英語がすらすら聞き取れる「たった1つのコツ」
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
ここ数年の大学入試では、英検を取得しているかどうかを、重視する大学が増えつつあります。オンライン学習塾のリザプロを運営する孫辰洋氏と、偏差値35から現役東大生社長となった西岡壱誠氏がタッグを組んだ『ドラゴン桜公式 10日で攻略 ドラゴン英検2級』を一部抜粋・再構成し、日本人が特に苦手とするリスニングの勉強法をご紹介します。
リスニングに苦手意識を持つ日本人
日本人は、英語を聞き取る「リスニング」に対して、とても苦手意識を持っている場合が多いです。
私たち(孫辰洋氏)が運営する、「クラウドイングリッシュ」には「英検に合格したい!」という生徒たちが多く集まりますが、「リーディング・リスニング・ライティングの3つの中で、苦手なのはどれですか?」と聞くと、「リスニング」と答える人が圧倒的に多いです。
今回は、『ドラゴン桜』の中でも紹介されている、英語のリスニング問題が解けるようになる勉強法について紹介したいと思います。
まずは、リスニングについて描かれている『ドラゴン桜』のワンシーンをご覧ください。
※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
この漫画でも描かれているとおり、自分でも読んでみる勉強法がいちばん効果的です。
音声を聞いて、その真似をしながら読んでみるのです。これは「シャドーイング」と呼ばれる勉強法で、数多くの科学的な裏付けがされています。聞いたことがある、という人も多いのではないでしょうか?
でも、何も考えずにこの勉強法を実践してしまうと、英語力は身に付かないままです。この勉強法で、どのような英語の能力が身に付けられるのか、ということを理解しておく必要があります。
この勉強法を続けると、英語のリズムに慣れることができます。
具体的にお話ししましょう。日本語とは異なり、英語は文の構造のパターンが少ないです。
どんな場合であっても、主語があって述語がある、というのは変わりません。「I」という「『誰が』という行為者」=「主語」を挙げたうえで、「『play』『run』などの『何をしたのか』という行為」=「述語(動詞)」が次に来ます。この流れ自体は、どんなに英文が難しく複雑になろうとも、変わらないことが多いのです。
まずは動詞を探す
例えば次の文をご覧ください。
A lot of intellectual people faced this difficult problem.
若干難しいので、リスニングでもしこの文が流れてきたら、「なんだろう?」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、ポイントを押さえれば誰でも簡単にこの文が理解できます。
この文の中で、「述語」はどの単語でしょうか? 「述語」を探そうとすると難しいかもしれませんが、「どんな行動をしているのか」という「動詞」を探してみましょう。
そんなに難しくないですね。「faced」=「直面する」だとわかるはずです。そして、これが動詞だと認識できれば、ルールに則ると、その前までの「A lot of intellectual people」は主語だとわかります。
facedさえ聞き取れてしまえば、「よくわからないけれど、ある人が何かに直面したんだな」ということはわかるはずです。こうすれば、英文のだいたいの意味を理解することができますよね。
多くの人は「intellectual people」という英語の意味がわからず、「なんて言ったんだろう?」と思ってしまいます。
「intellectual people」は「知識人」という意味ですが、もしこの単語がわかっていないと、どんどん次の文が続いていく中で、さらにわけがわからなくなってしまうのです。リスニングの問題であれば、あっという間に置いていかれてしまい、振るわない結果になってしまいます。
でも、述語に注目して聞いていれば、「ある人が、何かの問題に直面したって言いたいんだな」というくらいのことはわかります。
そしてたいていの場合、これくらいの理解でも次に進むことはできます。難しい単語が出てきたり、「今の単語ってなんだっけ?」と思った瞬間に「もうダメだ」と思ってしまっているうちは置いていかれる一方ですが、「動詞さえ聞き取れれば、なんとかなるかも」と思って聞いていると、置いていかれることはないのです。
主語→述語のリズムが身に付くように
「追い読み」=「シャドーイング」を実践する中でも、「これが述語だな」と意識しながら文を読むことで、「主語」→「述語」のリズムがだんだん身に付いていくようになります。
そしてそれを続けていけば、英文を聞いていても「あ、これが動詞だから、これが主語で、だいたいこういう意味だな」というのが頭の中に浮かぶようになるのです。
ぜひ日頃の勉強の中で「どれが動詞なのか」を意識して、英文を聞いたり読んだりする訓練を積んでもらえればと思います。
(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)
(孫 辰洋 : リザプロ代表取締役)