昨秋ドラフトから半年――「東都神セブン」の現在地 勝ち組はどの球団?
9ホールドを挙げる巨人の西舘はすでにチームに欠かせぬ存在になっている(C)産経新聞社
昨秋のドラフト会議では、東都大学野球リーグに所属するチームの投手から実に7人、ドラフト1位が誕生しました。AKB48の「神セブン」になぞらえ、「東都神セブン」と呼ばれた男たちです。
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【阪神】下村海翔(青山学院大)
【広島】常廣羽也斗(青山学院大)
【巨人】西舘勇陽(中央大)
【ヤクルト】西舘昂汰(専修大)
【中日】草加勝(亜細亜大)
【西武】武内夏暉(國學院大)
【日本ハム】細野晴希(東洋大)
横一線からのスタートを切ったはずの7投手ですが、開幕から3週間余り。早くも明暗がくっきりと出ていると話すのは、スポーツ紙のアマチュア野球担当記者です。
「草加と下村は結果的に公式戦で1球も投げることなく、トミー・ジョン手術を受け、現在はリハビリの日々を過ごしています。常廣はこのほどようやくシート打撃に登板し、『プロに入って初めて打者と対戦』がニュースになっていました。順調ならウエスタンでの登板機会もありそうです。西舘昂汰も上半身のコンディション不良を訴えて新人合同自主トレを離脱し、ファンの間でも心配の声が広がりましたが、イースタンでの登板を目指して奮闘中です。細野は20日のイースタン・オイシックス戦でデビューし、1回1安打無失点。最速は153キロでした」
そして、こう続けるのです。
「東都リーグは『戦国東都』とも呼ばれ、常に入れ替え戦の恐怖と隣り合わせの中、ハイレベルな攻防が繰り広げられます。となると、エース級はとにかく勝つための投球が求められ、心身の疲労も東京六大学とは段違いです。強調しておきたいのは、決して彼らは『酷使』されたわけではないということ。むしろ各校の指導者はケガに細心の注意を払ってマウンドに送り出しています」
疲労蓄積の原因はむしろ、別なところに理由があるのではと指摘します。
「草加や下村、常廣や細野の共通項は7月に日米大学野球選手権の日本代表として米国遠征したこと。大学生選手にとって日本代表入りは最高の名誉ですが、じっくりトレーニングしたい夏場に環境の違う米国のマウンドでフル稼働した代償が今、出ているとも言えます」
一方、「神セブン」の名にふさわしい活躍をする投手も二人います。
「巨人の西舘はセットアッパーとしての適性を見いだされ、開幕から9試合連続無失点&ホールドの快投を見せています。西武の武内も1軍デビュー戦となった4月3日のオリックス戦で初勝利を挙げ、10日のロッテ戦でも7回2失点としっかりゲームメークしている。新人王争いはこの二人が一歩リードと言っても過言ではないでしょう」(前述の記者)
とはいえ、出世争いはまだ始まったばかり。たとえ時間がかかったとしても、ドライチの誇りを胸に球界を代表するエースへと成長することを、期待せずにはいられません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]