AI の進歩により、人が不要になる世界は来るのか:オルツの示すクローン技術の可能性
「私にとって、私のクローンは資産そのものになりつつある」--パーソナル人工知能(P.A.I.)やデジタルクローンの開発を手がけるオルツのCEO米倉千貴氏は、同社が3月28日に都内で開催したカンファレンス「ZEROの衝撃〜AIと人。変革か隷属か。〜」に登壇。実際にオルツで稼働しているデジタルクローンの活用事例を紹介するとともに、クローンによって人間が不要となる労働環境の実現性が高いことを示した。
オルツは、「人の非生産的労働からの解放」を掲げ、2014年に設立されたベンチャー企業だ。人間の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置して、あらゆるデジタル作業をそのクローンに行わせる「デジタルクローンP.A.I.」の開発などを手がける。
また、P.A.I.から生まれた高度なAI要素技術群を活用し、自動議事録ツール「AI GIJIROKU」や、多言語コミュニケーションを可能にする「AI通訳」、24時間365日無人対応な「AIコールセンター」などのビジネス向けAIソリューションも販売している。
米倉氏は、「人の要らない世界」と題したセッションで、デジタルクローンが可能にする業務の効率化について、自身のデジタルクローンの活用事例を見せながら解説した。デジタルクローンは、人間が日常で使用しているSNSやWebサイトでの検索履歴をもとに学習し、本人と限りなく近い行動ができるようになる。
人工自立型のクローンとして自ら業務のための命令文を生成し、PCを操作することで、「日々の雑務や人間にとって手間のかかる業務を行っている」という。
米倉氏は、デジタルクローンの実働によってオルツの人件費が大幅に削減されていることについても触れた。同社では現在、クローンが人間の代わりに新規株主へのプレゼンテーションを行ったり、人事部が行う採用面接も担当したりしている。
たとえば、採用面接については、クローンが実際に面接をして結果を出力してくれるため、人間による月間の人事業務は全体の70%以上削減された。英語でのアプローチもできるようになったため、採用率も2.5倍になった。その結果、人事業務における人件費は72%以上削減できたという。
そのほか過去に経験のない業務でもAIが推測して実行するなど、事業への貢献度も高く、同社ではクローンに給与も支給しているという。米倉氏自身にとってもクローンはすでに欠かせない存在になっているといい、労働環境において「人の要らない世界」が着実に進んでいることを示唆した。
同カンファレンスは、生成AIの台頭が今後の人類や日本、経済、ビジネスに及ぼす影響や変化について専門家や有識者らとともに議論するもの。慶應義塾大学教授の竹中平蔵氏やオルツ取締役CFOの日置友輔氏らによるパネルディスカッション「オルツを1兆円AI企業にするために」や、数理先端技術研究所の生島高裕氏や東北大学教授の乾健太郎氏らが参加したセッション「生成AIの次」などを実施。オルツの新製品を試せるデモンストレーションなども行った。
Written by 坂本凪沙
人工自立型クローンが企業の業務を革新
オルツは、「人の非生産的労働からの解放」を掲げ、2014年に設立されたベンチャー企業だ。人間の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置して、あらゆるデジタル作業をそのクローンに行わせる「デジタルクローンP.A.I.」の開発などを手がける。
また、P.A.I.から生まれた高度なAI要素技術群を活用し、自動議事録ツール「AI GIJIROKU」や、多言語コミュニケーションを可能にする「AI通訳」、24時間365日無人対応な「AIコールセンター」などのビジネス向けAIソリューションも販売している。
米倉氏は、「人の要らない世界」と題したセッションで、デジタルクローンが可能にする業務の効率化について、自身のデジタルクローンの活用事例を見せながら解説した。デジタルクローンは、人間が日常で使用しているSNSやWebサイトでの検索履歴をもとに学習し、本人と限りなく近い行動ができるようになる。
人工自立型のクローンとして自ら業務のための命令文を生成し、PCを操作することで、「日々の雑務や人間にとって手間のかかる業務を行っている」という。
米倉氏は、デジタルクローンの実働によってオルツの人件費が大幅に削減されていることについても触れた。同社では現在、クローンが人間の代わりに新規株主へのプレゼンテーションを行ったり、人事部が行う採用面接も担当したりしている。
たとえば、採用面接については、クローンが実際に面接をして結果を出力してくれるため、人間による月間の人事業務は全体の70%以上削減された。英語でのアプローチもできるようになったため、採用率も2.5倍になった。その結果、人事業務における人件費は72%以上削減できたという。
そのほか過去に経験のない業務でもAIが推測して実行するなど、事業への貢献度も高く、同社ではクローンに給与も支給しているという。米倉氏自身にとってもクローンはすでに欠かせない存在になっているといい、労働環境において「人の要らない世界」が着実に進んでいることを示唆した。
同カンファレンスは、生成AIの台頭が今後の人類や日本、経済、ビジネスに及ぼす影響や変化について専門家や有識者らとともに議論するもの。慶應義塾大学教授の竹中平蔵氏やオルツ取締役CFOの日置友輔氏らによるパネルディスカッション「オルツを1兆円AI企業にするために」や、数理先端技術研究所の生島高裕氏や東北大学教授の乾健太郎氏らが参加したセッション「生成AIの次」などを実施。オルツの新製品を試せるデモンストレーションなども行った。
Written by 坂本凪沙