザインが採用されました。ゼルウィガー氏によると、Pixel 4やPixel 5ではカメラが主要なデザイン要素の一部としてみなされたとのこと。



そして、2021年に登場した「Pixel 6」では大きなカメラバーが採用されました。ゼルウィガー氏は「(Pixel 6のデザインは)より洗練されたカメラモジュールを搭載したいという私たちの要求によって推進されました。私たちは(Pixel 6に搭載された複数のレンズが)別々のレンズに見えるのではなく、もっと隠されたものにしたかったのです」「デバイスを横切るカメラバーは部屋の向こうからでもPixelシリーズだと分かる良いデザインです」と述べています。



その後、2024年にリリースされた「Pixel 8a」に至るまで、カメラバーは採用され続けています。



一方で、2023年にリリースされた「Pixel Fold」では他のPixelシリーズとは異なるカメラデザインが採用されました。この点についてゼルウィガー氏は「デゼインは窮屈なものであってはなりません。常に特定のカテゴリの製品に対して最適な設計を可能にする必要があります。Pixel Foldのような折りたたみ式スマートフォンの場合、開いて使用する際は『端から端まで届くバー』でなくなります。そこで、全体的な形状の中で適切に配置される浮動的なデザインを採用しました」と説明しています。



GoogleはPixelシリーズをリリースする際に、各デバイスに合わせたケースも同時にリリースしています。例えば、Pixel 8aの場合は本体と同じカラーのケースも展開されています。



ゼルウィガー氏によると、ユーザーの90%はケースを使用しているとのこと。このため、Pixel 8シリーズではケース装着時の外観まで想定してデザインすることで、ケース装着時の一体感を高めています。



Inverseから次期モデルについて質問されたゼルウィガー氏は「ユーザーはデザインの継続性を求めています。また、ユーザーは進歩も望んでいます。視覚的な進歩はあちこちジグザグに進むのではなく、技術的な進歩に従う必要があります」と回答しています。

なお、インターネット上にはすでにPixel 9シリーズのものと思われるイメージ画像がリークされています。リークされた情報によると、Pixel 9シリーズのカメラはPixel Foldに近いフロート式のデザインになるそうです。

Google Pixel 9は「Pixel 9」「Pixel 9 Pro」「Pixel 9 Pro XL」の3モデル展開か - GIGAZINE